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【スウィング研究】ローリー・マキロイ「カプルスやランガーのように長く活躍できるお手本スウィング」

いま注目すべきスウィングを、連続写真で徹底分析。今回取り上げるのは、悲願のマスターズを制しキャリアグランドスラムを達成したローリー・マキロイ。

解説/南秀樹
PHOTO/Yoshihiro Iwamoto 撮影トーナメント/2025年マスターズ

ローリー・マキロイ 北アイルランド出身。メジャー5勝。先日のマスターズを制して史上6人目のキャリアグランドスラムを達成した

長く活躍できる
お手本のようなスウィング

悲願のマスターズを制したローリー・マキロイ。最終日の1番は右のバンカーに入れたものの、310Yを計測した。そのドライバーショットの連続写真をもとに、テレビ中継にかじりつくように観戦していたというプロコーチの南秀樹氏に、そのスウィングを解説してもらった。

「男女問わず憧れのスウィングというプロゴルファーも多いです。それでいて飛ばせて、上手い。綺麗なスウィングで飛ばせる選手は、実はなかなかいません。


彼の大きな特徴はアドレス。日本の選手と比べて手元が高い。こう構えるとフェースローテションを抑えることができます。バックスウィングでは、両ひざの間隔と両ひじの間隔が全く変わっていません。アドレスでのひざとひじの位置関係を保つことで腰だけを上手く回転させられて、体の中心でトルクを生み出しています。トップでの背中の服のシワがそのねじれの大きさを表しています。この動きは股関節が相当柔らかいからできるとも言えますが、アマチュアの方にもぜひ真似してほしい部分。前傾を維持しつつ、腰のターンで打つスウィングです。

切り返しで右足を踏み込んでいますが、お尻の左側面のハリを見てください。バックススウィングと比べ、左のお尻のハリを相当感じるくらいため込んでいますが、その次のコマでは右腰をすぐに送り込んでいるのが分かります。トルクというとクラブ(シャフト)のトルクを思い浮かべますが、マキロイの場合、クラブのトルクと体のトルクをかけ合わせてパワーを生み出しています。見本のようなシンプルなスウィングであり、かつてフレッド・カプルスやベルンハルト・ランガーがそうだったように、シンプルなスウィングは選手寿命が長くなる。マキロイも同列にいるように感じるので、今回、マスターズを制して、これから全盛期を迎えるはず。メジャー大会で、さらにタイトルを獲得していきそうな雰囲気です」(南)

週刊ゴルフダイジェスト2025年5月6日号より