Myゴルフダイジェスト

  • ホーム
  • レッスン
  • 【ゴルフの急所】Vol.13 「ニュートラルな状態に戻す練習を習慣づけよう」

【ゴルフの急所】Vol.13 「ニュートラルな状態に戻す練習を習慣づけよう」

30歳からゴルフを始め、トップアマとして活躍したのち、49歳でプロ転向。会社経営の傍ら、2020年には日本シニアオープンを制するまでに至った異色プロ・寺西明が、自身が考える「ゴルフの急所」について、読者からの疑問に答える形で解説していく。

PHOTO/Yasuo Masuda THANKS/六甲国際GC

前回のお話はこちら

前日の練習では絶好調だったショットが、翌日のラウンドではボロボロということがよくあります。どうしたら、好不調の波を小さくすることができるのでしょう?


まず知っておきたいのは、上級者であろうとプロであろうと、ショット(の調子)は日替わりメニューだということです。

昨日よくても、今日は悪い。悪い日が続いていても、次の日にいい球が出る。それは誰にでも起こり得る普通の現象で、好調を持続することも、不調を避けることも、誰にもできない……。それがゴルフというスポーツです。

ですから、前日にできていたことが、翌日にできなくなったとしても、気に病む必要はないし、「ゴルフなんてそんなものだ」と受け入れることが大切だと思います。さて、ここまでが大前提なのですが、初・中級者に比べると、上級者のほうが好不調の波が小さいことは確かでしょう。

そこで、ボクがおすすめしたいのが、自分をリセットする練習


──それを実践することで自分をなるべくニュートラルな状態に戻すことを習慣づけるのです。ボクの場合で言えば、練習のときにも、ラウンドの前にも、必ず行うドリルがあります。それは、(1)ステップ打ち、(2)ツーボールドリル、(3)トップで静止してから球を打つドリル、(4)クロスハンドドリルの4つです。

これらのドリルに共通するのは、下半身から動かさないと上手く打てないということです。これでミスが出るときは、上半身の力感が強かったり、手先を使っていたりして、リズムや動きが悪くなっている恐れがあります。

しかし、それを放っておけば、大きな不調に陥ってしまうので、注意しなくてはいけません。だから、練習の始めには、常にこの4つのドリルを行い、下半身から動かせるようにします。そしてスムーズに打てるようになってから次の練習に入っていく。そうすることで、深い迷路に迷い込むことを防ぐわけです。

好不調の波を小さくしたいのであれば、10~20球でいいから、こういう練習を常に行うようにしてください。そうすれば、今の悩みは少しずつ解消されていくのではないでしょうか。

Drill 1
ステップ打ち

使用クラブはウェッジ。足踏みに合わせてクラブを左右に揺らし、左足を踏んでフォワードプレス、右足を踏んでバックスウィング、左足を踏み込んでダウンスウィングして、球を打つ。下半身主導の動きや体重移動がスムーズに行われていなかったり、リズムなどが悪かったりするとミスになる

Drill 2
ツーボールドリル

使用クラブはウェッジ。いつもどおりにアドレスしたら、ヘッドの後ろにボールを置き、そのボールを真っすぐ後ろに転がしながらバックスウィングして、球を打つ。ボールをゆっくり、真っすぐ後ろに転がすことが大切で、そのためには、体と腕を一体化させ、下半身から動き出すのがポイントになる

Drill 3
静止したトップから球を打つ

使用クラブは、ウェッジかショートアイアン。トップでいったん静止したら、左足に踏み込む動き(左への体重移動)をきっかけにダウンスウィングして球を打つ。下半身から切り返す動き、感覚を確認するドリルで、手や腕の力でクラブを下ろすと上手く打てない

Drill 4
クロスハンドドリル

クロスハンドでグリップし、ウェッジやショートアイアンを打つ。手先でクラブを動かすと、インパクトで手元が浮いて上手く打てない。左腕と体を一体にして、下半身と体の回転をしっかりと使い、ゆるやかな入射角度を意識して打つのがポイント。ハーフスウィングでも効果がある

月刊ゴルフダイジェスト2022年3月号より

寺西明のゴルフの神髄が凝縮!
『30歳からゴルフを始めた賞金王』好評発売中