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「チャンピオンの墓場」ジンクスに抗えずも前を向く。美しき敗者・レキシーの弁

全米女子オープンでプレーオフ進出に1打足りずタイトルを逃したレキシー・トンプソン。しかし最終日単独首位発進の大本命は敗れたあと、爽やかな笑顔を見せた。

ゴルフ界の“ミスアメリカ”的存在のレキシーにとってナショナルオープン制覇は悲願中の悲願。優勝した笹生優花に一時は5打の大差をつけたが、後半スコアを落とし最終18番もバンカーからパーセーブできず惜敗。

「悪いショットじゃないのにスコアに結びつかない。それがこのコースの難しさ。もちろん悔しいし(負けて)笑うのは簡単じゃない。でもギャラリーの応援が本当に素晴らしくて信じられないような時間を過ごしました。ここで学んだことを今後に生かしたい」

男子の全米オープンを5回開催しているオリンピッククラブは54ホールのリーダーが勝てないというジンクスがある。古くはベン・ホーガン、アーノルド・パーマーからトム・ワトソン、ペイン・スチュワートに至るまで、メジャーチャンピオンがことごとく逆転され伏兵に勝ちを譲っているため、ついた異名が「チャンピオンの墓場」。女子初開催の今回もそのジンクスが継承されてしまった。

「サンデーバック9でいいプレーができなかったのが敗因。せっかくのファンの声援を生かせなかった」と本人が言うようにファンが戻ったコースには「ゴー、レキシー!」のコールがこだまし「あぁ、私はこの声援を聞くためにこうしてゴルフをやっているんだわ、と思いました。ここに来られて良かった。この先何年も私のゴルフ人生は続きます。うつむくのではなく前を向いてまた挑戦したい」

松山英樹がマスターズで優勝争いをしたザンダー・シャウフェレも「負けて悔いなし」と前を向くグッドルーザーだった。笹生もまたレキシーという素晴らしい相手に敗者の美学を見せてもらい、大きな収穫になっただろう。

12歳で全米女子オープンに出場したレキシーは今年で26歳。気持ちが続く限り、まだまだチャンスはある! (PHOTO/Darren Carroll/USGA)

週刊ゴルフダイジェスト2021年6月29日号より