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まもなく開幕! 2022マスターズを制するのは? 識者4人が大予想

いよいよ開幕する2022年のマスターズ。史上4人目の連覇に挑む松山英樹をはじめ、日本からは金谷拓実、アマの中島啓太が出場する。過去最長の7510ヤードとなったオーガスタを制するのはいったい誰か。優勝候補を4人の識者が予想した。

PHOTO/Taku Miyamoto、Tadashi Anezaki、Hiroaki Arihara、Yasuhiro JJ Tanabe、Blue Sky Photos、KJR

「マキロイのグランドスラムが見てみたい」(佐藤信人)

佐藤信人

高校卒業後、米国に渡りネバタ州立大ゴルフ部で活躍。帰国後プロテスト合格。02年日本ツアー選手権などメジャー3勝を含む9勝。JGTO広報理事を務めながら、ゴルフ中継でもおなじみ

毎年のようにグランドスラムが期待されつつ達成できていないローリー・マキロイ。「マスターズは優勝すれば毎年戻ってこられる大会。個人的には彼が引退した後も、パー3コンテストの輪のなかにいるべき選手だと思っています。それにグランドスラムを達成したときの、ゴルフ界の熱気を自分の目で見て体験してみたい」。

今年に入ってから欧州ツアー・ドバイデザートクラシックで3位に入るなど、マスターズに向けて調子を上げてきているので、今年こそという気持ちも強いはずだ

世界ランク1位に上り詰めたシェフラーにも注目

「絶好調のシェフラーですが、昨年までバッバ・ワトソンのキャディを務めたテッド・スコットと契約。彼の実力と勢いにテッドの経験が加われば……」(佐藤)。ノルウェーのビクトール・ホブラン、チリのホアキン・ニーマンにも注目しているという

「昨年、松山英樹と争ったシャウフェレに期待」(内藤雄士)

内藤雄士

日大ゴルフ部在学中に米国にゴルフ留学をして最新ゴルフ理論を学ぶ。丸山茂樹のコーチとして海外も経験。現在も多くの選手をサポートしながら、テレビ番組などでも活躍

昨年のマスターズを最終日最終組で松山英樹と優勝を争い、東京五輪では金メダルに輝いたシャウフェレ。「19年にも2位タイに入るなど、オーガスタとの相性もいい選手。昨年は相当勝ちたかったでしょうし、そのあとの東京五輪では松山選手に競り勝って見事リベンジして金メダル。そろそろ来そうだなと期待しています」。本人も「次のチャンスには必ずタイトルに手が届くように準備したい」と語っているとおり、優勝への思いも人一倍強い

力のデシャンボー vs 技のスピース(進藤大典)

進藤大典

東北福祉大では宮里優作や岩田寛と同期。宮里、谷原秀人の専属キャディとして活躍したあと、13年から松山英樹の専属キャディとして国内外を転戦。現在は各種メディアでも活躍

20年大会で「パー5はすべて2オン可能。自分にとってパー68のイメージ」とデシャンボーは豪語していたが、終わってみれば34位タイ、昨年も46位タイと飛距離だけではないのがオーガスタ。「スピースは復調してきているので、一時期のような強さが見られるのではないかと期待しています。でも、技なんか関係なく、今年こそデシャンボーが力でねじ伏せてしまうかも(笑)」

「年間王者、パトリック・カントレー」(杉澤伸章)

杉澤伸章

横田真一の専属キャディとしてキャリアをスタート。02年から丸山茂樹の専属キャディとして渡米。現在は若手育成のための講演会や解説などで活躍。独特な視点には定評がある

昨年の年間王者、パトリック・カントレー。「もし松山選手が優勝を逃したとして、誰にグリーンジャケットを着せるか。これも見どころのひとつ。松山選手がローアマを獲得した翌年、松山選手を抑えてローアマに輝いたのがカントレー。この時の再現になったら……、なんて想像するとワクワクしてきます」。今年に入ってから7試合中4度のトップ10入りと好調を維持しているが、12年の再現なるか⁉

「勝てばグランドスラムにリーチ」コリン・モリカワにも注目

昨年の全英OPでコリンのマネジメント力の高さを実感した杉澤。「彼はマスターズに勝てばグランドスラムに王手。今年中に達成しちゃうかもしれません」

日本人3選手の直前情報

日本の期待を背負う3人のサムライたちの最新情報をお届け。日本人選手によるグリーンジャケットとローアマのダブル獲得なるか⁉

松山英樹
首痛の影響が気になる

首痛のためアーノルド・パーマー招待から欠場していた松山が先週復帰。練習日は順調な回復をうかがわせたが、プロアマは一転して首痛再発のため欠場。マスターズに向けて大事をとっての休養ということのようだが……

金谷拓実
WGCマッチプレーで決勝進出

1月から海外を転戦しながら調整を進めている金谷。WGCデルテクノロジーズ・マッチプレーではベスト16に進出するなど好調。先週のバレロテキサスオープンではナショナルチームのガレス・ジョーンズ氏が合流して最終調整

中島啓太
松山以来のローアマ獲得なるか

ガレス・ジョーンズ氏やトレーナーとリモートでやり取りしながら、日本で調整を進め、初めてのオーガスタに向かった。さらに、アマチュアながらテーラーメイドと総合契約締結を発表。最強のサポートを受けてマスターズに挑む

2022マスターズ出場選手一覧

※世界ランキング、および出場選手は2022年3月28日時点、年齢はマスターズ開幕時
※チャートはPGAツアーと欧州ツアーの20-21シーズンのスタッツ(平均飛距離、SGアプローチ・ザ・グリーン、SGアラウンド・ザ・グリーン、SGパッティング、SGトータル)をもとに作成

2022マスターズ出場資格
(1)マスターズ歴代優勝者 (2)全米オープン優勝者(2017~2021)(3)全英オープン優勝者(2017~2021)(4)全米プロ選手権優勝者(2017~2021)(5)ザ・プレーヤーズ選手権優勝者(2021~2022)(6)東京2020オリンピック金メダリスト (7)2021全米アマ選手権優勝者および2位 (8)2021全英アマ選手権優勝者 (9)2021アジアパシフィックアマチュア選手権優勝者 (10)2021ラテンアメリカアマチュア選手権優勝者 (11)2021全米ミッドアマ優勝者 (12)2021マスターズ12位タイまでの選手 (13)2021全米オープン4位タイまでの選手 (14)2021全英オープン4位タイまでの選手 (15)2021全米プロ選手権4位タイまでの選手 (16)2021マスターズから2022マスターズ前までのPGAツアー(フェデックスポイント500以上)優勝者 (17)2021ツアー選手権出場有資格者 (18)2021年末時点での世界ランク50位までの選手 (19)2022マスターズ前週時点での世界ランク50位までの選手

週刊ゴルフダイジェスト2022年4月19日号より

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  • 鋭い視点とマニアックな解説でお馴染みの目利きプロ・佐藤信人が、いま注目しているプレーヤーについて熱く語る連載「うの目、たかの目、さとうの目」。今週の注目選手はここ2カ月で3勝を挙げ、一気に世界ランク1位まで上り詰めたスコッティ・シェフラー。 PHOTO/KJR 第5のメジャー、ザ・プレーヤーズ選手権終了時点で、ワールドランク上位5位までを20代の選手が独占。これは制度が始まって以来、初めてのことだそうです。そして自己最高の5位にいるのが、25歳のスコッティ・シェフラー(このあとWGCを制し世界ランク1位に)。テキサス大3年のときに全米オープンでローアマに輝くと、翌18年にプロ転向。下部のコーンフェリーツアーで2勝をマークし、賞金ランク1位でPGAツアーに昇格。19年にはルーキー・オブ・ザ・イヤーに輝き、20年には全米プロで優勝争いを演じ、プレーオフシリーズ初戦のザ・ノーザントラストで、史上11人目の50台(59)を叩き出しました。21年にはライダーカップに選ばれジョン・ラームに4&3と圧勝しました。ところがこれだけの成績を挙げながら「なんで勝てないの?」と不思議がられる選手でもありました。それが今年2月、フェニックスオープンでパトリック・カントレーとのプレーオフを制して念願の初優勝。さらに3週間後のアーノルド・パーマー招待でも2勝目を飾り、フェデックスポイントでも1位に。なかなか勝てなかった強い選手が1勝すると、一気にゲートが開いて……というパターンはデビッド・デュバル、ジャスティン・ローズ、ジミー・ウォーカーらが思い浮かびます。いずれもメジャーチャンピオンだけに、シェフラーにはさらなる活躍が期待されます。ジュニア時代は136戦90勝という天才少年。そのゴルフもさることながら、注目したいのはキャディのテッド・スコットの存在です。テッドは昨年までバッバ・ワトソンのキャディで、2度のマスターズチャンピオンに導きました。何より、バッバのワガママな性格に付き合えるのはテッドしかいない、がツアーでの評価でした。しかし昨シーズンのプレーオフシリーズ後、そのコンビ解消が発表され、そのタイミングですぐシェフラーからオファーをかけます。2人は「バイブルスタディ」、クリスチャンで聖書を熱心に研究する会の仲間だったそう。また昨年のダブルス戦のチューリッヒではバッバと組み、隣でテッドの仕事ぶりも見ていたのでしょう。テッドはジュニアティーチングの世界に進むつもりだったようですが、悩んだ末に奥さんの助言で申し出を受けたそうです。よき相棒との出会いのタイミングをつかむのも運ですし、信じるものが通じると強い。ポジティブで穏やか、でも堅くない雰囲気も通じる2人です。2勝目を挙げたパーマー招待で、ボクはスタジオ解説をしていましたが、会場のベイヒルはラフが深いうえに、日を追ってグリーンは硬くなり、おまけに最終日は風も吹く超タフなセッティング。多くの選手が苛立ちを隠せずにいるなか、明らかに他とは違う雰囲気で終始穏やかに淡々とラウンドしていた2人。昨年は全米プロ、全米オープン、全英オープンでトップ10フィニッシュをしているシェフラー。そこにキャディのテッドの経験が加われば……マスターズでの期待が高まります。 「飛ぶし小技も上手く穴がないゴルフが特徴。テキサス出身の選手は低いボールを打つ選手が多いが、ハイフィニッシュをとって高いボールも打てる。今風の“ダウンから左手が掌屈”“左足がズレる”スウィングではなく、逆に右足が少しズレるノーマンのような独特なスウィングです」 佐藤信人 さとう・のぶひと。1970年生まれ、千葉出身。ツアー9勝。海外経験も豊富。現在はテレビなどで解説者としても活躍中 週刊ゴルフダイジェスト2022年4月12日号より 「さとうの目」バックナンバー こちらもチェック!
  • 初出場の2020年全米プロでいきなり優勝し、2021年これまた初出場の全英オープンも優勝。プロになって出場したメジャー6試合のうちの2つに勝った驚異の25歳。まだ少年っぽさが残る日系アメリカ人プレーヤー、コリン・モリカワに、自身の強みやマスターズでの戦い方、日本人の血を引くルーツについて、いろいろと聞いてみた。 取材・撮影/田邉安啓 コリン・モリカワ1997年、アメリカ・カリフォルニア生まれ。大学時代は世界アマランク1位。プロ転向3年にしてPGAツアー5勝。メジャーは2020年全米プロと2021年全英オープンの2勝。マスターズでメジャー3勝目を狙う >>マスターズへ挑む14本はこちら どんな試合でも勝つための準備をしています GD プロ転向後、メジャーに6試合出場したうち、20年全米プロ、21年全英オープンと2勝を挙げました。勝率でいえば3割3分3厘です。このことについてどう思いますか?モリカワ 言葉にすると大変なことですね。ただ、メジャーでもそれ以外の試合でも、どんな試合でも勝とうと思ってプレーしています。練習の仕方やゲームの運び方、気持ちの面でもすべて勝つために準備しています。GD 2020年の全米プロは、出場する前に勝てると予想していましたか?モリカワ いい準備はできていました。その前のWGCでパッティングを調整できていたし、ハーディングパーク(全米プロの開催コース)は何度もプレーしてよく知っているコースでしたから、気持ちの面でプラスに作用したことは間違いないです。GD プロ転向してまだ3年ですが、これまでの成績を自分ではどう評価していますか?モリカワ 達成できなくはないと信じていましたし、可能だとも思っていました。GD なぜそんなに信じることができるのでしょうか?モリカワ 狙い通りのショットが打てた、というほんの小さな一歩から始まって、もう少し大きなことができた達成感を感じ、次にアマチュアや大学の試合で優勝できたということなどを味わって、仲間うちやプロの試合で勝つというステップを踏んでいくと、ほかの人ができることは自分にもできるはずだと感じるようになるんです。自分は人よりゴルフが好きでちょっと上手かっただけです。 この記事は有料会員限定です続きを読むには有料登録が必要です ジェネシス招待の水曜日、プロアマの後、ゴルフダイジェストのインタビューを終え、クラブハウスに引き上げるコリン・モリカワ。マスターズに向けて、ショットの調子も上がってきているようで、この試合でも最終日に猛チャージをかけ、2位タイでフィニッシュした 子供の頃からアイアンで球を操るのが好きだった GD 昨シーズンのデータを見ると、パーオン率はツアーでほぼトップ。ドライバーの平均飛距離は112位です。ということは、アイアンショットが武器だということになりますね。モリカワ 確かにそうですね。アイアンショットなら、ほかの選手よりもピンに寄せられる自信があります。ミスの幅も小さいかもしれない。飛距離は平均的。でも、もっと飛距離を伸ばそうとは思っていないです。いまの僕が無理に飛距離を伸ばしても害悪しかないと思います。GD なぜそんなにアイアンが得意になったんですか?モリカワ 昔からアイアンショットが上手かったといえばそれまでですが、小さい頃からアイアンの打ち方を研究するのが好きで、そうやってアイアンで遊びながらゴルフを覚えたんでしょうね。コースに出ても、いかにアイアンショットを狙い通りに打つかということに楽しみを感じてプレーしていました。練習場でも、ドライバーをずっと打ち続けることはなくて、アイアンで木を避けるようにフェードを打ったりドローを打ったり、球筋を操作することばかりやっていました。GD でも、子供の頃って、やっぱりドライバーで引っ叩くのが好きだったりしません?モリカワ もちろん僕もドライバーショットは好きでしたよ。子供ならドライバーを打つのが好きでいいんですよ。ただ、僕はドライバーでハデに飛ばすよりも、木の下を抜くショットや上を越していくようなアイアンショットを打てるようになりたいと思っていました。いつもプレーしていたコースにたまたま木がたくさんあって、そういうショットを上手く打てないと、いいスコアが出ないということもあったかもしれませんね。 モリカワはPGAツアー屈指のアイアンの名手。最新のデータで見ると、パーオン率は75.00%で3位(3月15日現在)。写真はジェネシス招待の2日目、11番パー5でピンまで225ヤードの右ラフから2オンを狙った1打 オーガスタでも得意のカットショットを貫く GD マスターズは3回目の出場ですね。今年グリーンジャケットを着るには、何が必要だと思いますか?モリカワ マスターズに出ると、打つ必要のないショットを打って失敗しています。「オーガスタはドローが打てないとダメだ」とか、そんな意見に流されるんです。今年は得意なカットショット(フェード)をブレることなく打ち続けようと思っています。カットショットで攻めることが、自分にとってベストな攻略法だと過去2回の経験でようやく気づいたんです。GD 具体的にどんな練習をやっているのでしょうか?モリカワ それぞれのホールで必要なショットを練習しています。10番では木を回り込むようにドローを打つ、13番もドローを打つ、でも18番はカットを打つ、などですかね。練習では、必ずホールを思い浮かべてショットをしていますよ。GD 好きなホールはどこですか?モリカワ カットが打てるホールです! 池の位置や木の張り出し方などで、どうしてもカットが打てないホールもありますが、気持ちよくカットを打てるホールが好きです。GD キーになるショットは?モリカワ カットショットです(笑)。オーガスタでは本当にたくさんカットショットを打ちますよ。GD 好きな番手は?モリカワ 8番アイアンです。構えたときに、いちばんしっくりくるんです。好きになった明確な理由はわかりません。 ジェネシス招待、2日目11番パー5のティーショット。構えからすると、カット気味の弾道をイメージしているのか? 結果は341ヤードのビッグドライブ。モリカワは、このホールで4日間とも300ヤード超えのショットを披露 飛距離が出るのは“彼ら”のゴルフ自分とは関係ない GD 日本人のルーツについてお聞きします。お父さんが日本人なんですよね。モリカワ はい、父が日本人で、母が中国人です。GD 家庭では両親が英語で話していたので、日本語も中国語も覚えなかった?モリカワ そうです。中国語も話せません。GD それでもモリカワは日本の名字ですし、日本に行けばモリカワと日本語でも書ける。モリカワ モリカワのどこかに“River(川)”って意味が入ってるんですよね。漢字でどう書くかまではわかりませんが……。GD なにかご自身の中に日本人的な部分は感じますか?モリカワ 日本に行って、日本の歴史や文化に触れ、日本のファンに出会ったりすると、プラスのパワーをもらえる感じがするのが不思議です。日本の子供が僕のプレーを見て、その子がいつか僕のようになるかもしれないと思うと楽しみですね。GD ダスティン・ジョンソンやデシャンボーと違って、あなたの体型は日本人っぽい!モリカワ そうですね、普通の“人”ですもんね(笑)。GD そんな普通の人であるあなたが、体格の違うプレーヤーに勝てる点に関してはどう思いますか?モリカワ ゴルフだけではなく、どんなスポーツにおいても、ベストな方法はひとつじゃない。僕にとっては、フェアウェイをとらえて、いいアイアンショットを打つこと、パーオンすることです。自分の強みに徹することができれば、勝つチャンスはあると考えています。GD 長距離ヒッターがパワーでコースをねじ伏せるゴルフを見て、どう思いますか?モリカワ まったく気にしません。飛距離が出るのは彼らのゴルフで、自分のゴルフとは関係ありません。ジェネシス招待の予選ラウンドも、ツアー1の飛ばし屋のキャメロン・チャンプと同組でしたが、いったんコースに出たら自分のゴルフに徹するのみ。コースを研究し、どこにティーショットを置き、そこからどんなショットで攻めるべきかに集中する。それだけです。 2021年の全米プロ初日、モリカワと松山は同組で回った。「ヒデキの一部分は真似できても、全部を真似することはできない。きっとヒデキだって、僕の全部は真似できないはずだ。自分のスタイルを確立することがPGAで戦うには必要なことなんだ」 週刊ゴルフダイジェスト2022年4月5日号より こちらもチェック!
  • コース改造により、今年のマスターズでは11番パー4と15番パー5の距離が延長されることに。同時に木も伐採され抜けは良くなったが果たして難易度は変わる? ILLUST/Sadahiro Abiko PHOTO/Tadashi Anezaki ロングアイアンの精度が要求される 今年のマスターズでは、11番パー4が15Y、15番パー5が20Y延長される。この影響について、佐藤信人プロに聞いた。「どちらもグリーン周りに池があることがポイントです。特に11番の左の池は昨年はまったく効果を発揮しなかったように思います。セカンドショットで池を避けるならカットに打つのが正攻法。現代の選手の場合、残り200ヤード前後ならば6I〜8Iでさほど難しくないんです。けれど、220ヤードのカットとなると4Iや5Iになってくる。すると途端に難易度がアップするわけです。それは15番にも言えることで、残りが230ヤード以上になると、グリーンに止めることがかなり難しくなってきます。それでなくても15番のグリーンは縦に狭い。昨年の最終日の松山選手のようにカットがかからず奥の池にハマることも多くなると思います。やさしいホールだった15番は今年、見応え十分です」 11番 パー4 505Y ▶ 520Y 昨年の平均スコア:4.40(難度2位) “アーメンコーナー”の入り口でもともと距離の長かったパー4がさらに伸びた。「大きな理由はセカンドでドラマを作らせること。ロングアイアンのコントロールショットはプロでも難しい技術です」(佐藤)。池に向かって傾斜するグリーンのため、セカンドは無理をせずセンターを狙うのがセオリー 15番 パー5 530Y ▶ 550Y 昨年の平均スコア:4.77(難度17位) 最終日に追いかける選手はイーグルを狙いにくる15番。昨年までは2オンが狙いやすかったが、20Y伸びたことで、無理に2オンを狙わず、池の手前のフラットなエリアに刻む選手が増える可能性も。 また300Y地点の手前のフェアウェイは比較的フラットなので「あえてティーショットを刻んで3Wか5Wで攻めるという方法もあります」(佐藤) 月刊ゴルフダイジェスト2022年5月号より こちらもチェック!
  • トッププロのスウィングをじっくり観察・分析して、最新スウィングを徹底研究! 今回はPGAツアー選手から8人をピックアップ。見るだけでもいいイメージが湧くので、好きな選手のスウィングを目に焼き付けてからラウンドに臨もう! PHOTO/Blue Sky Photos ジョン・ラーム 松山英樹 ジョーダン・スピース ジェイソン・デイ ブルックス・ケプカ ザンダー・シャウフェレ ブライソン・デシャンボー タイガー・ウッズ こちらもチェック!チャーリー・ウッズのスウィング
  • 2021年のマスターズで松山に惜しくも敗れ、東京五輪ではその借りを返すかのごとく金メダルに輝いた。日本育ちの台湾人の母親とドイツとフランスのハーフの父親の間に生まれ、実は本人以外、家族全員が日本語を話せるという、おそらくPGAツアーいちの日本びいき。そんなちょっと不思議なアメリカ人プレーヤーが、メジャーのこと、日本のこと、松山のこと、いろいろと話してくれた。 取材・撮影/田邉安啓 ザンダー・シャウフェレPGAツアー4勝。1993年生まれの28歳。アメリカ代表として出場した東京五輪で金メダルに輝いた GD これまでPGAツアーで4勝して、昨年は東京五輪で金メダルも獲りました。次の目標は、いよいよメジャーですね。シャウフェレ そうですね。マスターズは同じコースですし、全米オープンはボストン近郊のブルックライン(ザ・カントリークラブ)、全米アマでプレーしたコースです。全英オープンはゴルフの聖地セントアンドリュースですね。実はまだ1度もプレーしたことがないんですけど、現地に行ったことはあります。カーヌスティの大会の後、セントアンドリュースまで行って、何ホールか歩いてみました。全米プロはオクラホマのサザンヒルズですね。あそこは、ジュニアの試合で行く予定だったんですが、大会が中止になったので、プレー経験はゼロです。マスターズと全英オープンは伝統的なコース、全米オープンと全米プロは長くてタフなコースでプレーするということになりますね。GD 勝つチャンスが高いのはどのメジャーでしょうか?シャウフェレ 数字だけ見れば、マスターズがこれまでいちばんいい成績なんです。全英オープンでも2位タイになっていますし、全米オープンもそれほど悪くはありません。全米プロだけはあまりいい記憶はありませんが……。マスターズは何度か優勝争いをしているので、チャンスがあるかもしれませんね。GD マスターズと相性がいい理由はなんでしょうか?シャウフェレ 自分のゲームプランにマッチしているのだと思います。ティーショットの精度、コースマネジメント、そして、パッティングが重要なことです。何度かいいプレーができたことで「やればできる!」と思い込めるのも大きな理由かも(笑)。GD マスターズで勝つには何が必要だと思いますか?シャウフェレ どの大会でも同じですが、たった1ストロークが勝敗を分けるんです。だから、いまやっていることをやり続けるだけです。何かを変えようとは考えていません。いままで、このプレースタイルを貫いて、優勝してきたわけですから。GD ツアーのデータを見ると、年々、飛距離アップしていますが、自分では飛ぶようになったという実感はありますか?シャウフェレ 今年のニューモデルのドライバーがとても調子よく振れるので、そのぶん飛んでいるのかなとは思っています。GD スウィングで何か取り組んでいることはありますか? この記事は有料会員限定です続きを読むには有料登録が必要です シャウフェレ つねに何か取り組んでいますね(笑)。アプローチなどはいつもいろいろと試してみてはいますが、スウィングにおいて何かを変えると他の部分に影響が出てしまうので変えることは難しいんです。けっこうトリッキーなんですよ。GD 昨シーズンのデータを見ると、ストローク・ゲインド・パット(パットの選手平均値に対して、何打優れているかを示す)の数値がいいですね。シャウフェレ パッティングはここ最近とても安定しています。グリーン形状や芝の違いに対応できていて、好不調の波を小さく抑えられていることが成績にも表れています。たとえば、スクランブル率(パーセーブ率)は、いい年と悪い年が交互に来るような波がありました。でも昨年は、アプローチが過去最高によかったと思います。そんな好不調の波のいい波がハマれば、今年はもっと勝てると思います。“トリガースタット(Trigger Stat=キーになる統計)”がよければ勝てる、という言い方をするんですが、僕の場合はアプローチがよければ勝てるんです。 (左)フェニックスオープン初日12番のバンカーショット。「アプローチがいいときはいいゴルフができている」という言葉どおり、このホールも難なくパーをセーブ。シャウフェレのサンドセーブ率は高く、今シーズンも72.73%でツアー全体の2位/(右)フェニックスオープン最終日。「パッティングは、僕のゴルフのなかでもっとも安定しているもの」と言うシャウフェレだが、この日ばかりは惜しいパットを決め切れず、1ストローク足りず、3位タイでフィニッシュ ヒデキは無敵のプレーヤーになるかもしれない GD なるほど。統計や数字だけで見れば、松山プロのパッテングはパーフェクトとは言えませんがマスターズに勝てた。何が勝敗を左右したと思いますか?シャウフェレ 昨年のマスターズの週だけ見れば、ヒデキのパッティングは最高でした。さらにスクランブリングもとてもよかったですし、ボギーもほとんど打たなかった。そしてバーディをたくさん取った。それに、ヒデキのパッティングは決して悪いわけではない。今年のソニーオープンのプレーを見れば一目瞭然です。彼のキャリアで、もっともパッティング率がよかった週だったのではないでしょうか。だからこそ勝てたんです。パットが入れば、ヒデキはすぐ優勝ですよ。トリガースタットは、僕でいえばスクランブリング、ヒデキの場合はパット。トリガースタットがいい週は、勝つチャンスがやってくるんです。GD 松山プロのことを、選手として、友人としてどのように思っていますか?シャウフェレ 大変なリスペクトを持って見ています。ヒデキほどよく練習する選手は他にいませんし、彼のチームはいい人ばかり。キャディのショータも友だちです。おもしろいヤツですしね。この2〜3年のヒデキのプレーは決して最高のものではなかったけど、いまはもうそうじゃない。マスターズで勝ち、ZOZOで勝ち、ソニーで勝った。いわゆる、あまり調子のよくない時期=“オフイヤー(Off Year)”のときにどれだけ努力していたかが、いま報われているのだと思います。そして、いまの“無敵”が本来のヒデキの姿。元々ヒデキはそのポテンシャルを持っていたんだと思います。 セントリートーナメントの2日目、9番のティーショットを終えて、松山と並んで歩き出すシャウフェレ。「ヒデキはパットが入ればいつでも勝てる男」と絶賛する。4月のマスターズではまた2人の激闘が見られるだろうか 日本にいるおじいちゃんと鰻の名店に行ったことがあるんだ GD あなたのお母さんは台湾生まれの日本育ちで、日本語を流暢に話す。お父さんはドイツ系で日本語を少し話す。母方の祖父母は日本に住んでいる。それであなた自身はアメリカ人。このようなバックグラウンドが、プロキャリアや人生にどんな影響を与えていますか?シャウフェレ とても国際的だと思っています。ときどきややこしくも思いますけどね(笑)。母は台湾生まれですが、育ったのは日本なので、むしろ日本人っぽいですね。僕は台湾にも行ってますが、台湾よりも日本に行った回数のほうが多いんです。GD ご自身のなかに日本人的な要素を感じることは?シャウフェレ 簡単に答えられる質問ではないんですが、私自身は家族のなかでただ一人アメリカで生まれ育ったんです。生まれてからずっと何らかの形で日本の文化に触れてきたわけですから、日本の文化は一般のアメリカ人より理解しているとは思います。日本人的な部分があるかと問われるとそれは疑問ですし、日本語は5%もわかりません。でも他のPGAの選手よりは日本に慣れ親しんでいることだけは確かですね。GD 好きな日本食はなんですか? シャウフェレ スシもサシミも好きですし、ウナギも好き。おじいちゃんがウナギの名店に連れて行ってくれるというので、1時間半も列に並んで食べたこともあります。トンカツ店にもラーメン店にもうどんのお店にも行ったことがありますね。(食べ物の名前はすべて日本語)。沖縄で食べたうどん、オキナワソバでしたっけ? あれもおいしかったです。妻が沖縄出身なんです。ハーフですね。沖縄にいる妻の両親にも会いに行きました。だから、いろんなオキナワソバを食べてますよ(笑)。日本人が普通に思い浮かべる食べ物はだいたい食べてますね。アメリカで“スシ”って言うと、アメリカ人は1種類だと思いますが、私はスシに何十ものネタがあることを知ってますよ。 (左)電話中にカメラマンを見つけると、手を振ってくる人懐っこさが人気の秘密。「日本はおじいちゃんとおばあちゃんがいる大好きな国だ。みんな、ヒデキだけじゃなく、僕のことも応援してくれよ」/(右)フェニックスオープンのプロアマ終了後、大勢並んだちびっこファンにサインするシャウフェレ。サインだけではなく、求められるままに写真にもニッコリ笑顔で収まるとは、さすがファン想い 週刊ゴルフダイジェスト2022年3月8日号より こちらもチェック!