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森守洋「レッスンは受けるな」Vol.27 原点回帰することが上達の近道です

堀琴音、柏原明日架、香妻陣一朗ら多くのプロを指導する森守洋が、自身が行きついたゴルフスウィングの本質を語り尽くす。

PHOTO/ARAKISHIN

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File.27
スウィング改造


原点回帰することが
上達の近道です

男女共に国内ツアーは後半戦に移ろうとしています。

ちょっと注目してもらいたいのが、前半戦を終えた段階で僕が2024年から見ている今野大喜選手がほぼほぼシード権を確定させることができそうな成績を残していることです。

香妻陣一朗選手からの紹介でスタートしましたが、コーチを依頼された頃は今野選手自身が「壊れた状態」と表現していました。優秀な選手であることはもちろん知っていましたし、昔のスウィングを見せてもらったら素晴らしいなと思いました。実際に強かった。

確かに今野選手が言うようにスウィングは壊れてしまっていたのかもしれませんが、今野選手に限らず多くの選手がそうやって深みにはまっていく要因は、本来大事ではない部分にこだわってしまい、本質ではないところに労力を使ってしまうことにあります。


結果、進むべきところから外れていってしまうんです。この症状はプロもアマチュアもまったく同じ。

だから以前にも話しましたが、私のレッスンは「プロだからこう、アマだからこう」というのはほとんどありません。

もちろんプロは手の偏差値が高いので、体とか全体の流れのことを言うことが多く、実際にそれでクラブの動きが変化することは多々あります。手の偏差値が高いプロならではのことですが、基本的には100打つ人もタイガー・ウッズ選手も同じで、大きな意味での教え方の流れは一緒なんです。

逆の言い方をすればプロは手の感覚が良いからこそ、足の蹴り方を変えたら良くなったとか、地面反力を意識したら良くなったとかが起こるということです。

実際は変わっているわけではないんですが、そういうアクションを取り入れることでゴルフクラブにかかる力が変わってゴルフクラブの動きに変化が起きると上手くなることはあります。

ただ、身体動作に意識を置いてクラブの動きが変わるのは、100回打って1回くらいしかないほど確率の低いことなんです。だからいろんな取り組みを試してみてもみんな元に戻ってしまうことがほとんどなんです。

変えた瞬間というのはクラブの動きが変わったのを感じやすいのでなんか上手くなった気になります。ただ、それはめちゃくちゃ確率の低いことをやっているということ。今野選手もそういった確率の低いことに固執していた傾向があったのだと思います。

今野選手も「それ、実は祖父に言われたことでした」と話していましたが、僕のプロへのレッスンって子どもの頃に戻す作業が多いんです。プロゴルファーの多くはより良くしよう、もっとレベルを上げたいと常に思い続けています。

前述したように、手の偏差値が高いがゆえにいろんなことができてしまうわけですが、やりすぎることにより肝心の無意識であるクラブの動きがおかしくなってしまう。要は、クラブ感覚がなくなることが不調の原因になっているのです。

そんなプロと比べると元々小さい頃からゴルフをやっていないアマチュアの方たちは、まずはクラブの動きに着目して、クラブ感覚を養うことで、本質ではないことに一生懸命取り組むより何倍も早く上手くなることができるはずです。

レベルアップしたい気持ちはわかるけど “棒を振る” という原点を忘れてはいけない

解説/森守洋

もり・もりひろ。1977年生まれ。静岡県出身。堀琴音、柏原明日架、香妻陣一朗ら多くのツアープロを指導。原理原則を謳い文句にゴルフスウィングの核心に迫る

週刊ゴルフダイジェスト2026年8月18・25日合併号より