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シード&女王争いは「賞金」から「ポイント」制に。今季の女子ツアー、どう変わる?

翌シーズンのシード権を決めるシステムが、賞金ランキングからメルセデス・ランキングへと変更された女子ツアー。これによってシード争い、女王争いはどのように変化するのか?

PHOTO/Hiroyuki Okazawa、Tadashi Anezaki

今シーズンから賞金ランキングに代わり、シードやリランキングの基準はメルセデス・ランキングに一本化された。この変更は選手たちにどんな影響をもたらすのか? 女子ツアーで解説を務める塩谷育代プロに聞いた。

「賞金ランクだと、賞金の高い試合で一発上位に入ればシードを確保、ということがありました。それがメルセデス・ランキングになったことで試合ごとのポイントの格差が小さくなり、1年間安定して結果を出すことが重要視されるようになります。そのため、技術はもちろん、毎週続く試合へ臨むためのコンディション管理、そして集中力を保つためのメンタルも大事になります。つまり、ゴルフに関するすべての能力の高い人が女王に上り詰めることができるということなのです」

メルセデス・ランキングによって年間女王が決まる初めてのシーズン、誰がトップに立つのか注目したい。

昨シーズン採用だったら古江彩佳が女王だった!

2020-21シーズンの賞金女王は稲見萌寧だったが、メルセデス・ランキングでは古江彩佳がトップ。優勝回数では稲見が圧倒したものの、腰痛による欠場で出場試合数が古江より1試合少なかったほか、予選落ち・棄権も稲見が6回に対して古江はわずか1回。年間を通じて安定して好成績を残したことで、稲見を3.5ポイント上回り古江がメルセデス・ランキング1位に輝いた。

2020-21シーズン稲見萌寧古江彩佳
賞金ランク1位(2億5519万2049円) 2位(2億4674万3575円)
メルセデスランク2位(3841.60ポイント) 1位(3845.16ポイント)
出場試合数45試合46試合
優勝9回6回
トップ1025回22回
予選落ち・棄権6回1回

3日間競技では200ポイント、国内メジャーは400ポイント

順位に応じてポイントを加算。競技日数とメジャーかどうかによってポイントが変わるが、国内に限れば試合ごとのポイントの差は最大2倍。優勝賞金は最大5倍の差があるので、賞金額の高い試合で勝てば一気に上位になるが、ポイントの場合はそこまでの変動はない

同順位の場合は均等割りに

同じ順位が2人以上いる場合、人数分のポイントの平均が各選手に振り分けられる

「フル参戦する選手が昨年以上に多くなるでしょう」(塩谷)

●技術はもちろん心・技・体すべてが重要
1戦欠場するだけでも影響が大きく、常に予選を通らないとポイントが伸びないため、精神力や体力も重要になる

●メジャーの重要度が増す
ポイントの格差が少なくなったとはいえ、国内メジャーと海外メジャーのポイントは大きい。メジャーで力を発揮するタイプの選手が上位に来る可能性が高い

●海外メジャーに挑戦しやすくなる
海外メジャーをメルセデス・ランキングのポイント加算対象にすることで、国内ツアーの選手たちもより積極的に海外に挑戦しやすくなった

海外ツアーではすでにポイント制を導入

PGAツアー

シード権はプレーオフ前
年間王者はプレーオフで決定

レギュラーシーズン47試合の合計ポイントでシード権が決まる。ポイント上位125名は年間王者を決めるプレーオフに進出。最終戦の優勝者が、年間王者に輝く

DPワールドツアー(欧州ツアー)

日本女子ツアーと同じく海外の試合を重視

DPワールドツアー(欧州ツアー)は、米国メジャーやWGCもポイント対象となっている。昨シーズンはPGAツアーを主戦場とするコリン・モリカワが年間王者に輝いた

月刊ゴルフダイジェスト2022年6月号より

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