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【ツアー選手権】「“ゴルフ大好き野郎”です!」松山・石川世代の木下稜介が涙の初V

<日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills/宍戸ヒルズCC 西C(茨城)/7352Y・パー71/6月3日~6日>
PHOTO/Hiroyuki Okazawa

宍戸ヒルズCC西コースで行われた「日本ゴルフツアー選手権」最終日、首位スタートの木下陵介(29)が68で回り、トータル14アンダー、2位に5打差をつける圧勝で悲願のツアー初優勝を飾った。

松山・石川とは「常に比較されたてきて、比べものにならないんですけど、やっと1歩だけ近づけた。(2人と)同級生で良かった」

“松山英樹・石川遼世代”の一人、木下。2014年にプロデビューするも未勝利。優勝直後のインタビューでは「これまで何度も負けてきて……」と涙、涙。

「長くて苦しくて……。でも、いま、夢見ていた場所に来られた。今日勝てないともう勝てないと思ってプレーしました」

今回の勝利で5年シードを獲得。来月には全英オープンに初挑戦する。「今後はヨーロッパのQTなど、海外にも積極的に出ていきたい」と、来月30歳を迎える男は、今度は涙ではなく夢で目をキラキラと輝かせた。チャンピオンでチャレンジャー。木下は歩みを止めない。

勝者もギャラリーも出場者も……
“初もの”づくしのツアー選手権

日本ゴルフツアー選手権では、今シーズン初めて一般ギャラリーを受け入れた(初日688人、2日目431人、3日目857人、4日目897人)。選手や関係者はもちろん、来場者全員に抗原検査を行う徹底ぶりで、コース内にはマスク着用、ソーシャルディスタンスキープや手指の消毒を促す看板も。スタッフがおなじみの「お静かに」の札のほか「大声を出さないで」「距離をとって」などの“サブ札”も掲げる念の入れよう。

もうひとつ“初”となったのが、ツアープレーヤーナンバーワン決定戦にアマチュアが参加したこと。「世界アマチュアランキング上位者3名」の資格が追加されたことで実現したもので、中島啓太(日体大3年)、米澤蓮(東北福祉大4年)、杉原大河(東北福祉大4年)の3人が参加。米澤と杉原の2人が決勝に進むと、杉原が3位タイ、米澤も26位タイと健闘した。

アマチュア三人衆。左から杉原、中島、米澤。切磋琢磨し合う仲だ

そして、最後の“初”はもちろん、木下稜介の初優勝。実は木下、2019年のミズノオープンでは“令和初”のアルバトロスを達成している“持っている男”なのだ。まもなく30歳。令和の快進撃はあるか。

若手も躍動!

2位の古川雄大(ゆうき)は福岡県大野城市出身の23歳。プロ転向5戦目にしてメジャーでいきなり2位。「賞金はお父さんとお母さんに……。豪遊はしないです(笑)」

アマチュア最上位は“飛ばし屋”杉原(21)の3位タイ。四国(徳島県)出身で、東北福祉大に進学という“松山ルート”を進む。名前の由来はもちろんタイガー・ウッズ

3位タイの大岩龍一(23)は「5試合で優勝争いに絡んでいて、勝てない。今日は木下くんの背中も見えなかった。壁は高いですね」と謙虚に。次の初優勝はこの男⁉

感染症対策も万全!

<日本ゴルフツアー選手権 最終成績>

優勝木下稜介-14
2位古川雄大-9
3位T杉原大河(アマ)-6
3位T大岩龍一-6
5位T幡地隆寛-5
6位T清水大成-4
6位Tソン・ヨンハン-4

週刊ゴルフダイジェスト2021年6月22日号より