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【データで振り返る20-21女子ツアー】結婚してもV、ママでもV! ベテラン勢が気を吐いた

2020-21シーズンの女子ツアー優勝者の平均年齢は24歳。若手の台頭が加速するなかで、30歳を超えたベテランやミセスとなった選手も奮闘。ツアーを大いに盛り上げた。

PHOTO/Tadashi Anezaki、Hiroyuki Okazawa、Shinji Osawa、Hiroaki Arihara

「私には“気持ち”しかない」

06年には5勝を挙げ賞金女王に輝いた大山志保。20年2月に結婚を発表し、シード最年長選手として迎えたシーズンだったが、12月に首、21年1月には左鎖骨、そして3月には右足首ねん挫と立て続けにケガに見舞われる。一時は「茶碗を持つのも重くて、ゴルフどころではなかった」というが、必死のリハビリにより5月のリゾートトラストで復帰。賞金ランクは20年末の38位から55位まで落ち、QT出場も覚悟したが、日本女子プロで単独3位となり、賞金ランク44位で来季のシード権を獲得。パーオン率は稲見萌寧(22)、高橋彩華(23)、西郷真央(20)に次ぐ4位。復帰会見では「まだまだやりたいという気持ちもあります。目標もあるし、引退というのはない」と力強く宣言している。

44歳大山志保がパーオン率4位!

2002年から2016年までパーオン率トップ10の常連だった大山。2020-21シーズンも4位となり、5年ぶりにトップ10に返り咲き。キレのあるアイアンショットは健在だ

若い世代には負けられない
「ミセス」たちが躍動

QT上位の資格で20年開幕戦に出場し、復活優勝を遂げた渡邉彩香。21年初戦のダイキンオーキッドレディス直前に結婚を発表した。「数年前から(結婚を)ずっと言われていたけど、自分も調子が悪かったのでそういう気持ちにはなれなかった」と言うが、優勝したことで結婚に踏み切ることができた。

4月に2年ぶりの優勝を飾った上田桃子は約1カ月後の35歳の誕生日に婚姻届けを提出。その上田の復活に刺激を受けたのが若林舞衣子。「私と同世代の人たちが優勝するというのはすごく刺激になりますし、そういう流れがあると思います。桃子さんが優勝したから、私も頑張れる。若い世代に負けないぞ、となっています」と19年に出産してから初優勝。

そして19年12月に上田桃子のキャディを務める新岡隆三郎氏と結婚した菊地絵理香は、渡邉の復活優勝からちょうど1年後の21年アース・モンダミンカップで結婚後初、自身4年ぶりの優勝を夫の目の前で達成した。ベテラン勢の奮起が目立ったシーズンだった。

2020アース・モンダミンカップ優勝

渡邉彩香

「もう勝てないんじゃないかという気持ちもあった」

最終日に4打差を徐々に詰めていき、17番のバーディで首位に。鈴木愛とのプレーオフを制し5年ぶりに復活優勝を果たした

2021パナソニックオープンレディース優勝

上田桃子(35)

「まだ情熱はすごくあるなって感じています」

最終日に2打差の2位タイから出た大里桃子と上田がプレーオフに突入し、2ホール目で上田がパーパットを沈めて決着

2021アース・モンダミンカップ優勝

菊地絵理香(33)

「今日は腹をくくって、一皮むけたと思う」

初日に「65」を記録すると、そのまま付け入る隙を与えず4日間60台を並べて完全優勝。4年ぶりの優勝を果たした

2021GMOインターネット・レディース優勝

若林舞衣子(33)

「私の世代で引退する空気を変えたいと思った」

最終日に1打差を追いつき、2週連続でプレーオフに突入した若林。前週は堀琴音に敗れたが、その雪辱を果たす見事な勝利だった

週刊ゴルフダイジェスト2022年1月4日号より