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バーディ締めのはずが……「10秒ルール」でまさかの1打罰。キム・ソンヒョンの悲劇

PGAツアー2度目の出場が叶った韓国のキム・ソンヒョン。「ザ・CJカップ」で起こった珍事が注目を集めた。

「日本プロゴルフ選手権」で優勝し、特別推薦枠でザ・CJカップ出場を決めたキム。2日目には「63」をマークし、強者揃いの大会で2位タイに浮上。決勝ラウンドはスコアを伸ばせず32位タイに終わったが、ある出来事で一躍話題の人に。

最終日の最終18番、キムが放った1.2メートルのバーディパットはカップを一周し、ボール半分が穴を覗き込む状態で止まった。「これはないでしょう」と実況アナウンサー。なんでカップに落ちないの? とばかりに、しばしボールを見つめるキム。観念してタップインしようとパターを構えると、ギャラリーから「オー、ノー」の声が。その瞬間、フチにあったボールがカップに吸い込まれ、会場は大いに盛り上がった。

決勝ラウンドで失速したとはいえ、最後をバーディで締めくくり、23歳の表情が華やいだ。

ところが、このご時世、ビデオをチェックしてカップインまでの時間を計り指摘する視聴者は少なくない。キムのバーディも然り。PGAツアーのルール担当者が、「妥当な時間プラス10秒」より長い時間をかけカップインを待ったとして、1罰打が科された。“たられば”は禁物だが、もし最後のパットが素直にカップインしていたら、またはカップインするまでの時間がもう少し短かったら、賞金は7万3000ドル(約800万円)。1罰打を受けたため獲得賞金は5万1000ドル(約560万円)に。ハッピーエンドのはずが、思わぬ落とし穴にハマる結果となってしまった。

それでも18番のシーンはSNSにアップされ多くの「いいね!」がつき、キムの知名度はアップ。主催者推薦のチャンスも増えそうだ。

200万円の損は宣伝費だと思えば安い?

ファンからは「おかしな裁定」「ゴルフは好きだが、このルールは嫌い」と、同情票が多数寄せられた(Photo by Alex Goodlett/Getty Images for CJ Cup @ Summit)

週刊ゴルフダイジェスト2021年11月9日号より