2022年は“スパイダーマン”が急増する!? 「グリーンブック」使用NGが選手たちにもたらす影響
グリーン上の情報を知る上で欠かせない「グリーンブック」の使用が2022年から禁止に。この規制は選手たちにどんな影響をもたらす?
PHOTO/Blue Sky Photo、Tadashi Anezaki
若い選手ほど戸惑うかも
2022年から、「グリーンブック」の使用を禁止するローカルルールがPGAツアーで採用された。PGAツアーのアジア担当ディレクター、コーリー・ヨシムラ氏によると「正しくストロークするのと同じくらい、正しく芝を読むのも大切な技術のひとつという意見が多かった」のが採用された理由というが、現地での選手たちの反応はどうか、米ゴルフチャンネル解説者・レックス倉本氏によると
「これこそフェアな戦いだ! とポジティブな意見を言う選手が多いですね。まぁ本心はわかりませんが……(笑)。噂ですけど、裏で加熱するグリーンブックビジネスに待ったをかける狙いもあると言われています。近頃は最新の衛星を用いてミリ単位まで傾斜を測ったり、翌日のピン位置の情報を裏で得たりとかなり過熱していました」
グリーンブックの使用禁止で、選手のプレーにはどのような影響が出るのか。パット専門コーチの橋本真和氏に聞いた。
「若いプロは数値化して機械的にストロークすることが多いので、その情報のひとつがなくなるぶん戸惑うはずです。シーズン序盤はベテランが活躍するかも」
グリーンブックが原則グリーン上で使えなくなった
昨シーズンまでグリーンの情報が記載された図の「縮尺」に関する規定はあった。今季からは、公式ヤーデージブック以外は一切NGに。左の写真の「Tour Sherpa」と呼ばれるグリーンブックでは、1つのグリーンに対して色や数字、矢印など、さまざまな表現方法で傾斜情報が記載されていた
使用が認められる「公式ヤーデージブック」はかなりシンプル
唯一使用できる公式ヤーデージブックも年ごとに変わる。今季のヤーデージブックはより簡略化されている
手書きメモの内容も厳しくなった
公式ブックに手書きで書き込むのはOKだが、その内容にも規制が入った。
●外部から仕入れた情報を書き込むのはNG
業者はもちろん、コーチから得た情報を書き込むのもNG。原則選手とキャディのみだ
●水準器などで測った情報を書き込んではダメ
水準器などの機器から得た情報を書き込むのもNG。選手とキャディが感じた情報だけになる
●選手がテレビで見た情報を書き込むのはOK
選手とキャディが自ら得た情報なら練習や試合だけでなくTV観戦での情報を書き込んでも良い
マキロイはグリーンブック反対派だった
R・マキロイは、グリーンブックを使うのはフェアじゃないとマスターズの頃から主張していた
デシャンボーとダスティンは痛手?
米メディアは、常にグリーンブックとにらめっこしていたB・デシャンボーとD・ジョンソンの2人が苦労することになるだろうと報じている
月刊ゴルフダイジェスト2022年3月号より
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