パットが入らない原因は「カット軌道」にあった! 方向性がみるみるアップするアドレスの極意
プロ40人、アマチュア500人以上を見てきたパッティングコーチの橋本真和氏が気づいたプロとアマの違いは、ひじの高さと手元の角度だという。方向性が安定し、みるみるパットが入るようになるアドレスの秘訣を教えてもらおう。
PHOTO/Shinji Osawa、Hiroaki Arihara THANKS/KOSHIGAYA GOLF CLUB(PGM)
解説/橋本真和
TPIレベル1、アスリートボディケア・セルフトレーナーなどの資格を持ち、最新機器を用いて最先端のレッスンをプロやアマチュアに行うパッティングコーチ
今回協力してくれたのは
竹口淳さん
ショートパット(2メートル以内)が入らないのが悩みという竹口さん。その悩みの原因は!?
これまで多くのプロやアマチュアを指導してきた橋本真和コーチは、プロとアマのいちばんの違いはアドレスにあるという。
GD その違いとは、具体的にどの部分ですか?
橋本 それはアドレス時の「右ひじの高さ」と「手元の角度」です。今回協力してもらう、竹口さんのアドレスを見てください。後方から見て右ひじが前に出て、左腕が見えてしまっていると思います。さらに前腕(ひじから下)とクラブが作る角度が「くの字」になっています。
竹口 実は私、ショートパットが全然入らなくて……。アドレスが原因ですかね。
橋本 10球打ったデータを見ると基本はカット軌道で、手先でフェースをオープンにして打っているようです。原因はやはりアドレス時の2つのポイントにありそうですね。さっそく直していきましょう!
アマチュアの大半は
右ひじが高い&手元が「くの字」
●右ひじが高いと左を向きやすい
右ひじが「高い」、すなわち前に出てしまうと、両ひじを結ぶラインが左を向く。それに伴って肩のラインも左を向きやすく、ヘッド軌道がアウト-インになりやすい。後方から見て右ひじと左ひじが揃い、左ひじが隠れるぐらいが◎
●手元が「くの字」だとアウトに上がりやすい
アドレス時に手元の角度が「くの字」になっている人は、バックスウィングでヘッドがアウトに上がりやすくなる。手とクラブが同調して、イン・トゥ・インでストロークするには前腕とクラブが一直線であることが大事
右ひじが高くなる原因は?
指先でギュッと握っている
グリップ時に指先の力で握ってしまうと手に力が入り、右手を上から握ることになりやすい。右ひじが前に出て雑巾絞りのようなグリップにならないように
カップを見すぎ
カップに目がいきがちなショートパット。カップを見れば見るほど右ひじが前に出やすくなってしまう。カップを見たいときは頭だけを回すようにして確認しよう
手元が「くの字」になる原因は?
重いパターを楽に支えようとする
クラブを持って正面に掲げたとき、同じ重さでも手元に角度をつけたほうが軽く感じる。そのため、無意識に手元に角度をつけてしまう人が多い
パターの長さが合っていない
パターのシャフトの長さが合っていないと写真のように「くの字・逆くの字」になりやすい。グリップの位置も重要なので、鏡でチェックしながら最適な長さを見つけよう
前腕とシャフトが一直線
のアドレスを目指そう
橋本 ではさっそくアドレスを直していきましょう。まずは後方から見て、前腕とクラブが一直線になるように構えてみてください。
竹口 こんな感じですか?
橋本 いいですね! 次に右ひじを少し体に近づけるようにして両ひじのラインを真っすぐにしてみましょう。
竹口 先生、これだけでも結構ツラいです(汗)。
橋本 本来はこのアドレスがベストなんですけど、自然と楽なアドレスに変わってしまうんですよね。
竹口 ただ背筋を伸ばすことしか考えていませんでした。
橋本 手元の角度を一直線にすることで手首が使いづらくなるメリットもあります。さらに両ひじのラインをそろえることでアライメントをターゲットに向けやすくなって、より安定したストレートに近い軌道を描くことができるんです。
入るアドレスをつくる
2つのドリル
Drill 1
パターを水平に持ち上げ前腕と一直線に
グリップエンドを前腕につけると分かりやすい
前腕とシャフトが一直線になっているか不安なときは、クラブを短めに持ってグリップエンドを腕の内側に当ててみよう。「このときの手首の角度をよく覚えておきましょう」
Drill 2
両手首の間にボールを挟む
右ひじが前に出るとボールが落下
写真のように右ひじが前に出てしまうとボールは落下してしまう。落下しなくてもボールがズレたり回転するのもNGだ
週刊ゴルフダイジェスト2021年10月26日号より
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