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【速報】稲見萌寧が銀メダル! ゴルフ界初の快挙。女王ネリー・コルダを最後まで追い詰める

速報
2021.08.07

<東京五輪ゴルフ女子 最終日/霞ヶ関CC東C/6648Y・パー71/8月4日~8月7日>

埼玉県の霞ヶ関CCで行われた東京五輪ゴルフ女子最終日、首位と5打差の3位タイからスタートした稲見萌寧が怒濤の追い上げを見せ、トータル16アンダー、堂々2位タイでフィニッシュ。リディア・コーとのプレーオフを制し、見事銀メダルを獲得した。

3日目までのフェアウェイキープ率83.3%は、出場選手中1位。世界のトップが集結したオリンピックの舞台で、持ち味の正確無比なショットを武器に、稲見萌寧が躍動した。

ティーショットを少しでも曲げるとボギーを覚悟しなければならない厄介なラフ。フェアウェイキープが鍵と選手たちが口を揃えるなか、稲見は最終日も最後まで気持ちよくドライバーを振り抜いた。

前半は一進一退の我慢のゴルフが続いたが、圧巻は12番からの4連続バーディ。

スコアを2つ伸ばして迎えた12番パー4、残り188Yのフェアウェイから放ったボールはピン右3mにピタリ。これを気持ちでねじ込んでバーディを奪うと、上位選手が軒並みスコアを落とし、2位タイに浮上。

13番パー4では残り116Yをピン左1.2mに。これを沈め14アンダーとし、ついに単独2位に。さらに距離の短い14番パー5では、残り188Yから2オンに成功し、3連続バーディ。トップのネリー・コルダと2打差に迫る。

各ホールにリーダーボードが設置された今大会。首位と2打差、単独2位という情報を得て、浮足立ってもおかしくない状況のなか、稲見は15番ホールでも気持ちいくらいしっかりとドライバーを振り切り、フェアウェイど真ん中へ。

昨日のインタビューで、最終日の優勝争いでも「私、緊張しないので」とサラッと言いのけた22歳は、このホールもバーディとし、トータル16アンダー。3日目まで他を寄せ付けない圧倒的なゴルフを展開していた世界ランク1位、ネリー・コルダを追い詰める。

16番パー3ではティーショットをグリーン左手前に外すも、そこからあわやチップインかというスーパーアプローチでパーセーブ。

続く17番は1オンが狙える短いパー4。ここは大きく右に曲げるも、右ラフからのアプローチを4mにつけ、バーディチャンス。ところがここで雷雲接近。水を差された形になったが、再開明けのバーディパットをど真ん中からズドン。17アンダーに伸ばし、女王ネリーの首根っこをつかまえた。

一方最終組のネリーは同じ17番、グリーン周りからの2打目を2mに寄せるものの、バーディパットを決めきれず。なんと17アンダーで稲見が首位に並び、最終ホールを迎える。

18番パー4でも難なくフェアウェイをとらえた稲見だったが、ここで最大のピンチが訪れる。グリーンを狙ったセカンドは手前のバンカーへ。しかも、まさかの目玉。見事一発で脱出はしたものの、8mの長いパーパットを残す。このパットは惜しくも決まらずボギー。トータル16アンダーで最終組の結果を待つ。

ネリーのセカンドは左のファーストカットから。危なげなくグリーンセンターに乗せ金メダルを確実なものにした。

稲見メダル確定!
銀メダルを懸けプレーオフへ

そして最終組のリディア・コーが稲見と並ぶ16アンダーでホールアウト。銀メダルを懸け、2人のプレーオフへ突入した。

18番で行われたプレーオフ1ホール目、最初に打った稲見のティーショットはやはりフェアウェイど真ん中。この極限の場面でも、自分のできることをやり通すだけ、という気概を感じる一打だった。

フェアウェイをとらえた稲見のドライバーが元世界ランク1位、リディア・コーの心を揺さぶったのか、コーのティーショットは右のバンカーへ。セカンドはグリーン手前の花道に運ぶのがやっと。

一方の稲見はセカンドを確実にグリーン左サイドにオン。10メートルのバーディパットを残す。そして落ち着いてパットを寄せ、タップインパー。リディアがパーパットを外したため、稲見の銀メダルが確定した。

日本ゴルフ界初のメダルは、なんと銀メダル。22歳の稲見萌寧が歴史を塗り替えた。

取材&撮影●服部謙二郎(週刊ゴルフダイジェスト)

<東京五輪ゴルフ女子 最終結果>
優勝 N・コルダ(アメリカ) -17 (金)
2位 稲見萌寧(日本) -16 (銀)
——-プレーオフ——-
3位 L・コー(ニュージーランド)  -16 (銅)
4位 A・アショク(インド) -15
5位T H・グリーン(オーストラリア) -13
5位T E・ペデルセン(デンマーク) -13
7位 S・メドウ(アイルランド) -12
8位 フォン・シャンシャン(中国) -11
9位T 畑岡奈紗(日本) -10
9位T 笹生優花(フィリピン) -10
9位T キム・セヨン(韓国) -10
9位T コ・ジンヨン(韓国) -10
9位T リン・シユ(中国) -10
9位T N・マドセン(デンマーク) -10

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