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「このボールはグリーンオン?」日本オープンで池田勇太が競技委員を呼んだワケ

テレビ中継のなかで起こったルール問題は、その場でなくても、放映時間内にきちんとした“解説”が欲しいと思う視聴者は多いのではないだろうか。

NHKがライブ中継した「日本オープン」最終日。優勝争いをしていた池田勇太の16番パー5の3打目は、グリーン右サイドのカラーの部分に。遠くから見てもグリーンオンではないと思われたが、池田はレフェリーを要求。駆けつけた競技委員の「中心点が……」という会話が漏れ聞こえた後、グリーンオンではないと判断し、そのままの状態でプレー再開。ツアー界でもとくにルールに詳しいと定評のある池田がなぜ競技委員を呼んだのだろうか?

競技委員を呼んで確認する池田(PHOTO/Tadashi Anezaki)

そもそもどういった状態が“グリーンオン”なのか、ルールブックを紐解いてみよう。

<【13.1a 球がパッティンググリーン上にある場合】球の一部がパッティンググリーンに触れている。または、球の一部がパッティンググリーンの縁の内側にあって物(例えば、ルースインペディメントや障害物)の上や中にある>

JGAルールズコミッティ、チェアマンの林孝之氏は次のように推測する。「グリーンとカラーの境界線が2本あったところがあって、その1つがボールの下に入り込んでいたようです。ボールの最下点がグリーン面に接していれば、グリーンに乗っているということになりますが、『そうではない』とレフェリーは判断し、裁定しました。正しい裁定でした」

本来1本であるはずの、グリーンとカラーの境界線が2本に分かれていたことが原因。ボールと重なっていた線は本来の境界線ではないと判断された

「球の一部」がグリーンに触れているという条文はちょっとわかりにくいかもしれない。裁定した競技委員の言う「中心点」は、林氏のいう「最下点」のほうがしっくりくる気がする。また「中心点」「最下点」といっても完全な点ではなく、ボールが芝に沈む分、ある程度の“幅”があることも事実。どうしても判断が難しい場面も出てくるが、その場合はマークをしないほうが無難。

いずれにせよ、全国放送だけに、誰にでも分かるルール解説があると親切だろう。

週刊ゴルフダイジェスト2021年11月9日号より

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