Myゴルフダイジェスト

【わかったなんて言えません】Vol.38 「高い球が打てるという強み」

TEXT/Yuzuru Hirayama PHOTO/Hiroaki Arihara

「ゲンちゃん」こと時松隆光がプロを招いてトークをする連載「わかった! なんで言えません」。先週に引き続きゲストは出水田大二郎。今回のテーマは飛距離と弾道の高さについて。

ホスト/時松隆光

1993年生まれ、福岡県出身。ツアー通算3勝。プロ10年目。テンフィンガーグリップで戦う。愛称は“ゲンちゃん

ご指名/出水田大二郎

1993年生まれ、鹿児島県出身。九州ジュニアで4連覇後2011年プロ入り。ツアー1勝。持ち味は183㎝の体格を生かしたビッグドライブ

出水田 源蔵の2016年のチャレンジツアーでのプロ初優勝、雷山GC(福岡)で見ていたんだよ。

時松
 チャレンジの決勝は、全選手最後まで残っていなければならない規則なんですよね。

出水田 もともと源蔵はすごい選手だと思っていたから、やっぱり勝ったか、って感じだった。それに、そのままレギュラーツアーのダンロップと日本マッチブレーまで勝って、かなり刺激をもらった。3週3勝で「時の人」になっちゃって、声をかけづらくなったけどね(笑)。

時松 声をかけづらいどころか、そこから何度も一緒にラウンドしているじゃないっすか! ところで出水田さん、もともとゴルフを始めたきっかけは?

出水田 小学4年生のときに、最初は親に教わって、あるときから実家の近くにあった横峯さくらさんの父親の良郎さんが主宰されていた「めだかクラブ」に入ったんだ。学校が終わるとすぐに行って夜まで練習。土日は朝から晩まで一日中そこで過ごしていた。とはいえ一日中球を打たされたわけではなくて、川で泳いだり、木登りしたり、みんなと一緒に遊んでいたから楽しかったなあ。

時松 ゴルフも楽しかった?

出水田 アプローチ練習では、実際の芝生の上から打たせてもらって、感性を身につけさせてもらったと思う。(香妻)陣一朗たちと遊びながら、競り合いながら、恵まれた環境でやらせてもらえていたよね。

時松 「めだかクラブ」もそうですけど、九州って、ゴルフ場がジュニアを受け入れてくれる環境があって恵まれていますよね。大二郎くんって、ジュニア時代から飛ばしていましたよね?

出水田 そんな飛んでいなかったよ。ジュニアの頃はもちろん、プロになってからも、飛ばしにこだわってきたほうじゃないしね。ここ最近、太って体重が増えたから飛ぶのかな(笑)。

時松 じゃあ、飛ばそうとしてきたわけじゃなくて、自然と飛ばせるようになった。

出水田
 そうそう。だって飛ばしを自分の武器だと思ってきた認識はないし、実際にそんなに飛んでないと思う。

時松 いえいえ、ご謙遜っす。僕の平均飛距離(今季264.54ヤードで99位)からすると、大二郎くんは(291.09ヤードで23位)、羨ましい限りっす。

出水田 飛ばそうとしてクラブを替えたりスウィングを変えたりはしていない。それをするとバランスがおかしくなってしまうと思うから。

時松 確かにそうっすね。

出水田 源蔵だって、源蔵の飛距離でいまの位置をキープできていて、しかも今年も成績は出してきているわけだから、それは丁度いいバランスなんだよ。アマチュアもそうだけど、「もっと飛ばそう」と欲張ってしまうことで、ショットの正確性とか再現性とかを失うリスクもあるわけだから。

時松 とはいえ、もっと飛ばせたら、どれだけゴルフが楽になるだろうと考えてしまいます。

出水田 クラブやスウィングで飛ばそうとするより、美味しいものをたくさん食べて、体重を増やす!(笑)。そういう意味では、福岡は最高だよ。食べ物がホントに美味いからね。僕、身長は184センチで、これでも昔は細かった。今では96キロ。福岡移住のおかげもあるかな。

時松 でも出水田さん、九州ジュニアを3連覇した高校時代(樟南高校)から、飛んでいただけじゃなく球が高くて、なんでそんな高い球を打てるのって感じでした。

出水田
 弾道は確かに高いほうかも。だけどそれは強みでもあり、弱みでもある。アイアンだと硬いグリーンでもピンを狙って上から落としていけるけど、風が吹くと流されてしまう。ドライバーでも同じで、良くも悪くも風に影響されるよね。

ショットも寄せも上げるのが好き!

「僕のスウィングは、入射角がゆるやかで、スウィングアークの大きさで飛ばす意識。高さを出して木の上を越えていくショットなども得意。アプローチも上げるのは好きです」(出水田)

時松 いや~、自分なんて、上げようと思っても上がってくれないから。高い球を打てる人は、強風だから低くしようと調節することはできても、もともと低い人は、高い球で攻めることは無理なんですよね。

出水田 源蔵は球をダウンブローに打ち込んでいく感じ。俺は入射角もゆるやかでレベルにヘッドを入れていく。打ち込むというより、スウィングアークの大きさで飛ばす意識。アイアンも同じで、いわゆる払い打つ感じのタイプかな。

時松 タイプの違いっすね。自分はアプローチでも、やっぱり上げるより転がしです。だけど海外ではドライバーでの球の高さや、アプローチでもロブショットが必要だとよく聞きます。

出水田 確かに、高い球を打てると、場面に応じて便利。アマチュアで弾道を高くしたいという人には、まずはFWから、「打つ」のではなく、「払う」イメージがいいとオススメしています。(つづく)

週刊ゴルフダイジェスト2021年7月6日号より