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【芯で打つ感覚を磨く】<後編>「ボール位置を変える」「芯を外す」芯センサーを磨くとっておきドリル5選

常にボールを芯でとらえられるようになるためには、“芯センサー”を磨くことが重要だと青山裕美プロ。では、どうすれば芯センサーを磨くことができるのか。効果抜群のおすすめ練習法を教えてもらった。

TEXT/Kenji Oba PHOTO/Tadashi Anezaki、Shinji Osawa THANKS/ETGA東京校

解説/青山裕美

江連忠の一番弟子としてETGA東京校でレッスン中。諸見里しのぶ、上田桃子、松森彩夏らに慕われる姉貴的存在で美スウィングの持ち主

>>なぜコースに出ると思うように芯に当たらない?

  • 止まっているボールを打つゴルフでは、ボールを芯でとらえるなんて簡単だと思われがちだが、いざコースに出ると、なかなか上手くいかない。なぜ、芯で打つことが難しいのか。どうすれば、いつでも芯でとらえられるようになるのか。ETGAの青山裕美プロに話を聞いた。 TEXT/Kenji Oba PHOTO/Tadashi Anezaki、Shinji Osawa THANKS/ETGA東京校 解説/青山裕美 江連忠の一番弟子としてETGA東京校でレッスン中。諸見里しのぶ、上田桃子、松森彩夏らに慕われる姉貴的存在で美スウィングの持ち主 上級者は「芯センサー」を持っている 練習場では上手く打てるのにコースに出るとミスばかり。そんな悩みを抱えるアマチュアは多い。その理由はどこにあるのか?「答えは単純明快で、芯で打てていないからです。では、なぜ芯で打てないかというと、芯でボールを打つ体内感覚である“芯センサー”がないからなんです」とは、ETGA(江連忠ゴルフアカデミー)東京校の青山裕美プロだ。“芯センサー”とは聞き慣れない言葉だが、野球やテニス、卓球、バドミントンなど、あらゆる球技で求められる、基本的な体内感覚のことだという。「多くの球技は、動くボールをとらえなければなりません。たとえば野球で芯センサーがない人は、バットにボールを当てることさえ難しいはず。空振りするか、せいぜい打ち損じてファウルボールでしょう。逆に言えば、上手に打てるバッターは、無意識のうちに芯センサーが働いているんです」ところがゴルフの場合、止まっているボールを打つため、初めてクラブを握った人でない限り、空振りすることは少ない。また、練習場ではマットの上から打つ。「練習場はコースと違いフラットなので、そもそも真っすぐ打ちやすいです。ましてマットはダフってもヘッドが滑ってくれます。つまり当たり損ねでも真っすぐ飛んでくれるのです。一方コースは傾斜地がほとんどで、平らな場所はほぼありません。フェアウェイは刈ってあるとはいえ芝ですし、抵抗の大きいラフもあれば、バンカーもあります。だからほとんどのアマチュアは、トップにダフリ、スライスにチーピン……と右往左往してしまうわけです。これらの原因の根本は、芯センサーが働いていないからなのです」では、芯センサーはどのように身につければいいのか。そのヒントがETGAで昔から行われている、ラケット打ちにあるという。「ボールを芯でどうとらえるか、という基本的な感覚は、このドリルによって学べます。これは片山晋呉プロでも調整にくると必ずやるドリルですから」 動くボールが打てるのは「芯センサー」が働くから 芯センサーが働くことで動くボールが打てる。このセンサーなくしてボールをとらえることは不可能なのだ。ETGAではラケットやバットを使い、投げたボールを打つ練習が定番ドリルになっている。球技経験のない人にはとても有効だという >>“芯センサー”を磨くとっておきドリルがこちら 週刊ゴルフダイジェスト2022年6月28日号より

いつもと違う条件で打ってみよう

ETGAではジュニアはもとより、研修生にもけん玉をさせるという青山裕美プロ。どういうことか?

「けん玉で、ひじの位置やひざの曲げ具合を意識する人はいません。球の重心を感じ、それを自在に動かす感覚を身につけるしかないのです。ゴルフも同じです。ボール位置は、テークバックは、トップは……と形や動きを伝えても、芯で打てるようにはならないのです。どうすれば打てるのか。それを自分自身で考える必要があるんです。そこで最適なのがドリルです。ルールや制限を設けることで自ら考え、工夫させるわけです。そうすることで体内に芯センサーが生まれてくるのです」

実際にボールを打つドリルを教えてもらおう。使うのは7Iだ。

「まずはティーアップして打ってみましょう。打感がシビアになりますから、芯に当たらなければ手がしびれたり、何よりボールは真っすぐ飛んでくれません。ティーアップしたボールをどうやって真っすぐ飛ばすか。トライ&エラーを繰り返すことで芯センサーが体内に作られていきます」


慣れてきたらティーの高さを高くするのも効果的だ。フェースのどこに当たったか、わかるようになれば、それが芯センサーのベースになる。アイアンで上手に当たらない人は、ロフトの立ったFWやUTから始めるといい。慣れてきたらウェッジにも挑戦だ。

2つ目は縦に3球並べたボールを連続して打つドリル。これは芯センサーだけでなく、ショットに不可欠なフットワークやリズム、タイミングを磨く練習にもなる。

「左足を上げて踏み込む、いわゆるステップ打ちの動きになります。ゴルフは止まったボールを打つため、体が止まりやすいのです。自分から積極的に動けば、体の使い方が学べますし、ボールが確実に当たる場所に自然と踏み込めるようになります。打ち方は一切考えなくていいです。3球連続して打つことがテーマです」

芯で打つドリルの3つ目が、前後左右にボール位置を変えて打つドリルだ。ボールはセンターを中心に左右(左足前、右足前)、前後(遠く、近く)に置き、それぞれを打つ。アマチュアが傾斜地が苦手なのは、ボールをとらえられるエリアが狭いからだ。一方、プロはボール位置を変えても確実に芯でとらえられる。

「ジュニアはグリップだけ教えれば、自然に芯で打てるようになります。芯センサーを呼び覚ますドリルを活用してください」

芯打ちドリル1
ティーアップ打ち

まずは7Iでティーアップしたボールを打ってみよう。芯に当たらなければ手がしびれ、ミスしたとすぐにわかるはずだ。誰もが簡単にできるドリルだが、想像以上に難しい。デビュー当時の片山晋呉はティーアップでライナーを打ち続けたという

芯打ちドリル2
3個並べて連続打ち

縦に3つ並べたボールをステップしながら連続して打つ。動きが止まらないよう、クラブを振り子のように動かし続けるのがコツ。芯でとらえる体の動かし方、リズム、タイミング、ボール位置まで自然に身につく万能ドリルだ

芯で打てるポジションが自然に身につく

左足を踏み込むことで「ボールが体の中に入る」と江連忠が表現する状態が作れる。芯で打てるポジションを自分で作り出せることこそが、芯センサーが身についた証しになる

芯打ちドリル3
ボール位置を前後左右にズラして打つ

プロや上級者は打てるエリアが広いが、アマチュアは極端に狭い。そこで、ボール位置を前後、左右にスラして打ってみよう。ボール位置が変われば、軸や前傾姿勢も自然と変わる
●前後にズラす>>前傾の深さが変わる>>つま先下がり&上がりに効果大
●左右にズラす>>軸が左右に変わる>>=左足上がり&下がりに効果大

わざと芯を外して打ってみる

青山プロは「プロとアマチュアの差は感度の違い」と言い切る。

「実は1ラウンドのナイスショットの数は、プロもアマチュアもさほど変わりません。ただ感度が違うため、感度の高いプロは“激芯”が数回、感度の鈍いアマチュアはそこその当たりをナイスショットに数えてしまうのです」

体内に芽生えた芯センサーの感度は、どう磨けばいいのか? ゴルフでは「真っすぐ打ちたいなら曲げろ」「飛ばしたいなら飛ばすな」と言われる。つまり、正反対のことをしろ、というわけだが、

「その通りです。芯で打ちたいなら芯を外して打てばいいんです」と青山プロは即答。あえて芯を外すことが、芯センサー磨きにつながるのだ。青山プロは「トップ打ちがおすすめ」だという。

「トップして打ってください、と言うと『どう打てばいいですか?』というアマチュアがほとんどです。でも、トップの打ち方に答えはありません。刃(リーディングエッジ)をどこにどう入れるのか、試行錯誤しながら自分でつかむしかないのです。あえてトップを打つことで、センサーの感度は確実に磨かれるはずです」

トップが打てるようになると刃の入れ方がわかる。それを少しずつ芯に近づけていけばいいのだ。

「プロはトウやヒールに当たるとすぐわかりますし、意図的に打点も調整できます。それだけセンサーの感度が高いんです。プロはスウィングを作るのではなく、球筋を作ります。そのベースが芯センサーにあります。だからこそ、センサーの感度を高めることがスキルアップに直結するんです」

芯センサーを磨くドリル1
わざとトップさせて打つ

わざとトップを打つドリルは芯センサー磨きに最適だ。刃をどこに入れるか、そのためにどう振るか、その感覚を磨くことで意図的にトップが打てるようになる。ハーフトップまでいけば、ボールがフェースに乗り始め、スピンコントロールもできるようになる

芯センサーを磨くドリル2
トウ側やヒール側で打つ

週刊ゴルフダイジェスト2022年6月28日号より