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【ゴルフ初物語 Vol.55】52回目を迎える東海クラシック。かつては男女同時に開催されていた

今年から新たに住友生命保険がスポンサーになった「住友生命Vitalityレディス東海クラシック」が今週開催される。男子の東海クラシックは9月30日に開幕するが、かつては男女同時に同じコースで開催されていた。

数々の名勝負を生んできた大会

今年で52回目を迎える東海クラシック。その第1回は男女同時開催という珍しい形式で1970年にスタートした。会場となったのは、現在でも男子の東海クラシックを開催している愛知県の三好CC。東コースを男子、西コースを女子で使用。男女のプロゴルファーとトップアマ、そして前年のマスターズチャンピオン、ジョージ・アーチャーら海外からの招待選手が参加する国際オープンとしてスタートした。主催は東海テレビ放送で、これは男女ともに現在でも変わらず大会を支え続けている。

男子初代チャンピオンの栄冠に輝いたのは、後年、日本プロゴルフ協会の会長も務めた当時30歳の石井富士夫。終盤にバーディを量産しプレーオフに持ち込んで優勝賞金1万ドルを掌中にした。女子は海外招待選手のサンドラ・パーマー。当時はまだ優勝はなかったが、この5年後には全米女子オープンを制し米女子ツアー賞金女王も獲得することになる。

その後、男子ではトム・ワトソン、ベルンハルト・ランガー、フィル・ミケルソンなど、名だたる選手たちが参戦し、AONをはじめとする日本選手と激闘を繰り広げた。近年では、2009年に当時18歳だった石川遼が1打差の混戦を制している。

女子では1973年に当時一世を風靡していたローラ・ボーが初出場すると、ギャラリー数が倍増。樋口久子は71〜73年と75〜77年に2度の3連覇という偉業を達成。94年から三重の涼仙GC、07年から現在の新南愛知CC美浜コースに舞台を移し、2年前は渋野日向子が8打差をひっくり返す大逆転で優勝。昨年はプラチナ世代の古江彩佳がプロ初勝利を挙げている。今年は男女とも無観客試合となったが、果たして誰が栄冠を手にするのか?

第1回大会は当時の国内最高となる賞金総額1300万円。優勝賞金1万ドル(360万円)と副賞のトヨタ・コロナMARKⅡハードトップGSSを手にした石井富士夫が女子優勝のサンドラ・パーマーにウィナーズジャケットを着せかけた

週刊ゴルフダイジェスト2021年9月28日号より