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【名手の名言】ゲーリー・プレーヤー「なぜゴルフをしないのか」

レジェンドと呼ばれるゴルフの名手たちは、その言葉にも重みがある。ゴルフに限らず、仕事や人生におけるヒントが詰まった「名手の名言」。今回は、世界で150勝以上を挙げているゴルフ界のスーパーレジェンド、ゲーリー・プレーヤーの言葉を紹介しよう。

「なぜゴルフをしないのか」

ゲーリー・プレーヤーは海外メジャーだけでも通算9勝を挙げグランドスラムを達成し、ジャック・ニクラス、故アーノルド・パーマーと並んで「ビッグスリー」の1人とされるゴルフ界のスーパーレジェンド。86歳となった今もゴルフに対する姿勢は現役さながらだ。

プレーヤーは現役時代、世界中の試合に参戦するなかで、「なぜゴルフをするのか?」という問いを何度も受けたあと、「なぜしないの?」との答えを用意するようになったという。

ゴルフに出合うきっかけは個人個人で千差万別。そのきっかけを問われて、質問者が知ったとしてもあまり意味がないと、プレーヤーは思ったのだ。

それよりも質問者が、もしゴルフをやらない人だったら「なぜしないの? 今すぐ、1分1秒後にでもゴルフをやってもらいたい」と、逆質問することにしたのだ。

それくらいゴルフには魅力があるのだと、プレーヤーは言いたかったのである。

「プロのモノマネがゴルフの悪癖になりつつある」

もうひとつ、印象に残ったプレーヤーの言葉がこれだ。

プロのスウィングを真似することを言っているのではなく、スロープレーの話だ。

トーナメント中継で、プロたちが打つ前に芝をちぎって風を読んだり、グリーンではあっちこっちからラインを読んだりするシーンを見るものだから、それを良しとして、一般ゴルファーがマネをする悪影響をプレーヤーは嘆いているわけだ。そのおかげで世界中のコースでのプレーは遅々として進まないと……。

プロの組み合わせは3人1組が普通(2人のときも多い)でスタート間隔は10分。一方アマチュアは4人1組、間隔は6~7分。加えて、プロの歩く早さはアマの比ではない。そのことを考えずに、プロの所作だけをモノマネしていたら、スロープレーにつながることは明らか、というわけだ。

人に迷惑をかけないというのが、ゴルフでの最大のマナー。スロープレーこそマナー違反の代表格というということを肝に銘じたいものだ。

■ ゲーリー・プレーヤー(1935年~)

南アフリカ・ヨハネスブルグ生まれ。幼くして母親を亡くし、父親は炭鉱で働き、貧困な少年時代を送った。スポーツ万能であったが、ゴルフを選んだのは15歳のとき。その6年後には南アオープンで優勝する。地元有志のサポートで米ツアーに参戦。メジャーでは、全英3勝(59、68、74年)、マスターズ3勝(61、74、78年)、全米プロ2勝(62、72年)、全米オープン1勝(65年)の全9勝。また米ツアーで24勝、シニアツアーで19勝し、全世界で150勝以上を挙げた。ニックネームは黒豹。ニクラス、パーマーとともに『ビッグスリー』として、世界のゴルフシーンをリードした。日本にも馴染みが深く、青木功と親しい。プレーヤーが持つ牧場の愛馬には青木の信条「忍耐=ニンタイ」の名前をつけた。

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