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【PGAツアーエキスプレス】Vol.33 スコッティ・シェフラー「スウィングの形は独特なのに再現性が極めて高い」

ゴルフの最先端、PGAツアーの旬なネタをお届けする「PGAツアーエキスプレス」。第33回は、スコッティ・シェフラーの独特に見えて緻密なスウィングについて、トッド・アンダーソンに解説してもらった。

取材/コーリー・ヨシムラ(PGAツアー アジア担当ディレクター)

スコッティ・シェフラー 1996年生まれアメリカ出身。2022年に大ブレークし、世界ランキング1位で挑んだマスターズで見事優勝。通算6勝、世界ランク1位(2月10日現在)
前回のお話はこちら

独特な動きなのに再現性が高い

この連載で何回か選手のスウィングについて解説してくれているトッド・アンダーソン。2010年にナショナルPGAティーチャー・オブ・ザ・イヤーを受賞し、今までに多くのトッププレーヤーを育てた名コーチだ。今回は、3月に行われる“第5のメジャー”ザ・プレーヤーズ選手権のディフェンディングチャンピオンであり、世界ランク1位のスコッティ・シェフラーについて解説してもらった。

シェフラーのスウィングを語るとき、多くの解説者がそうであるように、アンダーソンも『ユニークな足の使い方』に注目する。

「PGAツアー選手のスウィング、フットワークは個性的で、つま先がねじれる角度などは選手によってかなり異なる。シェフラーの場合は、切り返しからダウンスウィングにかけて足で体を蹴り上げることで大きなパワーを生み出している」

具体的にはどのような使い方をしているのだろうか?

「彼のすごい点のひとつは、あれだけ特徴のあるスウィングであるにもかかわらず、いつも同じ動きができることだ。この反復性こそ、安定した成績の源であることを最初に伝えておきたい。トップのポジションでは、体重は右に乗せている。切り返しからダウンスウィングにかけて体重を左に移動していくのだが、左足が大きくめくれるような動きになっている。右足で大きく地面を蹴った結果、体重が左へ乗っていくわけだが、そこで無理に受け止めず、左足をめくることで、回転力に変えてスピードを出しているのだ」

体の回転だけ速くなればそれでいいかというと、もちろん違う。そこで重要な役割を担ってくるのが、右足の動き。

「ダウンスウィングで右足を擦らせて、左足の方向、背中のほうに動いているが、この動きこそ、体が開きすぎないようにする彼なりの工夫であり、回転というスピードだけのスウィングではなく、パワーも生み出せている要因になっている。そして、一見独特に見える動きではあるが、ひとつひとつを切り取ってみると、かなり理にかなった動きだということもわかる」

多少型破りであっても、その動きを毎回繰り返すことができればそれでいい。シェフラーの場合は何より、結果が証明している。「安定していて無駄がなく、力強いスウィングをしていたら、変える必要なんてないと思っているよ」

切り返しからダウンスウィングにかけて右足を大きく動かす。左足のめくれも特徴的だが、スムーズな回転とパワーを両立させる効率的な動き(写真はトッド・アンダーソン)

月刊ゴルフダイジェスト2024年4月号より

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