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【PGAツアーエキスプレス】Vol.35 リッキー、松山、ファンローエン…米で口ひげブーム再燃!?

ゴルフの最先端、PGAツアーの旬なネタをお届けする「PGAツアーエキスプレス」。第35回は、PGAツアー選手の“口髭”事情について。

取材/コーリー・ヨシムラ(PGAツアー アジア担当ディレクター)

リッキー・ファウラー(右)……1988年生まれアメリカ出身。アメリカだけでなく日本でも人気
エリック・ファンローエン(左)……1990年生まれ南アフリカ出身。PGAツアー2勝の実力者
前回のお話はこちら

ファッションか験担ぎか

アーノルド・パーマーやジョン・デーリー、タイガー・ウッズなど、プレーだけでなく、ファッションや自身の表現に至ってもゴルファーに強い印象を残しているプレーヤーは多い。格好は個人の自由で、それが個性とされるがその時代においての“流行り”は当然ある。近年、PGAツアーで流行っているスタイルが、口髭だ。かつて20世紀に脚光を浴びたような『威厳に満ちた古風な男』スタイルが今、来ている。

1970年代から80年代にかけては、バート・レイノルズやフレディ・マーキュリーなど、当時のスターを見ても口髭ブームがあったことがわかり、当然ながらその波はゴルフ界にもやってきた。クレイグ・スタドラーなどは“ゴルフ界口髭”の先駆者と言っていいだろう。彼は長きにわたって口髭を貫き、(大袈裟だが)口髭の基盤を築いた。そして、これに続くようにコーリー・ペイビンやバート・ブライアントなどの選手が口髭を“継いで”いった。

しかし、2000年代に入ると、口髭の人気は影を潜めていった。理由のひとつに世の中の流れが変わったことが挙げられるだろう。スポーツマン的な爽やかな見た目を支持する風潮に変わり、よりさっぱり、美的感覚が重視されるようになったのだ。ただ、そんななかでもアンドレス・ゴンザレスやジョンソン・ワグナーなどが“口髭代表”として活躍し、ツアーの中にいてくれたことが、現在の人気再燃につながっていると言っても過言ではない。

その系譜は受け継がれ、2018年のリッキー・ファウラーは記憶に新しい。彼がもう一度トレンドを取り入れ、2020年以降の口髭ブームの火付け役となったのだ。そして現在、口髭を引っ張っているのは、南アフリカのエリック・ファンローエンだろう。彼は22年のインタビューでこう答えた。

「ここ数年、クリスマスから年末にかけてだけ髭を伸ばすのが習慣だったけど、今年は年が明けてもずっと剃らないでいる。いつまで続けるかわからないけどね」

アイスホッケーや野球では、プレーオフの期間中に髭を剃らないという伝統があり、それはゴルフにまで波及している。これは一種の験担ぎでもあり、アスリート自身が信じていれば躊躇なく行うこともあるだろう。ファッションとしての口髭を楽しむ、個性の象徴であると同時に、成績を上げるための方法のひとつにもなっているというわけだ。

昨年松山英樹も“口髭”スタイルに

昨年のマスターズ後、松山英樹も一時口髭スタイルに。髭だけでかなりワイルドな印象に変わる

月刊ゴルフダイジェスト2024年6月号より

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