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【ゴルフの急所】Vol.12 「大事な場面でミスをするのは“心が弱い”からではない」

30歳からゴルフを始め、トップアマとして活躍したのち、49歳でプロ転向。会社経営の傍ら、2020年には日本シニアオープンを制するまでに至った異色プロ・寺西明が、自身が考える「ゴルフの急所」について、読者からの疑問に答える形で解説していく。

PHOTO/Yasuo Masuda THANKS/六甲国際GC

前回のお話はこちら

私は、大事な場面になると決まってミスをしてしまいます。こんな心の弱い私を変える方法はないでしょうか?


ミスの原因は心の問題ではない

人に見られているとミスをする。あと少しでベストスコアが出そうなときにOBを打つ。パーが続くと、その後、決まって大叩きをする……。それが、質問者の方の悩みだそうです。

よくわかります。ボクもそうでした。だからこそ言っておきたいことがあります。それは、あなたの心は弱くないということです。大事な場面でミスをするのは誰でも一緒。重圧がかかれば、みんなミスをするし、みんな負ける。タイガー・ウッズだって、松山英樹だって例外ではありません。世界中すべてのゴルファーがそうであって、あなただけが特別弱いわけではないのです。

ボクも重圧に勝てず、悩んで、悩んで、悩みまくり、ドライバーが打てなくなって、アイアンだけでプレーした時期がありました。では、そんな状態からどうやって抜け出したのか。そのひとつのきっかけは、ゴルフという競技は、そういう重圧を楽しむためにやっているんじゃないかと気づいたことでした。


重圧がかかるのは、そこに上手くなりたい、上手く見せたい、いい球を打ちたいという欲があるからです。ゴルフが好きで、もっと成長したいと願っている。だから重圧がかかるのです。もし、どうでもいいと思っていたら、重圧なんてかかるはずがありません。

その重圧を乗り越えた先に、大きな幸せと成長があります。プレッシャーのかかったパットを入れたとき。左右OBの狭いホールでティーショットをフェアウェイに運んだとき。あなたは間違いなく幸せなはず。ゴルフというのは、それを楽しむ競技ではないか。ボクはそんな気がしているのです。いま強い人、強く見える人だって、最初は重圧に負け、たくさんミスをしてきたはずです。でも、そのたびに受け入れ、乗り越えるという経験を積み重ねてきたからこそ、強くなれたのです。

だから、重圧に負ける自分をダメだと決めつけ、否定するのではなく、そんな自分を受け入れ、重圧を楽しみ、それを乗り越えて成長する。そんなふうに考えてみてはいかがでしょう?

重圧というのは、場慣れすることでしか克服することはできません。その第一歩は楽しむことではないかと、ボクは思うのです。

ギャラリーを想像してショットを打ってみよう

「重圧を乗り越えるためには、普段から自分に重圧をかけ、そのなかで成功するという経験を積んでいくとよいでしょう。ショットであれば、大ギャラリーに見られている自分をイメージしながら球を打つなどが定番。少しドキドキするくらい、リアルにギャラリーをイメージするのがポイントですよ」(寺西)

究極のシーンをイメージして練習してみよう

パットであれば、『これを入れたら優勝。外したら負け』という状況をイメージしながらカップに入れる練習をする。ドキドキしながらカップインさせ、ガッツポーズをするところまでイメージできたら最高だ

重圧を受け入れて日本シニアオープン制覇

「まずは、重圧に負ける自分を否定するのではなく、受け入れることが大切です。たとえば、『人がたくさん見てるし、上手いこといかんかもしれんな。でも、それなり練習してきたんやから上手くいくかもしれんし。まぁ、そこそこで、ええんちゃう?』などというところから始めてみるとよいのではないかと思います」(寺西)

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