【青木瀬令奈のパット教室】#3「フックラインの引っかけ」「スライスラインのプッシュ」はアドレスで防ぐ
女子ツアー屈指のパッティング巧者、青木瀬令奈。曲がるラインでも確実にプロラインに打ち出すために、アドレスである工夫をしているという。
TEXT/Daisei Sugawara ILLUST/Takaaki Okuda PHOTO/Shinji Osawa THANKS/知多カントリー倶楽部
●CONTENTS●
#1 セレナ流ライン読みの手順
#2 スムーズなストロークは“首を長くして”打つ
#3 曲がるラインのミスを防ぐアドレスの工夫
カップインの確率が高い「プロライン」に出す
パッティングでは、「いつでも芯でヒットする派」と、「ラインによって打点を変える派」がいるが、青木は後者。
「イン-インのストロークのなかで、フェースが閉じ切る前に当たれば出球は右、スクエアを過ぎてから当たれば左になります。これを利用して、フックラインとスライスラインで打ち方を変えています。たとえばフックラインは、左足体重にして、ほんの気持ち(ディンプル1個分程度)ボールを右足寄りに置きます。これでインパクトポイントが右になるので、出球が左になるミスは少なくなります。さらに、少しトウ寄りでヒットすれば、フェースがかぶることがないので、確実にプロライン(カップの上側)に出すことができるんです」と青木。
スライスラインはこれと逆で、右足体重にして、ボールを左足寄りに置き、ややヒールヒットすることで、左に球を打ち出すことができる。
「ブレークポイントに向けて、ボールのラインをセットするんですが、そのライン通りには打ちません(笑)」
フックラインのポイント
フックラインで避けたいのは、フェースがかぶって出球が左になるミス。トウ側でヒットすると、インパクトでフェースが開きやすく、確実に右に打ち出せる(左)/ ストロークがイン-インの場合、ボールを右に置くほど、フェースが開いて当たりやすくなる。右に打ち出したいフックラインでは、ボールは右に置くほうがいい(右)
左足体重ならつかまりにくい
左足体重で構えると、相対的にボール位置が右足寄りになり、フェースが返り切る前にヒットできる。つまり、出球が左になるミスを避けられるということ
スライスラインのポイント
ヒール側で打つとインパクトでフェースが閉じる ボールを左に置くと出球がな左に
ボールを左に打ち出したいスライスラインの場合、ヒールヒットすると、インパクトの衝撃でフェースが閉じやすくなり、出球が右になるミスを防げる (左図)/ボールを左足寄りに置くことで、通常のインサイドインのストロークをしても、フェースがスクエアを過ぎた地点で当たるので、出球は左になる(右図)
右足体重ならつかまりやすい
右足体重で構えると、相対的にボール位置が左足寄りになり、フェースが返り始めたところでヒットすることができるので、確実に左に打ち出せる
青木瀬令奈の“曲がるライン”3つの対策
スライスライン | フックライン | |
---|---|---|
打点 | ヒール側 | トウ側 |
体重配分 | 右足体重 | 左足体重 |
ボール位置 | 左側 | 右側 |
「打点と体重配分、そしてボール位置のスパイスの掛け合い。立った時の感じと、カップの向き、それに自分の経験値と照らし合わせながら“調合具合”を決めています」(青木)
週刊ゴルフダイジェスト2022年10月11日号より