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【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみてVol.28「素振りでも“打感”が大事!」

家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!

ILLUST/Masaaki Takauji

前回のお話はこちら

うちは練習場を営んでいるので、本当はみなさんに来ていただき、たくさん球を打ってもらいたい。でも、仕事や家族サービスで忙しく、練習場に行く時間がないという声を聞く。都心の練習場は休日に待ち時間があるらしく、面倒くさいとも聞く。

でも、練習はしたい! そんなゴルファーの欲望を満たしてくれるのが、素振りではないだろうか。その気持ちはわかる。ただし、ボク自身が“単なる”素振りをすることはほとんどない。もし、やるとしたら、それは意味のある素振り。

“単なる”素振りとは、普通にクラブを持って、普通に振る素振りのこと。なぜ、それを好まないかというと、インパクトの感触がないからだ。要するに、素振りと本チャンに感触の差がありすぎるのだ。

素振りなので、気持ちよく振れれば、それでいいか!? というと、違うと思っている。ヘッドがボールに当たり、そのあとヘッドがどう動くか……そのイメージが持てなければ“素振りシングル”となってしまう。

ではどうすればいいか? ボクはショットの素振りなら、ボールの代わりに段ボールを置き、打感が得られるようにしている。そして、ヘッドが受ける衝撃や、その直後にフェース面がどう変化するかを観察する。パットの素振りは、コーヒーの空き缶を置き、インパクトで「カツッ!」という感触を得る。

パターはヘッドを真っすぐ引いて、真っすぐ出すストロークに気をとられがちだが、肝はやっぱりインパクト。だから、ショット同様、インパクト時の打感をイメージするのが重要なのだ。

駅のホームやオフィスなど外では、ショットよりアクションの小さいパターの素振りをすることが多いだろう。当然、モノを置くこともできないから、エア素振り(そもそも素振りはエアだけど)となるのはしょうがない。ただ、ヘッドがボールに当たったときのイメージだけは、持つことをおすすめしたい。真っすぐ引いて、真っすぐ出す、なんて、どうでもいい。たとえイメージの中でも、きちっと芯でとらえることができれば、きっと真っすぐ引いて、真っすぐ出しているはずだ。

大事なのはインパクトの感触。素振りでも衝撃を感じられるように、段ボールを置いて練習しよう

ショットはパットの延長である──というのが持論なので、パットの打感はボクにとって超重要事項なのだ。全ショットの是非が、ここに集約されていると言っても過言ではない。ドライバーをどんなに振りまわしても、芯でとらえなければ意味がない。そういう意味で、一番小さいショット、つまりパターのインパクトのイメージは重要なのだ。「大は小を兼ねる」という諺もあるけれど、ボクにとっては「杓子(しゃくし)は耳かきにならぬ」のほうがピンとくる。

というわけで、みなさんも素振りをするなら打感のイメージ、とくにパットの打感のイメージを大切に!
  
いやいや、本当は素振りじゃなくて、練習場に来てほしいんだけどね~。よろしくお願いいたします。


全員がチャンピオン! 二宮家

(左から)●慎堂(ボク)1983年生まれ。13、15年四国アマ優勝。HC+2。ベストスコア59 ●英二(父)1958年生まれ。90、95年四国アマ優勝。HC0。練習場経営 ●薫(母)1960年生まれ。94~97、01、03年四国女子アマ優勝。HC2。主婦 ●歌奈子(妹)1985年生まれ。07年四国女子アマ優勝。HC5

週刊ゴルフダイジェスト2017年5月30日号より