荒天で進行が遅れ、決着が月曜日にもつれ込んだ第5のメジャー「ザ・プレーヤーズ選手権」。波乱の展開のなか、キャメロン・スミスが優勝を飾った。

C・モリカワ、Ｘ・シャウフェレ、J・スピース、B・ケプカらが予選落ちし、松山英樹は首と肩を痛めスタート前に棄権。世界ランク1位のJ・ラームが4番パー4で自己ワーストの「8」を叩いて馬群に沈むなか、優勝争いはスミス、A・ラヒリ、44歳のP・ケーシーに絞られ、最終ラウンドで10バーディを奪ったスミスが1打差で勝利した。

最終18番ではティーショットを右に曲げ、松の葉の上から打った第2打が左の池へ。4打でなんとかグリーンに乗せボギーで上がるヒヤヒヤの戴冠。しかしそれは母国の先輩A・スコットが06年大会に勝ったときとほぼ同じシナリオ。池からボギーをセーブして栄冠に輝いたシーンがオーバーラップする。

「もちろんうれしいけれど現実味がない」とポーカーフェースで語ったチャンピオン。実は会場のTPCソーグラスのすぐ近くに自宅があり、荒天でサスペンデッドになると家に戻って家族と過ごし、厳しい戦いの最中もストレスなく平常心を保つことができた。

「先週やって来た母と妹に会うのは2年ぶり。だから今週は家族の接待が1番でゴルフは2番目。近所の人も応援しに来てくれたし、声援に背中を押され家族の前で勝てたことが最高にうれしい」

圧巻だったのは、各選手が苦しんだパッティング。18ホール中13ホールを1パットで沈め、アイランドグリーンで有名な17番でもピンそば1.5メートルにつけてバーディ。18番はボギーにしたが、僅差で勝ち切った。

優勝賞金はメジャー超えの360万ドル（4億円強）。ポイントランクも松山らを抜いて一気にトップに浮上。これからはスミスがオーストラリアのエースだ。

週刊ゴルフダイジェスト2022年4月5日号より