Myゴルフダイジェスト 2021年 春
本格オープン

稲見萌寧との契約の決め手は「人間性」。女子ツアーのスポンサー事情<所属契約編>

PHOTO/Akira Kato、Tadashi Anezaki、Shinji Osawa、Hiroyuki Okazawa、Hiroaki Arihara、Norimoto Asada

女子ツアーのスポンサーにまつわるあれこれを調査した本特集。第三弾は、企業がプロと所属契約を交わした理由について聞いてみた。

前回のお話はこちら

稲見萌寧の所属先「都築電気」の場合

「稲見プロと所属契約をして
職場に一体感が生まれました」

稲見萌寧の所属先は、ICT(情報通信技術)企業の都築電気。経営陣にゴルフ好きも多く、取引先のプロアマに参加することも多いそうだが、当初はプロゴルファーと所属契約することは考えていなかったという。だが、ある企業から稲見を紹介され、一度会ってみると、ゴルフに対する姿勢と人間性に魅力を感じ、急遽、所属先として手を挙げることにした。

「広告塔というよりはコミュニケーションツールとしての役割が大きい。取引先の方とも、『先週の萌寧ちゃんすごかったね』とか、会話の話題になってくれます。でも、それ以上に彼女の成長を見守れることがうれしいですね。社内でも彼女の応援でツアーに行きたい社員がいれば、チケットを無償で手配しています。社員やその家族のなかには、それで初めてゴルフ場に行ったり、ゴルフを始めた者もいます。スポンサーになってから、社員がどんどん彼女のファンになっていってますし、逆に元気をもらっているんです」(広報室・北浦文輔さん)

都築電気株式会社
東証1部上場[8157]
1932年創業
資本金/98億1293万円
売上高/1253億6600万円(2020年3月)
従業員/1510名(2020年3月)

公共・金融をはじめ製造・流通・ヘルスケアの業種別体制で、企画、構築(設計・施工・開発)、運用サポートまで一貫した提案を行う「情報ネットワークソリューションサービス」と、半導体・車載用液晶パネルなどをメーカーなどへ販売する「電子デバイス」を2つの柱とする情報通信企業

森田遥の所属先「新英ホールディングス」の場合

「女子プロが好きなんです」

愛知県でリサイクル業を営む新英ホールディングス。リサイクルへの注目度が上がるなか、もっと企業名を広めたいと考えていた金子豊久社長は、ゴルフ好きで女子プロのテレビ番組をよく見ていたこともあり、所属先のない女子プロのスポンサーになれば、いろんなところで社名が露出できると考え知人に相談。そして紹介されたのが森田遥だった。「遥プロも初めての所属先だったみたいで、喜んでくれました。社内コンペには、自分の誕生日だったにも関わらず駆けつけてくれたんですよ」

新英ホールディングス株式会社
1939年創業
資本金/8000万円

愛知県で金属スクラップの引取・運搬・加工・出荷行う企業。工場で発生するリサイクルできない廃棄物や、金属スクラップ加工時に発生する廃棄物の処理も連携して対応。県内に10の工場を所有

大西葵の所属先「YKK AP」の場合

「実は大切な取引先のご令嬢なんです」

先日、男子プロの伊藤有志との結婚を発表したことで話題になった大西葵の所属先は、アルミ建材メーカーのYKK AP。

大西葵の父は、サッシ販売施工や窓まわりのリフォームなどを取り扱う会社を経営し、令和元年度の「千葉県の卓越した技能者」(千葉県の名工)にも選ばれているが、実はその会社の取引先がYKK APなのだ。

「プロとして活動されるようになってから、ゴルフに対する姿勢に感銘を受け、サポートしたいと思いました。もちろん企業広告の意味合いもありますが、当社は北海道から沖縄まで支店があるので、営業ツールとしても全国を回る女子ツアーはすごく魅力的なんです」(広報室・佐藤碧さん)

YKK APは全盛期の岡本綾子とも契約を結んでおり、90年代初頭には同社のテレビCMにも起用していた。大西葵はそれ以来の契約選手となる。「今後も長くサポートしていけたらうれしい」と佐藤さん。注目の若手・山下美夢有も、父が大阪でエクステリアの会社を経営し、取引先の令嬢という縁からスポンサーとしてサポートしている。

YKK AP株式会社
1957年設立
資本金/140億円
売上高/4258億円 (2020年3月、海外を含む)
従業員/1万6609名 (2020年3月、海外を含む)

快適な住空間を創造する「窓やドア」、美しい都市景観を創造する「ビルのファサード」など、さまざまな建築用プロダクツを通して、暮らしと都市空間に先進の快適性を追求している

有名企業がズラリ!
気になるあの選手の所属先は?

小祝さくら……「ニトリ」

小祝さくら、永峰咲希、田中瑞希、岡山絵里、松田鈴英、菅沼菜々と所属契約を結ぶニトリ。「『住まいの豊かさを提供する』をロマン(志)とするニトリグループは、ゴルフというスポーツを通じて心身ともに健康で豊かなライフスタイルを提案し、地域・社会に貢献していきます」

株式会社ニトリ
北海道から沖縄まで国内約550店舗に加え海外100店舗を展開する大手家具チェーン。2010年からニトリレディス開催

原英莉花……「日本運通

「企業メッセージ『We Find the Way』に込めた、『運ぶことで新しい未来をつくろうとするお客様の思いを実現する』『どんなときでも、ただひとつの最善の方法を見つけ出し、必ずやり遂げる』という姿勢のもと、当社と同じく世界への挑戦を目指す原選手を応援していきます」

日本通運株式会社
国内最大の総合物流企業で世界でも第6位の規模を誇る。社内のゴルフ部は企業対抗などで好成績を収めている

鈴木愛……「セールスフォース」

「当社は世界で成長し続けている企業であり、女子プロゴルフ界では新星として現れた鈴木プロも今後更なる成長が見込まれています。鈴木プロとともに成長をしていきたいという思いから、所属契約締結に至りました」と2015年からサポートしている。

株式会社セールスフォース・ドットコム
世界最大規模の顧客関係管理ソリューションを中心としたクラウドコンピューティングサービスの提供企業で世界シェア1位

渋野日向子……「サントリー」

「当社は企業スポーツへの参加やスポーツ振興のための活動、イベントなどに積極的に取り組んでいます。こうした活動の一貫として、渋野日向子選手のゴルフに対する姿勢や人間性に共感し、今後のさらなる活躍を確信したため、サポートしていきたいと考えたものです」

サントリー
洋酒、ビール、清涼飲料水、健康食品などの製造・販売等を行う。90年からサントリーレディス、過去には男子ツアーも主催

勝みなみ……「明治安田生命」

「14年『バンテリンレディス』で最年少優勝するなど、アマチュア旋風を巻き起こしたのち、プロテスト一発合格。将来、世界レベルでの活躍が期待される若手の一人。本格レギュラー参戦を迎えるにあたり、当社所属選手としてサポートすることとしました」と2018年に契約。

明治安田生命
明治14年創業の老舗生命保険会社。来週には昨年中止になった明治安田生命レディス ヨコハマタイヤゴルフトーナメントを開催する

高橋彩華……「東芝」

「当社は、野球部、ラグビー部の企業スポーツ活動に加え、ラグビー日本代表をサポートするなど、競技力の向上、文化的価値の維持に努めています。高橋選手の実力と将来性に加え、常に努力を惜しまず、ベストを目指し挑戦する姿に共感し、その活動を支援していきます」

株式会社東芝
国内大手電機メーカーで、国内第一号や世界初の電化製品を数多く輩出。過去にはステップ・アップ・ツアーを開催していた

永井花奈……「デンソー」

「デンソーは、早くから世界を視野に、活動を日本の最高峰のトーナメントに求め、真摯に挑戦し続けている永井選手の姿勢に共感し、このたび、所属契約を締結し、永井選手の活動を支援していくことにしました」と2017年から所属契約を結びサポートを続けている

株式会社デンソー
自動車部品業者国内最大手。トヨタグループに属しているが、2020年3月の連結売上収益は5兆1535億円

週刊ゴルフダイジェスト2021年3月16日号より