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Dr.クォンの反力打法 Vol.7 「左の壁」も地面反力の賜物だった

左足の踏み込みと、右足の蹴り。これらの足づかいによって地面反力が生じ、それが体の回転力をアップさせるとクォン教授は言う。しかし地面反力が生み出す効果は実はそれだけではないようで……

【語り手/クォン教授】
ヤン・フー・クォン。テキサス女子大学教授。専門はバイオメカニクス。生体力学的に理に適ったスウィングを研究。教え子にタイガーの元コーチ、クリス・コモらがいる

【聞き手/吉田洋一郎プロ】
よしだ・ひろいちろう。D・レッドベターをはじめ、世界の名だたるコーチのもとを訪れ、最新理論を直接吸収。日々探究・研鑽に余念がないゴルフスウィング研究家

前回のお話はコチラ↑

吉田 地面を踏み込んだり蹴ったりすることで回転力を高められるということですが、それらはどのようなタイミングで行えば良いのでしょうか?

クォン とても重要なテーマだね。これを理解するには、まずスウィングのどの段階で、力がどの向きに、どの程度の強さで働いているかを知る必要がある。左下の図を見てくれたまえ。

吉田 スウィング中に働いている地面反力の大きさと向き、そして反力が生み出す回転力を表示したものですね。

クォン そのとおり。ちなみにこれは欧州ツアーで活躍中のある選手のデータだ。

吉田 ということは理想に近い動きができているということですね。

クォン 最初に見てほしいのは、地面反力の合力Fのベクトルの向き。

吉田 始動の最初の段階では、(本人から見て)右に傾いていますが、途中から左に傾き、ダウンの途中からまた右に傾いています。

クォン そう。地面反力のベクトルを縦(垂直成分)と横(水平成分)に分解して考えたとき、水平成分だけに注目すると、このように右→左→右と変化していることが見て取れる。面白いのは、バックスウィングで体(の重心)がまだ右に動いている段階で、反力は左向きに働いているということ。

吉田 たしかにそうですね。

クォン ニュートンの第2法則によれば――。

吉田 ひええ、またニュートン!

クォン 動いている物体に対して同じ方向に力を加えると加速するが、逆向きの力を加えると減速する。

吉田 あ、それは直感的にわかります。ええとつまり、バックスウィングの早い段階で、右に動こうとする体を抑えようとする外力が働いているということか。なんだか地面反力が右への過度なスウェイを防いでくれているような感じがしてきますね。

クォン たしかにそう見て取れるね。そしてダウンスウィングの初期の段階を境に、反力の向きが再び左から右へと転じる。

吉田 あ! これも、今度は体が左へ突っ込んでいくのを反力が防いでくれている格好ですね。もしかして、よく言われる「左の壁」の正体って……。

クォン この地面反力の傾きのことをプレーヤーが感覚的に表現した言葉なのかもしれないね。

地面反力が、左へのスウェイを防いでくれる

地面反力Fのベクトルは、始動の初期段階では打つ側から見て右に傾いているが(図A)、ハーフウェイバックのあたりから左に傾き始める(図C)。そして切り返し以降、傾きがゆるやかになり、ダウンの早い段階で再び右への傾きに転じる(図I)。もしダウンでも反力Fのベクトルが左を向いたままだったら、体は左に突っ込んでしまう。地面反力が体のスウェイを防いでくれているのだ

Vol.8へ続く

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