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【通勤GD】時松隆光プロを育てた異次元打法「みんなの桜美式」Vol.6 グリップは右手から握る ゴルフダイジェストWEB

時松隆光プロが実践するテンフィンガーグリップの「刀打法」で重要な、握り方についてのお話。通常のグリップは左手を握って、そこに右手をかぶせていくのが常識的な握り方だが…桜美式ゴルフでは?

【通勤GD】
通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。

ゴルフ向学者
たけひさ先生
篠塚武久・73歳。福岡市で「桜美ゴルフハウス」主宰。福岡大学の大石迪夫教授と作り上げた「OSゴルフ理論」で多くのジュニアが結果を出す。「テンフィンガー研究ははや20年。今後『分担型グリップ』時代がくることを確信」

前回のお話し

右手のひらを上に向けてグリップする「刀打法」

篠塚 「刀打法」では左手からは握りません。人間が道具を扱うとき、わざわざ利き手ではないほうから握ってカタチを決めていくなんてことはしない。「桜美式」ではあくまでも、より自然に、より簡単に、をモットーにしていますからね。

GD ということは、利き手である右手から握っていくと。

篠塚 右手から握ることはもちろんですが、さらに重要なのは、右の手のひらの向き。従来の常識だと、スクェアグリップにしろ、ストロンググリップにしろ、右手を垂直に立てるようにして、手のひらをターゲット方向に向けていた。これを「刀打法」では、右手のひらを上に向けて握ります。

右手のひらを上にして握る

GD 以前教えていただいた、張り手ではなく、空手チョップで打つイメージのグリップですね。

篠塚 張り手でパチンと「叩く」のではなく、空手チョップでスッと「切る」。手の側面で斬ることの優位性は、以前語ったように、力まないのに力が強い、方向性が保てる、再現性が高いなど多々あります。

篠塚 従来の合体型グリップだと、右手を握るときには、すでに左手を握っているから、その左手にかぶせるように、小指から人差し指までを、手前から奥へと動かして握る動作が一般的でしたよね。

空手チョップで、ボールを横から斬るイメージの「刀打法」

GD オーバーラッピングにせよ、インターロッキングにせよ、基準となる左手に右手の小指を絡め、そこからグリップを巻いていくように握っていました。すると必然的に、各指は手前から奥へと動かして握ることになります。

篠塚 「刀打法」では、そうは握りません。なぜなら、各指を手前から奥へと動かして握る動作は、意識もそのまま、手前から奥へと向かってしまうからです。

GD 意識も手前から奥へ?

フェースでボールを横から斬るグリップにチェンジ

篠塚 従来の握り方は、ヘッドに全神経を集中して球を打つ握り方です。小さな球をしっかりとらえなければという重圧から、グリップまで各指を手前から奥へと動かして握ることで、意識も手前から奥へ、つまり手元からヘッドへと向かわせてしまっていた。

篠塚 ところが、手前から奥への意識で、いくらヘッドに全神経を集中できたとしても、ゴルフというスポーツは、物理的に絶対に上手くならない構造になっているんです。なぜなら、球はヘッドではなく、フェースでとらえるものだから。

GD ヘッドではなくフェースで。

篠塚 ゴルフがスイカ割りのように、単純にヘッドを上から下へと打ちつければよいのなら、手前から奥への意識でもいいかもしれない。でもゴルフクラブのフェースは、手前から奥へ意識した先には向いていない。突き出たヘッドの側面、つまり「横」(目標方向)に向いているのです。

篠塚 クラブを日本刀に例えるなら、フェースは刃と同じ。切れる側の刃が「横」に向いていると考えれば、従来のグリップがいかに不合理か気づいてもらえるはずです。

GD 上から下へと振り下ろすのではなく、「横」に向いている刃で斬る動作こそがゴルフなのだと?

篠塚 右手を垂直に立てて、指の握り方も手前から奥への意識だったのがこれまでのグリップ。これは上から下へ「縦」に振り下ろすための握り方。それなのに、フェース面は「横」で、クラブも右から左へ「横」に振らなければならないのがゴルフ。

篠塚 その矛盾ゆえに、これまでは腕や体全体にねじりを生じさせ、それをインパクトでねじり戻すことで、無理矢理「横」に変えてつじつまを合わせていた。グリップの段階からすでに、とんでもなく不自然で難しい動作を要求されていた。「刀打法」は自然で簡単。最初の握り方から、まずは右手のひらを開いて、右から左へとスライドさせるようにして握るだけ。

「寝かせた刀(フェース)をヨコに振って斬るのがゴルフ。右手のひらはヨコを向くのではなく上を向いたまま動く」

GD 手前から奥の意識ではなく、右から左の意識ですね。

篠塚 そう。つまりは刃(フェース)の向きと同じ、これから斬る「横」(目標方向)へ、利き手である右手を動かすから、グリップする段階から、「横」に振るイメージが湧いてくる。そして、右手のひらが上を向いているということは、刃が「横」を向いて寝かせている刀の握り方として、整合性がとれている。

篠塚 一言でいうなら、寝かせた刀を「横」に振って斬るのがゴルフ。それならば、利き手である右手のひらも「横」に使うべき。もちろんグリップの仕方も、右から左へ「横」の動作で握る。

GD 日本刀の刃の向きを理解すると、右手の握り方の考え方がまったく変わってきました。「桜美式」出身の時松隆光プロのグリップも、まさに「横」ですね!

篠塚 名づけて、「テンフィンガー手刀グリップ」。試していただくとわかります。難しく考えず、手を刀に見立てて斬るように振れば、一気にゴルフがシンプルでやさしくなりますよ。

週刊GDより

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