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PGAツアー新人王候補はマスターズ2位のザラトリス。ツアーメンバー外の選出は異例

今年のマスターズで優勝した松山英樹に1打差の2位に入ったウィル・ザラトリス。PGAツアーメンバーの資格を持たない彼がルーキー・オブ・ザ・イヤーの候補となった。改めてザラトリスってどんな選手?

通常、各賞の候補者はツアーメンバーに限られるが、ザラトリスはテンポラリー(仮)メンバー。正式にツアーカードを保持していないものの、20-21年シーズンの成績は特筆すべきものがある。出場25試合で予選通過21回、20年初出場の全米オープンで6位タイに入ると、マスターズの単独2位を含むトップ10入り8回、平均ストロークは全体の18位。トップ10入りの回数で彼を上回ったのは、J・ラームやD・ジョンソンら5人だけと抜群の安定感を誇った。しかしノンメンバーのため、フェデックスカップのポイントランクは対象外。プレーオフシリーズには出場できなかったが、好成績が評価され異例の新人王候補に挙がった。

対抗は6月のパルメット選手権で優勝した南アのG・ヒーゴ。しかし優勝以降7試合に出場し、予選落ち3回、最高位41位と現在は低迷しており、ザラトリス優位の状況だ。

25歳のザラトリスは、14年に全米ジュニアを制して注目を集め、名門ウェイクフォレスト大ゴルフ部時代には年間最優秀選手賞を獲得するなど、同世代のC・モリカワと並び称される存在だった。だが大学を3年で中退しプロ転向すると、18年下部ツアーの予選会に失敗。マンデー予選会や主催者推薦で出場権をつかみ、20年にはコーンフェリーツアー(下部ツアー)の正式メンバーに。PGAツアーでも数少ないチャンスを生かしテンポラリーメンバーとなった。

もしルーキー・オブ・ザ・イヤーに輝いたとすると、ノンメンバーでの受賞は、01年のチャールズ・ハウエルⅢ以来20年ぶり2人目となる。投票はすでに締め切られ受賞者は後日発表されるが、果たして結果は?

188㎝・75㎏の細身の体ながら平均307Yの飛距離を誇る。ショット貢献度も9位のショットメーカー(PHOTO/Blue Sky Photos)

週刊ゴルフダイジェスト2021年10月5日号より

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