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【わかったなんて言えません】Vol.51 今平周吾#3「意識するのはインパクトだけ」飛んで曲がらない秘訣とは?

「ゲンちゃん」こと時松隆光がプロを招いてトークをする連載「わかった! なんで言えません」。ゲストは前回に続き、2年連続賞金王の今平周吾。飛んで曲がらない今平プロのドライバーショットは時松プロにとっても目標の1つ。どういう感覚で打っているのか、じっくり聞いていきます。

ホスト/時松隆光

1993年生まれ、福岡県出身。ツアー通算3勝。プロ10年目。テンフィンガーグリップで戦う。愛称は“ゲンちゃん

ご指名/今平周吾

埼玉生まれ。ツアー5勝。2年間の米国武者修行を経て2011年プロ入り。27歳67日での複数回賞金王はジャンボ尾崎を抜いて最年少記録

前回のお話はこちら

時松 今平プロといえば、ドライバーの精度がとにかく高い! すべてのプロのなかでも間違いなくトップクラスだと思います。

今平 ありがとう。とはいえ、それが勝負強さにつながっているかといえば、そうとも言い切れないんだよね。だって、プレーオフに弱いし(笑)。17年のANAオープンでは、1ホール目で源ちゃんに負けてる。

時松 あの試合は3人でのプレーオフで、1ホール目を生き残った僕も、結局は(池田)勇太さんに負けているんで、僕もプレーオフには強くない(苦笑)。プレーオフのことはさておき、ドライバーの精度の話ですが、今平プロは、グリップを短く握ることで有名です。意図は?

今平 短めに握ってシャープに振り抜きたいというのもある。だけど僕、背が高くはないから、長く握るとどうしてもライ角の問題も出てきちゃうんだよね。長く持つと、インパクトでトウ側が浮いてコントロールがしづらくなる。

時松 僕も練習場でグリップを余して短く握って打ってみたことありますけど、芯を食いやすいと感じます。

今平 無理に飛ばそうとするより、芯を食わせることを重視したいよね。

時松 短めに握るのは、ドライバーだけですか? アイアンも短く握ると、低い球を出せて安定しそうな気がしますが。

今平 僕は、アイアンも基本は短め。しっかり振り切れる感じもあるしね。

時松 しっかり振り切る、といえば、今平プロのフィニッシュ、立ち姿が綺麗っすよね。左サイドにしっかり乗り切ろうとか、意識されているんですか?

今平 以前はフィニッシュのことも気にしてはいたけど、今は結果的にああなっているだけ。スウィング中に意識しているのは、インパクトだけかな。

時松 インパクトだけ?


今平 インパクトは、「低く長く」を意識している。フェースが低い位置を通過して、しかも真っすぐ向いている時間をどれだけ長くできるか。それさえできれば、どこで球に当たっても、真っすぐ飛んでくれると思うから。

「球をコントロールするのも、『面』を変えずに、できればスタンスを変えるだけで曲がってくれるのがいいですね」(今平)

時松 アマチュアのスウィングを見せていただくと、低くも長くもないという方が多いですよね。今平プロのイメージは、かなり参考になりそう。

今平 源ちゃんのインパクトでのイメージは?

時松 僕のイメージは、手元を球に近づける感じ、かな。

今平 手元を球に近づける、か。ただ僕の場合、それをやりすぎてしまうとロフトが立って飛距離が伸びてしまうというのもありそうな気がするんだよね。僕は、手元と球の距離はあまり意識せず、それよりもアドレスしたとき同様に、インパクトでも胸と球の距離を変えないようにはしています。

時松 胸と球の距離を変えない。それは確かに大切かも。インパクトで上体が起き上がって、胸が反り返ってしまっていると、カッコ悪いだけじゃなく、いかにもミスが多くなりそうです。

今平 それと、インパクトでは左手の甲で球をとらえる感じかな。もともとは左利きだからかもしれないけど。

時松 あっ、僕ももともとは左利き! だけど、僕は右手のひらで球をとらえる感じですね。野球のボールを投げるのも、剣道の竹刀を構えるのも右ですから、感覚が右手にあるんですかね?

今平 左利きでも逆だね。僕は野球も左、剣道も左だから。文字を書くのと箸を持つのは右。

時松 じゃあ、すべて僕と逆っすね。血液型も同じAB型で、もともと左利きも同じ。でも初めて違うところが見つかりました(笑)。

今平 ただ、インパクトでの意識、左手の甲と、右手のひら、左右の違いはあれど、「面」を意識してあまりフェースローテーションをさせたくない、というのは同じかもね。

時松 パーシモンの時代なら、フェースローテーションをさせないと、球がつかまってくれずに右へ出てしまうというのがあったのかもしれません。だけど今は道具の進化もあって、「面」でも十分つかまえられますから。

今平 球をコントロールするのも、その「面」を変えずに、できればスタンスを変えるだけで曲がってくれるのがいいよね。源ちゃんもそうじゃない?

時松 
はい。できるだけ面は変えずに、シンプルにスタンスだけでコントロールしたいです。

今平 やっぱり源ちゃんも僕も、曲げないドライバーを武器にしたいタイプだから、そのへんの感覚が似ているね。

時松 今日は、いいお話をたくさん聞けました! 似ている感覚に自信を持って、それ以外は勉強していきたいです。(つづく)

週刊ゴルフダイジェスト2021年10月12日号より

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