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【PGAツアーエキスプレス】Vol.27 アダム・スコット「20年前は今のポジションにいることを想像していなかった」

ゴルフの最先端、PGAツアーの旬なネタをお届けする「PGAツアーエキスプレス」。第27回は、PGAツアーメンバーとなって20年、今も昔もこれからもナイスガイなアダム・スコットについて。

取材/コーリー・ヨシムラ(PGAツアー アジア担当ディレクター)

アダム・スコット 1980年生まれ。オーストラリア出身。美しいスウィングが特徴的で、若い頃から活躍。2014年には世界ランク1位にも輝く。アメリカで14勝を挙げる(Photo by Patrick Smith/Getty Images)
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顔も心も行動もすべてが“イケメン”

PGAツアーで初優勝を飾り、ツアーメンバーになってからちょうど20年。アダム・スコットは現在もシード選手として、群雄割拠のPGAツアーで戦っている。日本でもおなじみの選手で、日本オープンに出場するだけでなく、ウェアはユニクロ契約、大の親日家だ。

今から22年前、プロになってまだ日も浅かったスコットは、全英オープンの練習日にタイガー・ウッズとラウンドできる機会に恵まれた。しかし、早朝だったため若いスコットはコースの裏口から入ることを知らず、遅れて2番ホールから合流したのだった。「そのときタイガーが『君はまだ若いし、すぐに慣れるよ』と笑顔で話してくれた」とスコットは話している。

11年が経ち、32歳になったスコットは、2004年にザ・プレーヤーズ選手権、06年はツアーチャンピオンシップ、そして09年には母国でオーストラリアオープンのタイトルを獲得するなど、世界中で通算20勝を挙げる“超一流”選手に成長していた。ハンサムな顔立ちとスマートなスウィングでたちまち人気選手となったスコットだったが、彼に唯一欠けていたのは、メジャーでの実績だった。それまでのキャリアからいえば、勝っていてもおかしくないが、なぜかメジャーでは勝てなかった。

しかし、2011年頃から風向きが変わってきた。マスターズで2位に入ると、翌年の全英オープンでは最終日のバックナインまでトップに立っていながらアーニー・エルスに優勝をさらわれ2位。「絶好の機会を逃したが、この経験からもプラス面を見出したい」と語った9カ月後のマスターズ。アンヘル・カブレラとのプレーオフを制して、自身初のメジャー、そして、オーストラリア人として初めてとなるグリーンジャケットに袖を通したのだった。

正しい行動を忘れず、人としての品格を失わない、スコットはまさにプロフェッショナルというのにふさわしい選手だろう。その証拠に、変革期を迎えているPGAツアーにおいて、スコットは大きな存在感を示している。ただそれは、LIVゴルフを否定し、移籍する選手を否定するようなものではなく、あくまでも行動で、彼なりのやり方でリーダーとしての気概を示しているのだ。そんなスコットには周囲からもゴルフ界を背負う存在になってほしいとの期待が集まっている。

「20年前は今のポジションにいることを想像していなかった。でも今、まだここ(PGAツアー)で優勝できると思っている。その気持ちがある限り、僕はフィールドに立つよ」

アダム・スコットはどんなときでもナイスガイだ。だからこそ、応援したくなる。

タイガーを抜いて世界ランク1位に

2014年、アダム・スコットは世界ランク1位に。タイガーを抜いての1位に彼自身も大いに喜んだ

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月刊ゴルフダイジェスト2023年10月号より