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【マスターズ】いったいどこまで強くなる? 現地記者が見たスコッティ・シェフラーの“強さ”

2022年のマスターズを制したのは、25歳のスコッティ・シェフラー。その急成長ぶりを間近で見てきた記者が、強さの秘密をレポート。

PHOTO/Blue Sky Photos

PGAツアーの取材のため、この約1カ月間アメリカに来ていたが、私はこの25歳の急成長ぶりを目の当たりにすることとなった。アーノルド・パーマー招待の優勝を見て、「シェフラー、最近強いなぁ」と思っていたら、WGCデルマッチプレーでは準決勝でダスティンを撃破すると、決勝戦では“マッチプレーの鬼”であるケビン・キズナーをまったく寄せ付けない圧巻のプレーで優勝。今季3勝を挙げ、気づけば世界ランキング1位となり、その勢いのままオーガスタに乗り込んできた。

2022年シェフラーの世界ランク推移

1月23日15位ザ・アメリカンエキスプレス 25位タイ
1月30日14位ファーマーズインシュランス 20位タイ
2月13日9位フェニックスオープン 優勝
2月20日6位ジェネシス招待 7位タイ
3月6日5位アーノルド・パーマー招待 優勝
3月13日5位ザ・プレーヤーズ選手権 55位タイ
3月27日1位WGCデルマッチプレー 優勝
4月10日1位マスターズ 優勝

首位で迎えた最終日、この男にメジャーの緊張感はなかった。スコアを崩す様子がまったくなく、むしろ前半で2つスコアを伸ばして後半へ。同組で競っていたキャメロン・スミスにじりじりと焦りが出てきて、スミスは11番でトリプルボギー。ここでシェフラーと6打差になり万事休す。最後は18番で4パットがあったが、それでも2位のマキロイに3打差をつけてのメジャー初制覇だった。

でもシェフラーはいったい何が上手いのか? ここ数週間何度も彼のプレーを見てきた答えが、「全部がそつなく上手いオールラウンダー」ということ。ドライバーの飛距離は平均310ヤード。身長が高くアップライトにクラブを振れてアイアンも上手い。テキサス出身で風にも強いし、アプローチの技も多彩で、何よりパットが極上に上手い(4パットしたけど!)。そして今どきの大学ゴルファーはマネジメントのレッスンも受けているので、とにかく隙がない。キャディのテッド・スコットはバッバ・ワトソンの元キャディで、マスターズ2勝を陰で支えた男だ。

しばらく彼の勢いは止められないだろう。ひょっとしたら年間グランドスラムも……、まだ気が早いか。

ドライバーは平均310ヤード

古風なスタイルながら高身長を活かしたスウィングで飛距離も十分

パットが抜群に上手い

長い距離は確実に寄せきり、短い距離も確実に沈める。パットの上手さも卓越している

バッバのマスターズ優勝キャディとタッグ

キャディのテッド・スコットとコンビを結成してから、その才能が一気に開花した

週刊ゴルフダイジェスト2022年4月26日号より

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