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【富士通レディース】最終日が中止で異例のプレーオフに。好調勝みなみを下し古江彩佳が大会2勝目

<富士通レディース/東急セブンハンドレッドC(千葉)/6679Y・パー72/10月15日~17日>

2週間前の日本女子オープンで圧勝した勝みなみ、2019年のアマチュア優勝に続く大会2勝目を目指す古江彩佳、そして自身初の2週連続優勝を目指す渋野日向子が最終組で回るという注目の富士通レディース最終日だったが、残念ながら悪天候のため中止となった。プレーオフは上がり3ホールでのストロークプレーで行われ、古江彩佳が勝みなみを下し、富士通レディース2勝目を挙げた。

PHOTO/Hiroaki Arihara

スタート前から雨が降るコンディションとなった富士通レディース最終日。8組目スタート直前の9時30分に中断を伝えるホーンが鳴らされると、選手が一斉にクラブハウスに引き上げる。しかし、その後も雨脚が弱まることはなく10時45分に最終日の中止が発表され、36ホールの短縮競技となった。だが、2日目を終えて勝みなみと古江彩佳が12アンダーで並んでいたため、プレーオフのみ行われることに。最終日が雨天中止となり、プレーオフが行われるのは、イ· ボミと比嘉真美子が争い、ボミが優勝した2013年日本女子プロ選手権以来、JLPGA史上6回目の珍事だった。

プレーオフは16番、17番、18番のストロークプレーで行われることになり、他の選手が会場から引き上げるなか、2人は決戦が始まるのを約2時間も待ち続けた。

13時から始まったプレーオフは、16番をお互いパーで切り抜け、迎えた17番パー3。先にUTで打った勝が距離のあるバーディパットを残したのに対し、フェアウェイウッドが得意な古江は5Wで、右奥に切られた難しいピンにビタッとつけるスーパーショット。

「もう少し左を狙っていたけど、たまたま真っすぐ行って、寄ってくれた。運がよかったです」(古江)

古江はここをバーディとし、パーとした勝から一歩リードを奪う。続く最終18番パー4。古江は2打目を先ほどと同じ5Wで打ったが当たりが悪く、グリーン手前の花道へ。一方勝はピン方向に打ち出すも、グリーンをオーバー。アプローチを大きくショートさせた古江だったが、6メートルのパーパットを沈め勝負あり。アマチュア時代に優勝した思い出の大会で今年初となる勝利を挙げた。

「試合が止まってプレーオフの可能性が高いと思っていましたが、1ホールじゃなくて3ホールだと聞いて驚きました。落とせないけど取らないといけないというプレッシャーはあった。でもほとんどいいショットしかしていなかったし、完璧にできたかなと思います」と古江。

この勝利で賞金ランキングを4位に上げたが、「まだ上に行ける位置にはいると思うけど、(海外遠征で)6戦休んだのが大きい。そこ(賞金女王)は考えずにやっていきたい」と語り、まずは地元・兵庫県で開催される次戦に目を向けた。

「(厳しいピン位置と風雨のなかという)あの状況で、17番を3メートルくらいに付けてバーディを取るのはすごいと思ったし、あきらめがつく。でも自分のなかでは18番のセカンドが悔いが残るくらいであとはよかった。春先に比べてショットも真っすぐいっていたし、成長を感じられるプレーオフでした」(勝)

<富士通レディース・最終成績>

優勝古江彩佳(プレーオフ)-12
2位勝みなみ-12
3位渋野日向子-11
4位T上田桃子-9
4位T稲見萌寧-9
6位T柏原明日架-8
6位T髙木優奈-8

週刊ゴルフダイジェスト2021年11月2日号より