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【スウィング研究】ジェイソン・デイ「タイガーの元コーチと取り組んだシャロー打法。体への負担が少ないスウィングに」

かつて世界ランキング1位に君臨したジェイソン・デイが復活の兆しを見せている。コーチのクリス・コモと取り組んできた新スウィングを、内藤雄士が解説。

PHOTO/Blue Sky Photos

ジェイソン・デイ
34歳、豪州出身。19歳でプロ転向、PGAツアー12勝。2015年全米プロでメジャー初優勝。腰痛の影響もあり2018年ウェルズファーゴ選手権以来、優勝から遠ざかっている

解説/内藤雄士

ティーチングプロ。日大在学中に米国留学しゴルフ理論を学び、プロコーチとして丸山茂樹など多くのプロをサポート。高井戸ハイランドセンターでラーニングゴルフクラブを設立、ゴルフ指導と分析家として活躍

年齢に合わせた変化

ジェイソン・デイは昨年からクリス・コモに師事するようになりました。タイガーの弟分ということもあり、タイガーの元コーチでもあるコモを選んだのではないでしょうか。コモ自身は生体力学の専門家です。背中や腰の怪我に悩んだデイなので、体にやさしいスウィングを目指したのだと思います。

もともとは高いトップからスティープ(急角度)に下ろす軌道でしたが、現在のスウィングを見ると、トップがフラットになり、クラブをシャローに振っています。グリップも、以前のスクエアから、フラットに振りやすいよう左手をセミストロングに、右手も横から添えるように変わっています。フラット軌道の効果で腕の振りがかなりスムーズになり、体の回転も上半身の前傾に合っていてスムーズです。インパクトの詰まりが解消され、時々出ていた左に引っかけるミスも減っていると思います。


デイは、20代前半から大活躍しました。当時は体に負担がかかるスウィングでも耐えられたのでしょうが、その後、怪我に泣かされて練習できない日々が続きました。無理に練習して悪くなったり、体の痛みが出たり、チーピン球が続いたり……。選手は練習できないことがいちばんこたえます。一時期、気持ちが離れたようにも見えましたが、今は前向きです。それが、この新スウィングに表れています。

試合の映像を見ましたが、すでに完成度が高く、復活の兆しが見えます。

ツアーは世代交代が始まり、年齢的にも今年にかける想いは強いはず、大きな大会で活躍してくれると思います。

【Point1】フラットプレーンに合ったセミストロンググリップ
「以前のデイは綺麗なスクエアグリップでしたが、左手がセミストロング、右手が横から添える握り方と、シャローな軌道に振りやすい握り方に変わっています」(内藤)

【Point2】低く長いシャローな入射角
スティープなダウンスウィングが特徴だったデイだが、新スウィングはヘッドの入射角もゆるやか

週刊ゴルフダイジェスト2022年3月22日号より