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【名手の名言】 アーノルド・パーマー「自信ある我流は、確信なき正統派にまさる」

レジェンドと呼ばれるゴルフの名手たちは、その言葉にも重みがある。ゴルフに限らず、仕事や人生におけるヒントが詰まった「名手の名言」。今回は、ゴルフ界の「ビッグ3」のひとり、アーノルド・パーマーの有名な格言をご紹介!

「自信ある我流は、確信なき正統派にまさる」

ゴルフのスウィングには、いわゆる正統派のスウィングというものが存在する。多くのレッスンではそのスウィングをよしとしているし、ゴルファーの多くはその正統派スウィングを目指す。

しかし、我流を貫き通し人気を博したプロゴルファーもいた。アーノルド・パーマーだ。

パーマーは「パーマー・チャージ」という、攻撃的なゴルフで一世を風靡した。帝王二クラスは記録を残したが、パーマーは記憶を残した。史上ダントツの人気者であった。熱狂的なファンも多く「アーニーズ・アーミー」と呼ばれるほどであった。

ゴルフスタイルも攻撃的。スウィングもまたハイフィニッシュで、いわゆる正統派からは遠かったが、ダイナミックで扇情的であった。そのハイフィニッシュはダグフックを防ぐために、自らが考案したものだったが、教科書的なスウィングとはとても言えなかったのである。

国内ツアーでは永久シードの杉原輝雄や、09年賞金女王の横峯さくら、韓国のチェ・ホソン、米ツアーではメジャーチャンピオンのジム・フューリックやバッバ・ワトソンなど、変則と呼ばれるスウィングで長く活躍する選手もたくさんいる。

偉大なゴルファーの多くが流麗な正統派スウィングの持ち主であるのは事実だが、「美しいスウィング」と言われながら消えていったゴルファーも、星の数ほどいるのもまた事実なのである。

我流も突き詰めればやがて確信に変わり、パーマーのようにトップに上り詰める選手もいる。カッコ悪くとも、ゴルフは上がってナンボ。美しいスウィングを求めるのもゴルフの楽しみのひとつだが、もし壁にぶち当たっているのであれば、“自信ある我流”を追求する方向へ舵を切ってみてもいいかもしれない。

■アーノルド・パーマー(1929年~2016年)

1929年米国生まれ。ウェイクフォレスト大学在学中に全米アマ優勝。PGAツアーで62勝、シニアで10勝を挙げている。メジャーはマスターズ、全米オープン、全英オープンを制しているが、全米プロは2位が最高。プロ入りから一貫した攻撃的なスタイルは圧倒的人気を呼び、国民的ヒーローとなった

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