【スウィング研究】中島啓太「理想的な下半身の使い方が再現性の高いインパクトを生む」
9月にパナソニックオープンを制したアマチュアの中島啓太。さらに11月のアジアパシフィックアマも制し、来年のマスターズ、全米、全英オープン出場を決めた。日本期待の星のスウィングを、プロコーチの江連忠が解説。
PHOTO/Tadashi Anezaki
解説/江連忠
ETGA校長。米国でジム・マクリーンに師事、最先端のゴルフ理論と動作解析のノウハウを学ぶ。1993年プロ入会。1996年レッスン・オブ・ザ・イヤー。2000年片山晋呉、2001年伊澤利光、2007年上田桃子を賞金王、賞金女王に導く
コリンやJ・Tと比べても
引けをとらない完成度
中島くんは、物静かな反面、発言はとてもしっかりしている印象。感情を内に秘めて外に出さないが芯は強靭。スナイパーみたいですね(笑)。こういうタイプはゴルフに向いていますし長続きします。
アドレスはスクエアスタンスでグリップはウィーク。力みのない自然体の構えで隙がありません。球筋を無理に決めないニュートラルな構えもとてもいいです。始動からバックスウィングは静かでゆったり、力感なくクラブが自然に動いていきます。
トップも柔らかく、ねじれが強く若々しい。球筋を無理に作らないのでクラブフェースの向きもスクエアです。ダウンスウィングも同様に静かに腕がスッと下り始めます。右ひじが左ひじよりも低い位置を保っているのでアッパー軌道でインパクトできています。これが低スピンの大きなキャリーにつながっています。下半身はブレがなく安定、インパクト前後で左足裏がめくれても粘れているので、顔の向きと目線が変わりません。だから再現性が高い。フェースローテーションを使わず、体の回転で打っているのがわかります。フェース面の向きを変えず遠心力を使う飛ばし方で、ハンマー投げのようです。
スウィングの再現性は下半身がつくるもの。その下半身の使い方が理想的で、完成度高いですよ。このまま世界で戦えると思います。例えば、コリン・モリカワやジャスティン・トーマスのスウィングと比べても引けをとりません。経験値の違いだけです。
CHECK 1
シャットでもオープンでもない
ニュートラルなバックスウィング
CHECK 2
左足裏がめくれても下半身が粘れている
週刊ゴルフダイジェスト2021年12月14日号より
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