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【QBEシュートアウト】親友の死を乗り越えて。ケビン・ナ&ジェイソン・コクラック組が優勝

グレッグ・ノーマンがホストを務めるダブルストーナメント「QBEシュートアウト」。今年の大会はケビン・ナ&ジェイソン・コクラック組の優勝で幕を閉じた。うれしいはずの優勝インタビューでナが号泣。そのワケは?

最終日の13ホールで12バーディを奪い、3打差を逆転し初タッグにして初優勝を飾ったナ&コクラックペア。ともにラスベガス在住の仲良しコンビは「前半全く調子が出なくてトップは遥か彼方。でもバーディホールがたくさんあるから大丈夫と励まし合った」。実際に後半の猛チャージで逆転すると、「まずは自分(ナ)のバーディが決まり出して『キミはいつエンジンがかかるの?』とコクラックに聞いたらその直後、彼のパターが火を噴いた」とチームワークの良さを強調したナ。

2人は同じコーチ、ドリュー・ステッケルに師事しており、練習ラウンドを一緒にすることも。「ミスをするとコーチのせいにして『ドリュー、どうしてくれるんだ』とふざけたりした」と満面の笑みでインタビューに応じていた。

ところが最後に「悲しい出来事があったんですよね?」とインタビュアーが問いかけるとナの表情が一変。涙を流しながら「この1カ月で2人の親友を亡くしたんです」と打ち明けた。

「ひとリはラスベガスの友人でケニー・リー。そしてカリフォルニアの幼なじみダスティン・スミスです」

スミスはナがアマチュア時代からバッグを担ぎ、プロになってからもキャディを務めた人物。「彼は心臓発作で亡くなったんです。本当に胸が張り裂けそう。この1カ月は自分の人生でこれほど泣いたことがないくらい泣きました」

昨シーズン年間王者に輝いたP・カントレーにも親友が目の前で車に轢かれ亡くなるという辛いことがあったが、ナの心中は察するに余りある。

シュートアウトでの優勝は、今は亡き親友へのせめてものはなむけだ。

親友の死を乗り超え万感の勝利(写真は2020年WGCメキシコ選手権。PHOTO/Tadashi Anezaki)

週刊ゴルフダイジェスト2022年1月4日号より