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【わかった! なんて言えません】Vol.33「アンチエイジングプロゴルファー」

「ゲンちゃん」こと時松隆光がプロを招いてトークをする連載「わかった! なんで言えません」。今週のゲストは、今年の開幕戦から絶好調で何度も優勝争いに絡んでいる宮本勝昌プロ。「今年でレギュラーツアーフル参戦は最後」と話す48歳だが、その強さには磨きがかかってきているようで……。

ホスト/時松隆光
1993年生まれ、福岡県出身。ツアー通算3勝。プロ10年目。テンフィンガーグリップで戦う。愛称は“ゲンちゃん

ご指名/宮本勝昌
1972年生まれ、静岡県出身。日大在学時から活躍。95年プロ入り後ツアー12勝(メジャー5勝!)。151試合連続出場という“鉄人”記録も

時松 2021年に入って宮本さんは、東建7位、中日クラウンズ2位、ジャパンプレーヤーズ選手権byサトウ食品2位タイと素晴らしい成績です。

宮本 選手権ではゲンちゃんも大会会長で2位タイで。お互いお疲れさまでした。

時松 多くの方々のご協力のおかげです。宮本さんは今年で49歳になられますが、年齢の壁とか感じたことはないんですか。

宮本 ここのところ毎年感じてますよ(笑)。この年齢になると、ケガとつき合っていくしかないこともあるし、体が動かなくなっても受け容れなきゃいけないところもある。でもそれをあっさり受け容れてはいけないところもあるし。日々葛藤です。

時松 そういった葛藤を解消していくことが、いつまでも元気で活躍できる秘訣なんですか。

宮本 いや。プロゴルファーをやっている間はそういう葛藤はずっとあると思うので、僕はそういった葛藤とつき合っていくほうだよね。

時松 納得して受け容れて対策をすることと、諦めてしまうことの違いなんですかね。

宮本 そうね。共存だよね。コロナも共存、プレッシャーも共存。

時松 宮本さんにお聞きしたかったことはその部分なんです。試合に長く出続けるためには体の管理は大事ですが、じつは僕、4月の初め頃に背中に違和感があって、それをきっかけに本格的にトレーナーさんをつけることを考えるようになりました。でも体のケアは、合う、合わないがあると聞くので、その難しさはどうされているのかなと。

宮本 確かに体のケアやトレーニングって、自分に合っていると信じてやり続けることで効果の出方も変わってくると思う。やっぱり自分が信頼できる人と出会えることが大きい。それで20年近く続けられています。

時松 僕は今年28歳ですが、20年前というと僕の歳くらいから始められたわけですね。

宮本 25歳くらいから気にはしていたけれど、30歳くらいで藤田(寛之)さんと同じトレーナーさんに帯同してもらうようになって。やっぱり、帯同となると30歳くらいからになるんじゃないですかね、金銭面なども含めて。

時松 何をされているんですか。

宮本 週に1回、月曜日にトレーニングをするだけ。やっていることは20年くらい変わらないですよ。健康のため、ケガの予防のためにも必要だから。

「人同士の相性も含めて自分に合ったモノを見つけるのって難しい。その点、たまたま僕は今のトレーナーとの相性がよくて20年近く続けている。今後も続けようと思っています」

時松 藤田さんもトレーニングを重ねて40代以降にその成果を成績につなげられたことがよく知られていますが、お二人の内容も似ているんですか。

宮本 トレーナーが一緒だから、週1回というトレーニングのペースなんかは同じかもしれないけれど、内容はそれぞれトレーナーと相談しながら行うので、違う部分もあると思います。

時松 僕は今、トレーナーをつけていないので、自重で腕立てや腹筋をやる程度なんですが、宮本さんはウェートトレーニングとかもやるんですか。

宮本 まあ、自分なりに限界レベルまで取り組んでいますよ。回数を限界までやるときもあるし、重さをそのときの限界までやることもある。うまく表現できないけれど、僕のなかでは常に月曜日のトレーニングは限界まで一生懸命やっていますね。

時松 今のお話を聞いて、宮本さんがなぜ今でも飛距離が出るのかがわかった気がします。

宮本 飛距離のためだけにやっているわけじゃないけどね。

時松 でも、今年の中日クラウンズの試合前のドラコン大会に一緒に出させていただきましたが、僕は8位で、宮本さんは5位。いやあ、飛びますよね!

宮本 いや、そんなに飛ばないよ。1位の永野竜太郎は350ヤードでしょ。僕は320ヤードくらいだったから、竜太郎みたいな飛ばし屋とは次元が違う。

時松 僕は303ヤードだったので、20ヤードは先ですから、僕からしたら飛びます。僕は普段はフェード打ちですが、飛距離が必要なホールや状況で、体の調子がよいときはドローボールを打ちます。宮本さんも普段はフェードヒッターだと思いますが、ここぞで飛ばすときはどうされているんですか。

宮本 う~ん、真っすぐにいけばどっちでもいいって感じかな。以前、ドローにしていたと言われるけど、していたわけじゃなく、“なっちゃう”んだよね、自然に。

時松 ああ、わかります。さっき言ったように、僕も体の調子がよければドローが打てる、みたいな感じですかね。

宮本 そうね。だから、飛ばす秘訣を聞かれるけど、何年も同じことしかやっていないので、自分も「何ですかね?」って改めて考えざるを得なくなるよね。

時松 トレーニングやケアを含めて、継続することがいかに大事かということがよくわかるお話ですね。

週刊ゴルフダイジェスト2021年6月1日号より