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飛ばしの世界記録は500ヤード超え! しかも50年前に記録されていた【ゴルフの数字】

4人1組、1ラウンド18ホール、パー72……ゴルフにまつわるいろいろな数字。知らなくてもゴルフはできるけど、知っていればゴルフがもっと楽しくなる! 今回は、ドライバー飛距離の最長記録に関するお話。

一般ゴルファーにとっては300ヤードでさえ夢のまた夢だが……

ギネス記録は515ヤード!

ゴルフの魅力はなんといっても飛ばし。もちろんスコアメイクには、曲がらないショットで正確にボールを運ぶことが重要だが、ドライバーが完璧な当たりで“今日イチ”が出たときの爽快感は何物にも代えがたい。

とはいえ、どんなにナイスショットをしても、アベレージゴルファーの飛距離はせいぜい220~230ヤード程度。250ヤードも飛べば相当な飛ばし屋の部類に入る。

一方、プロはクラブやボールの進化、スウィング解析機器やトレーニングの効果もあり、300ヤード超えが当たり前の時代になった。ブライソン・デシャンボーやローリー・マキロイのように、ランも含めると350ヤードを超えてくるような選手も出てきている。

しかし、ギネスで認定されている飛距離の世界記録は、ちょっと次元が違う。その距離、なんと「515ヤード」。パー4どころかパー5をワンオンできてしまう飛距離だ。

しかも、この記録が出たのは50年近く前の1974年。パーシモンヘッド&糸巻きボールの時代だ。それも、当時64歳の選手というから驚きだ。

伝説として語り継がれるその選手の名は、マイク・オースチン。ラスベガスのウィンターウッドGCで開催された1974年の全米シニアオープン、450ヤードの5番パー4でオースチンがドライバーを振り抜くと、ボールはグリーンエッジに着弾。グリーン上を跳ね、さらに奥へと転がっていった。試合後にメジャーで計測すると、ピンから65ヤード奥、つまり515ヤードのウルトラドライブだったという。

そのホールは風速10m/sほどの追い風が吹いていたと言われているが、打ち下ろしではなくフラットで、使っていたクラブはウィルソンのパーシモンヘッド(ロフト10度)に43.5インチのスチールシャフト、ボールはタイトリストのバラタ(コンプレッション100)というから、いかにすさまじい記録かが分かるだろう。

オースティンのスウィング論はその後多くのゴルファーに伝えられていったが、その教えは独特だった。

「腕のローテーションを使わず、フェースをターンさせない」「腰を回すのではなく、骨盤を傾けることによってスウィングを行う」「切り返しから、クラブを放り投げるようにリリースしていく」など、当時の理論とは異なるような教えだったが、いま改めて見返すと、非常に理に適っていることが分かる。

オースティンはゴルファーであり、運動力学にも精通しており、ティーチングの道を歩み始めてからはハリウッドにジムを設立し、ゴルフに限らずボクシング、テニス、野球を教えたそう。体をねじらず、負担の少ない使い方をすることで、効率よくパワーを発揮する。70歳を過ぎてもゆうに300ヤード超える飛距離を保持していたというから、その理論を自ら体現していたといえよう。

ギネス以上の記録も

ギネス記録として残っているのはマイク・オースティンの515ヤードだが、実はそれ以上の記録を打ち立てた選手もいる。アメリカのドラコンプロ、マイク・ドビンだ。2007年の世界ロングドライブ選手権で史上最高の551ヤードを記録している。

ドビンは身長203センチ、体重140キロ、足のサイズは36センチという恵まれた体躯の持ち主で、ヘッドスピードは70m/s超え。こちらは筋力トレーニングによって培った圧倒的なパワーがなせる業といえよう。