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【青木瀬令奈のパット教室】#3「フックラインの引っかけ」「スライスラインのプッシュ」はアドレスで防ぐ

女子ツアー屈指のパッティング巧者、青木瀬令奈。曲がるラインでも確実にプロラインに打ち出すために、アドレスである工夫をしているという。

TEXT/Daisei Sugawara ILLUST/Takaaki Okuda PHOTO/Shinji Osawa THANKS/知多カントリー倶楽部

青木瀬令奈 群馬県前橋市出身の29歳。飛ぶほうではないが、グリーンに近づいてからのショット、そしてグリーン周りでスコアメイク。15年からシードを保持し、今季は資生堂レディスで3勝目を挙げた。現在、賞金ランク9位

●CONTENTS●
#1 セレナ流ライン読みの手順
#2 スムーズなストロークは“首を長くして”打つ
#3 曲がるラインのミスを防ぐアドレスの工夫

カップインの確率が高い「プロライン」に出す

パッティングでは、「いつでも芯でヒットする派」と、「ラインによって打点を変える派」がいるが、青木は後者。

「イン-インのストロークのなかで、フェースが閉じ切る前に当たれば出球は右、スクエアを過ぎてから当たれば左になります。これを利用して、フックラインとスライスラインで打ち方を変えています。たとえばフックラインは、左足体重にして、ほんの気持ち(ディンプル1個分程度)ボールを右足寄りに置きます。これでインパクトポイントが右になるので、出球が左になるミスは少なくなります。さらに、少しトウ寄りでヒットすれば、フェースがかぶることがないので、確実にプロライン(カップの上側)に出すことができるんです」と青木。

スライスラインはこれと逆で、右足体重にして、ボールを左足寄りに置き、ややヒールヒットすることで、左に球を打ち出すことができる。

「ブレークポイントに向けて、ボールのラインをセットするんですが、そのライン通りには打ちません(笑)」


フックラインのポイント

フックラインで避けたいのは、フェースがかぶって出球が左になるミス。トウ側でヒットすると、インパクトでフェースが開きやすく、確実に右に打ち出せる(左)/ ストロークがイン-インの場合、ボールを右に置くほど、フェースが開いて当たりやすくなる。右に打ち出したいフックラインでは、ボールは右に置くほうがいい(右)

左足体重ならつかまりにくい

左足体重で構えると、相対的にボール位置が右足寄りになり、フェースが返り切る前にヒットできる。つまり、出球が左になるミスを避けられるということ

スライスラインのポイント

ボールを左に打ち出したいスライスラインの場合、ヒールヒットすると、インパクトの衝撃でフェースが閉じやすくなり、出球が右になるミスを防げる (左図)/ボールを左足寄りに置くことで、通常のインサイドインのストロークをしても、フェースがスクエアを過ぎた地点で当たるので、出球は左になる(右図)

右足体重ならつかまりやすい

右足体重で構えると、相対的にボール位置が左足寄りになり、フェースが返り始めたところでヒットすることができるので、確実に左に打ち出せる

青木瀬令奈の“曲がるライン”3つの対策

スライスラインフックライン
打点ヒール側トウ側
体重配分右足体重左足体重
ボール位置左側右側

「打点と体重配分、そしてボール位置のスパイスの掛け合い。立った時の感じと、カップの向き、それに自分の経験値と照らし合わせながら“調合具合”を決めています」(青木)

週刊ゴルフダイジェスト2022年10月11日号より