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中島に続き河本も。2週連続でアマチュアがプロの試合でV! 日体大コンビが躍動

中島啓太がパナソニックオープンで史上5人目のアマチュア優勝を果たした翌週、またしてもアマチュアがプロの試合で快勝。なんと中島と同じ日体大の選手だった。

男子下部ツアー「TIチャレンジ in 東条の森」で勝利したのは日本体育大学4年生の河本力。女子プロ河本結の1つ下の弟である。

勝利の原動力となったのは、日体大の後輩・中島啓太への対抗心だった。「パナソニックオープン」では同じ位置から出て、啓太は勝ち切りました。あれはすごい。自分は気持ちが前に出すぎて、本当に悔しかった。しかし、刺激にもなったし、自分には何が足りないのかを考えさせられました」(河本)

首位と6打差で迎えたTIチャレンジ最終日、勝負を分けたのは最終ホールのティーショットだった。

「セカンドを54度のウェッジで打てる距離を残すように、ティーショットはアイアンにしました。あのフォローの風では、54度でしかボールを止められないと思ったからです」(河本)。これが奏効してピン横40センチにピタリ。1組目から出て、最終組との6打差をひっくり返しての勝利だった。

表彰式に来ていたJGTOの青木功会長は、河本を手放しで褒めちぎった。

「はつらつとした思い切りの良さ、それでいて落ち着いたプレーぶり。爆発力もあって魅力的だ。いずれプロになるだろうが、個人的には松山英樹クラスになる可能性を秘めていると感じます」(青木)

日体大からプロの試合で優勝する選手が2人も現れたが、その原因を、ある大学の監督が語る。「五輪の前に、単にゴルフ部でのセレクションでなく、大学全体のセレクションで入学させたと聞きました。羨ましいことです。中島からは早くも完成したゴルフを感じますが、世界で活躍するには、もう少し飛距離が欲しいですね。その点、荒削りながら飛距離のある河本は“化ける”かも……」

今週は、中島も河本も日本オープンへ出場。東北福祉大の杉原大河を加えた“学生3羽烏”のライバル物語は続いていくだろう。

豪快なドライバーショットを武器にさらなる高みを目指す(PHOTO/Hiroyuki Kato)

週刊ゴルフダイジェスト2021年10月26日号より