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【イメージ力を鍛えよう】#1 倉本昌弘「イメージすれば体は勝手に動くんです」

新しいスウィング理論が次々と登場し、結局何が正しいのか分からなくなってしまっている人も多いはず。しかし実は、スウィングの細かい形よりも、重要なのは打ちたい球筋を「イメージ」する力だとプロや上級者は口を揃える。詳しく話を聞いていこう。

TEXT/Daisei Sugawara PHOTO/Hiroyuki Okazawa、Tadashi Anezaki

●CONTENTS●
#1 イメージすれば体は勝手に動く
#2 グリーンから逆算して考えよう
#3 弾道イメージを言葉にする
#4 “仮想ラウンド”で迷いを払拭

イメージが明確なら、体は勝手に動く

解説/倉本昌弘

くらもとまさひろ。1955年生まれ広島県出身。1981年にプロデビュー、その年に賞金ランク2位と鮮烈なデビューを飾った。その後も勝利を重ね、通算30勝。日本ゴルフ界のレジェンド

ゴルファーはついスウィングの形にこだわりがちだが、上級者ほど「イメージ」を重視している。なぜイメージが大事なのか。ゴルフ界屈指の理論派、通算30勝の倉本昌弘プロに話を聞いた。

「本来人間は、日常生活では普通に『イメージ』だけで動けているのに、ゴルフになると急に特別な動きをしなきゃいけないと思ってしまう。これが大きな間違いなんです」(倉本)

確かに、我々は日々いろんなことを“無意識”にイメージして生活している。

「たとえば、階段を上るのに、それまで1度も上ったことがない子どもはつまずくけど、何度も上ったことがある大人はまずつまずかない。でもそのとき、『ひざをこのくらい曲げて、足をこれだけ浮かせて』なんて、考えてないですよね? 『段差を連続で上る』ことをイメージしたら、体が勝手に動く。これが本来、人間に備わっている機能なんです。

ゴルフも同じで、『こういう球が打ちたい』という明確なイメージもないのに、体が正しく動くはずがない。形だけを切り取って、ただマキロイがこう動いているからやってみようというのでは、順番が違うんです。人間の体は、脳からの命令で動くようにできていますが、どんな球を打てばいいかわからないのに、何の命令が出るのでしょうか?」

名手たちは皆「イメージ」を大切にしていた

「私は球を打つとき、必ず頭の中に鮮明な映像を思い描いている」(ジャック・ニクラス)

「イメージが明確でない練習ほど意味のないものはない」(タイガー・ウッズ)

そしてこれは、プロだけの話ではない。と倉本プロは強調する。

「イメージの話をすると、『それはうまい人だけの話でしょ』という人が必ずいますが、それは違う。アマチュアの方こそ、イメージする努力を怠ってはダメなんです。当然、はじめのうちはイメージ通りにならないし、うまくいかないことのほうが多い。そうなると、形に行きたくなりがちですが、そこでイメージすることをやめてはいけません。やり続けること。そうすると、必ずできるようになりますから」

倉本昌弘の「弾道イメージ」3カ条

「アマチュアこそ弾道のイメージを明確にすべき」
プロは膨大な練習量のおかげで、球筋をイメージしただけで体が勝手に動く。そうでないアマチュアは、ラウンドの一打一打がイメージの練習という意識が必要。

「迷った瞬間、イメージは一気に壊れてしまう」
残り距離やライ、風などを考慮して次に打つ番手を「選ぶ」とき、実は球筋をイメージしている。ただし、一度決めたのに迷ってしまうと、そのイメージは瞬時に消えてしまう。

「スウィングのことを考えている暇はない」
スウィング中、脳の命令が筋肉に届く時間はほんのわずか。そこでいちいちスウィングのことは考えられない。それよりも弾道を明確にしておくほうが体はしっかり動く。

では、弾道をイメージするには具体的にどうすれば?
>>グリーンから逆算して考えよう
>>弾道イメージを言葉にする
>>“仮想ラウンド”で迷いを払拭

月刊ゴルフダイジェスト2022年6月号より