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大学卒業後、米下部ツアーに挑戦できる新制度「PGAツアーU」に期待

「PGAツアーU」初の卒業生となりそうなプレーヤーのランキングが発表され、同時にルールがアップデートされて付け加えられた。

PGAツアーUとは、アメリカの大学ゴルフ部1部リーグの4年生に対し米ツアーへの道を開くもの。Uはユニバーシティの頭文字だ。今年でいえば、5月28日〜6月2日に行われるNCAA選手権(全米学生選手権)後に発表されるランキングで、トップ5人に、二部ツアーであるコーンフェリーツアー(KFT)の参戦資格を与える。ランキング6〜15位のプレーヤーは、マッケンジー・カナダツアーとラテンアメリカツアーに参戦できる。トップ5にいる選手にすれば、KFTで25位以内に入ればPGAツアーに昇格できるし、ダメでもKFTのQスクールのファイナルステージから参加できるというメリットがある。

「ほかのスポーツでは、大学とプロスポーツの間に直接のコネクションがあるのにゴルフにはこれまでなかった」とはアリゾナ州立大学のコーチ。プロを目指すトップランキングのカレッジゴルファーからすると、これまでは、至れり尽くせりの大学ゴルフ部から卒業と同時に社会に“放り出される”のが普通だった。そのため、卒業を待たずにプロに転向する選手も多く、卒業後に費用などすべてを自前で用意する必要に迫られプロを諦める選手もいた。そうした意味から、大学側もツアー側もこのPGAツアーUに対する期待は大きい。

現在PGAツアーで活躍しているマシュー・ウルフ。大学2年時の2019年5月にNCAA選手権で優勝し、6月にプロ転向した(写真は2019年2月のフェニックスオープン)

大学4年生のランキングは、過去2年の成績をワールドアマチュアランキングを修正する形で発表している。今回のルールの追加は、コロナの影響もあって昨シーズンの試合数が確保できなかったこともあり、2019年から大学での最低試合数を13(招待などでの米ツアーでの参戦を含む)とし、昨年の卒業予定者も大学に残れば、同じ4年生資格でこのプログラムに参加できるなどとしている。

週刊ゴルフダイジェスト2021年3月2日号より