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【強いフェードを手に入れる!】#5 トップアマが実践しているフェード習得法

弱いスライスを脱却し、強いフェードを手に入れるにはどうすればいいのか。ここからは、さまざまな工夫でフェード習得に励む3人のトップアマの練習法をご紹介!

PHOTO/Hiroaki Arihara、Shinji Osawa、Hiroyuki Okazawa THANKS/千歳空港CC、東野ジャンボゴルフレンジ、港南ゴルフセンター

●CONTENTS●
#1 世界の主流「プッシュフェード」のメカニズム
#2 “球がつかまる”状態をつくっておこう
#3 フェードで270Y! 馬場咲希のコーチの教えとは?
#4 ドラコンプロに学ぶ「握り方」のコツ
#5 トップアマ3人のフェード習得法

File 1 宮本太郎さん(HC+1.7)の場合

宮本太郎さん

みやもとたろう。38歳。HC+1.7。北海道を代表するトップアマ。ANAオープンにも出場。現在、持ち球をフェードに変えるべく練習中

「飛ぶだけでなく、アイアンではラインが出せるし、しっかりピンを狙っていける」という理由から、持ち球をフェードにしようと、絶賛改造中の宮本太郎さん。

「もともと、ヘッドを返してドローを打っていたので、最初はすごく違和感がありました」と言う宮本さんが取り組んだのはインサイドインの軌道作り。

「カット軌道だと、フェードではなく、スライスになってしまう。フェードでもしっかり球をつかまえる必要があり、そのためにはインサイドからクラブが下りないといけない。そこで、実際に打つボールの外側に2つボールを置き、ヘッドがそこを通らないようにしました。大事なのは、体の回転でインサイド軌道を作ること。そのために、長い棒を使い、当たらないように素振りをやっています。練習でフェードの体使いとクラブの動きを叩き込んでいます」

Drill 1
ボールに当てないように振る

インサイド軌道を身につける練習。実際に打つボールの外側にボールを2つ置いて軌道をイメージさせる。ボールではなくクラブやタオルなどでも代用可能。まずはボールを打たずに素振りで正しい軌道を体に覚え込ませよう。

左に飛んでも気にしない

まずは軌道だけを意識づけるため、ボールを打つときは打球を気にしない。多くの場合、左へ飛ぶが“つかまっている”証拠


Drill 2
棒が体に当たらないように振る

アライメントスティックなどの長い棒をクラブと一緒に持ち、素振りを行う。インパクトの瞬間にスティックが当たらないように体をしっかりと回転させていく。フェードの体使いが身につく。

フォローでも当てずに回し続ける

インパクト以降も体の回転を止めずに回し続ける。フィニッシュまでスティックが当たらないように振っていく

Drill 3
ヘッドカバーに当てないように振る

一人だとなかなか難しいが、ダウンスウィングの途中の位置(自分の斜め後方辺り)にヘッドカバーなどをぶら下げ、手がヘッドカバーに当たらないように下ろす練習。このゾーンで手元を上下動させ、インサイドからクラブを下ろす感覚を身につける。

File 2 小暮大輔さん(HC+0.2)の場合

小暮大輔さん

こぐれだいすけ。49歳、HC+0.2。体育の教員として働きながら競技にも出場する水戸のトップアマ。練習は週4回、100球程度

水戸のトップアマ、小暮大輔さんもフェード習得に励んでいる。テーマは「体を回す」こと。

「吉田コーチも話していましたが、フェードは体の回転を止めてはダメ。とは言っても年々体が回らなくなって動きが止まってよくミスをするんですが(笑)。そこで私は、左つま先を開いて構えるようにしました。そうすると、フォローサイドで回転がとてもスムーズになるんです。両足をそろえて打っていたときと比べたらだいぶ変わりました。左サイドが止まることがなくなったので、左の怖さもなくなりました」

左つま先を開いて打つ

アドレス時にあらかじめ左つま先を開いてしまう。自分の左方向へ振りやすくなり、球をつかまえながらもフェードが打てる。

回転が止まらずスムーズに!

「フェードを打つには体の回転が大事。インパクトで合わせる動きが入ると体が止まりやすい。左つま先を開いておけば、回転がスムーズになり、詰まる感覚もなくなるんです」

右足は内側に「絞り込む」

右ひざが前に出ると、クラブが寝すぎたり、カットに入ったり様々なミスが起こる。「ダウンスウィングで右太ももを内側に絞り込むように使うとひざが前に出ず、軌道が安定するようになりました」

File 3 小原淳さん(HC+1)の場合

小原淳さん

おはらじゅん。39歳、HC+1。関東だけでなく、全国のアマチュア競技に出場する横浜のトップアマ。あおり打ちフックをフェードに変えた

関東を代表するトップアマの小原淳さんだが、以前はチーピンに悩んでいたという。

「まずは意識を変えること。少し左を向いて右に出ていくのがフェードの完成形だと思っていますが、いきなりそこにいくのは無理。あおり打ちがひどかった僕は、下から入りすぎないように軌道を直すことから始めました。もっとも効果的だったのが、トップで体重を右に乗せすぎないこと。軌道も上からになりますし、体の回転も速くなる。この意識により、フェードの感覚が出てくるようになったんです」

低いスライスを打つ練習をしてあおり打ちが改善

「あおり打ちがきつかったので、フェードにする前の段階として、スライスを打つ練習をしました。インサイド過ぎた軌道を改善するためのものですね」(小原)

Point 1
トップで体重を右に乗せない

「右に乗せるとそれを戻す動作が必要になるので、筋力やスピードがないとインパクトで戻り切らない。右に体重を乗せすぎないほうが、ダウンスウィングで体がスムーズに回転できるんです」

Point 2
肩口から下りて肩口に抜けるイメージ

軌道が鋭角すぎると、スピンが増えて低い球は打てない。肩口からクラブを下ろし、フォローでは肩の少し下に抜けていくイメージで振っている。小原さんはフォロー側の意識が強い

Check
8Iで100ヤード真っすぐ飛べばOK

「いきなりドライバーが難しい人はアイアンが効果的。正しくスウィングできると、出球が真っすぐになります。フルショットする必要はなく、100ヤードくらい真っすぐ飛べば軌道、フェースコントロールができている証拠です」

月刊ゴルフダイジェスト2022年11月号より