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【The Rules】ボールがペナルティーエリア内の排水溝に。無罰の救済は受けられる?

The Rules
2022.05.10

今日もコマッ太くん、マナブくん、キク子ちゃんの3人でラウンド。すると、ルールに関して意見が分かれる場面が。果たしてこんなとき、どう処置すればいい?

ILLUST/Tomoko Sano TEXT/Youichi Tsunoda

コマッ太くん

せっかちでうっかりでルールのミスや勘違いが多いのがたまにキズ。でも本当はマジメ

マナブくん

根っからの勉強家。ルールブックをよく読み裁定集にまで目を通している、頼れる存在

キク子ちゃん

ゴルフのプレーとルールはまだまだ勉強中。でも他人の意見をよく聞く耳を持っている

コマッ太くんのショットは赤杭で示されたペナルティーエリア内に止まった。球は排水溝のフタに乗っていてそのままでは打てそうにない。この場合、無罰の救済は受けられる?

ペナルティーエリア内で無罰の救済は受けられないのでは?

水に限らずさまざまな障害があるのがペナルティーエリアだから、打てないなら1罰打の救済になるのでは?

排水溝のフタは動かせない障害物。無罰の救済が受けられるはず

ボールをペナルティーエリア内にドロップすれば、特別に有利にはならない。無罰でOKと思うけど?

果たしてどう処置するのが正しい?


コース内の池は以前のルールでは「ウォーターハザード」。そのままプレーすることもできたが、クラブをソールしたりルースインペディメントを取り除くことは認められていなかった。

現在は、これが「ペナルティーエリア」という呼称に変更となり、ソールやルースインペディメントの取り除きもできるようになった。ルール的に緩和されたと感じられるが、コマッ太くんが「エリア内なら無罰の救済が可能」と思ったのもこの緩和のためかもしれない。でも間違いだよ。

動かせない障害物からの無罰の救済は、球がペナルティーエリア以外のコース上にあるときに受けられる。ペナルティーエリアでの唯一の救済は規則17に基づくものだ(規則16.1a(2)要約)。

そしてこの規則17には『ペナルティーエリアからはあるがままにプレーするか、罰ありの救済』の二択と記されている(規則17.1b要約)。罰ありの救済後はペナルティーエリアの外からのプレーになるので、「無罰で救済を受けエリア内からプレー」という選択肢はない。この処置をとってしまうと、誤所からのプレーで2罰打になるよ。

緩和感があっても、間違ってルールを解釈してはアカンワ、ということを肝に銘じようね!

ペナルティーエリアからは「あるがまま」か「罰ありの救済」の二択。無罰の救済はナシ

月刊ゴルフダイジェスト2022年6月号より

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