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【レッスン】アプローチ&パットは“右手”で“運ぶ”。名手・石坂友宏のショートゲーム論

TEXT/Daisei Sugawara PHOTO/Hiroaki Arihara
THANKS/千葉カントリークラブ川間コース

21歳という若さながら、周りのベテラン勢から「あいつは上手い」と言わしめる卓越したショートゲームの技術を持つ石坂友宏。果たしてどのような意識を持っているのか。詳しく話を聞いてみた。

石坂友宏
1999年生まれ。神奈川県出身。数々のジュニア競技を制し、2019年日本アマ4位、日本オープン23位Tでローアマを獲得。同年、国内ツアー予選会で最終QT進出を果たし、プロ転向した。平均パット数、パーセーブ率ともに上位に名を連ねる。日本ウェルネススポーツ大学在学中

左手は振る
右手は運ぶ

試合の日、石坂の朝の練習は、必ず「右手1本打ち」から始まる。その意図は?

「アプローチやパットは、右手のひらの感覚をボールに伝えないと、距離感が出ないので、その確認のために『右手1本打ち』から始めます。あまり長い距離は打たずに、10、15、20ヤードを重点的にやります」

と石坂。石坂のアプローチは、球をフワッと浮かせたり、逆に低く出してスピンをかけたり、あるいは、スピンを抑えたピッチ&ランで転がしたりと、実に多彩。そのすべての基礎になるのが、右手でボールを“運ぶ”感覚だ。

「ショットは『飛ばす』、アプローチとパットは『運ぶ』のが基本で、運ぶのは右手の役割だと思っています。左手は『振る』役割ですね。右手で運ぶために大事なのは、右手首をしっかりさせて、ある程度角度を固定したまま打っていくこと。これがとくに重要で、手首が緩むと、運ぶ感覚が消えて、ミスヒットしてしまったり、距離感が狂ったりします。普段はそれに加えて、右わきをあまり空けないこと、ゆっくり打つことの2つを、とくに意識しています」

右手の使い方はアプローチもパットも同じ
下手投げのイメージで「運ぶ」

繊細な距離感でボールを投げたいときは、誰でも下からやさしく“運ぶように”投げる。クラブを持ってこの感覚を再現するには、右手首をある程度固めて、ゆっくり打つことが大事だ

右手のひらとフェース面の向きが連動していれば、右手の使い方を意識することで、出球の方向や距離感、さらに球筋までコントロールできる。たとえば、手のひらを下に向ける感覚で打つと、低く、スピンの利いた球になる

右手首の角度をフォローまでキープ
石坂友宏の20Yアプローチ

多彩なアプローチを動画でチェック!

低く出すアプローチ

●ふわりと上げるアプローチ

右手の親指、人差し指、中指
この3本だけはしっかり握る

右手で“運ぶ”ためには、右手首の角度をキープして、過度なリストコックやリリースを抑えて打つというのが、石坂流の骨子。石坂によれば、それを実現しやすくする右手の握り方があるという。

「アプローチとパットは、右手の親指、人差し指、中指の3本は強めに握って、スウィング中に緩ませないように意識しています。力加減は、パンだったらつぶれるくらい。グリップ圧の左右比率でいうと、右7、左3くらいで、ほとんど右手の3本だけでクラブを支えている感覚です」

と石坂。よく、“左手の小指側3本をしっかり握る”といわれるが、アプローチやパットでは、そうはいかない。右手の3本をしっかり握り込むことで、自然に手首の角度が固定され、それが“振り幅”で距離感をコントロールするベースになるのだという。

「距離感は振り幅で作ります。打ち方やタイミングは変えずに、振り幅だけを変えるイメージ。トップとフォローが同じ大きさになります。右手の3本が緩むと、コックが入ったり、リリースされたりするので、振り幅が左右対称にならないんです」

力加減の左右比は、右手が7割で、ほぼ右手でクラブを操作するが、クラブ(ヘッド)は重いので、それを左手で補助してやる必要がある。左手は5本の指全体を6割程度の力で握る

短い距離にフェースの開閉は必要なし!

右手で“運ぶ”際、もうひとつ大事なことは、極力、フェースを「ねじらない」こと。

「アプローチは、とくにフォロー側でフェース面を変えないよう、ヘッドを先に走らせないように意識して打っています。ショットでやるみたいに、フェースを開いて上げて、閉じながら下ろすという動きは必要ありません。パッティングは、フェースの開閉に対して出球がさらに敏感に反応するので、フェースをスクエアにしたまま、ヘッドを飛球線に沿って真っすぐ動かすイメージで打つことが大事です」(石坂)

手首を固定するぶん
体をしっかりと回していく

右手首の角度を固定して振る場合、体を積極的に回さないと、フォローでヘッドが出ていかない。右腕が右わきにくっついた状態で、右腰を押し込んでいくイメージで体を回していく

トップでは手のひらが地面を向く

ごく短いアプローチでは、パットと同じように、フェースをスクエアにしたまま振るイメージで打つ。テークバックでは手のひらを下向きにすると、スクエアのまま上げられる

小文字の「y」をキープ

右手1本打ち
運ぶ感覚を磨こう

石坂のショートゲームの土台であり、距離感と出球の方向安定に効果抜群の“右手1本打ち”。実際に試す際には、以下の点に注意したい。

「右手の3本(親指、人差し指、中指)を緩めずに、右手首の角度をキープして打つことがいちばん大事ですが、アプローチの右手打ちのときには、少しつま先側に体重をかけるのがコツです。長い距離はやらずに、最長で20 ヤード(キャリー15ヤード)くらいまで。これ以上長くなると、ショットに近い動きになり、フェースの開閉、手首のリリースが必要になります。パットの右手打ちのときには、体重を『お尻』に乗せるイメージで、少しかかと体重にして構えると、ストロークが安定するので、試してみてください」

ポイントはゆっくり振ること!

できるだけゆっくり振って“飛ばさない”ことも、右手1本打ちの大事なポイント。また、手首を使うとヘッドが走ってしまうので、10~20ヤードの繊細な距離の打ち分けが難しくなる

右手1本20Yアプローチ

パッティングも基本は同じ
右手で運ぶように転がそう

フェース面は最後までスクエア

ボールとターゲットを結ぶライン上に、何か目印になるもの(スパット)を見つけ、それに対してずっとフェースがスクエアになるように意識してストロークすると、方向性が安定する

右わきが空かないように注意
フェースをスクエアに動かすといっても、シャフトを垂直にしたまま引こうとすると、右わきが空いて不自然なストロークになる。右ひじを軽くわき腹につけ、右わきを空けずに引く

週刊ゴルフダイジェスト2021年6月15日号より