【距離のあるバンカー】<前編>「バンカー=SW」と決めつけていませんか?
「ゴルフでいちばん難しいショット」のひとつが、ピンまで距離があるバンカーショット。力いっぱいウェッジを振り抜いても、「ダフってショート」か「ホームランで大オーバー」が関の山。遠いバンカーを攻略するにはどうすればいいのか。名手・比嘉勉プロが教えてくれた。
TEXT/Daisei Sugawara PHOTO/Tadashi Anezaki THANKS/かずさCC
解説/比嘉勉
1963年生まれの58歳。レギュラーツアー、シニアツアーでの経験も豊富。最近は、多数のアマチュアゴルファーをレッスン中。「距離のあるバンカー、生徒さんでも苦手としている人は、やっぱり多いですよ」という
SW以外の選択肢を頭に入れておく
距離のあるバンカーが、なぜ「激ムズ」なのか。比嘉プロは、「普通のバンカーショットよりパワーが要ること、それに加えて、ボールの手前2~3センチのところに正確にヘッドを落とす精度が必要なことが、難しい理由です。エクスプロージョンで打つ場合は、パワーが足りないと届かないし、パワーがあっても、精度が悪いと常にホームランと紙一重のショットになりますから」と、比嘉プロ。プロでも、毎回「ぴったり寄せる」のは至難の業なので、通常はホールマネジメントで絶対に「入れない」のが鉄則。でも、もし入ってしまったらどうするか。
「サンドウェッジ(SW)のエクスプロージョンだと30ヤードが限界なので、それ以上打つなら、『ライ』と『アゴ』の状況を見て番手を上げます。『バンカーはSW』と決めてかかると、このピンチは乗り切れない。発想の転換が大事なんです」(比嘉)
自分の飛ばせる距離を把握してますか?
「プロでもSWのエクスプロージョンは30Yが限界」
ボールの手前をダフらせて打つ「エクスプロージョン」で寄せようとすると、プロでも30ヤードくらいが限界。それ以上はある程度、ホームランなどの大ミスを覚悟して打つことになる。アマチュアなら、ミスとの境界線はさらに近くなる
エッジまで30Y、ピンまで50Yなら
8Iのエクスプロージョンもアリ
●「AW」のエクスプロージョン
キャリーが出て、止まりやすい
SWだと100%のフルショットになる場合、番手をひとつ上げてAWにすれば、ある程度コントロールしながら打てる。ボールの高さも出るので、大抵のアゴはクリアできる
●「PW」のエクスプロージョン
スピンが入らずランが出る
PWなら、トータル50ヤードくらいは割と簡単に届く。ただし、スピンはあまりかからないので、エッジからピンまでの距離がある程度必要。アゴもあまり高くない状況が好ましい
●「8番アイアン」でエクスプロージョン
かなりランが出る
SWと同じ打ち方で、7~9番アイアンくらいまでは十分、バンカーショットに使える。ただし、アゴが低いことが前提条件。ランがかなり出るので、ピンが奥の状況に向いている
「どの番手でも、フェースを開いてバウンスを使うのが基本です」
エクスプロージョンで距離を出すなら、番手を上げるのがいちばん簡単。打ち方は基本的にSWと同じでいい。フェースを開けば、8番、9番アイアンでも十分、バウンスを使える
エクスプロージョンショットのポイントとは?
- 距離のあるバンカーショットはSWにこだわらず、番手を上げてエクスプロージョンさせるのが一番確実だと比嘉勉プロは言う。では、そもそもエクスプロージョンはどうやるのが正しいのか。打ち方のポイントを聞いた。 PHOTO/Tadashi Anezaki TEXT/Daisei Sugawara THANKS/かずさCC 解説/比嘉勉 1963年生まれの……
週刊ゴルフダイジェスト2022年5月31日号より