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「ホームランよりピッチャー返し」スライスに悩む森本稀哲を開眼させた魔法のワードとは?

TEXT/Kosuke Suzuki PHOTO/Hiroaki Arihara
THANKS/鎌ヶ谷CC ILLUST/Suzy Amakane

元プロ野球選手の森本稀哲(ひちょり)さんが辻村明志コーチの指導でOBが激減。平均100前後からたった3カ月で70台が出るまでになったという。その教えの一部を特別公開!

森本稀哲(左)
元プロ野球選手。日本ハム、横浜、西武などで活躍し、06年から3年連続でゴールデングラブ賞、07年にベストナイン受賞。2015年に引退
辻村明志(右)
日大を卒業後チャレンジツアーやアジアンツアーに挑戦。その後指導者に転身し、現在は上田桃子や小祝さくらのコーチとして活躍している

ティーショットは4番よりも1番打者がいい
ホームランは必要ありません

プロ野球を引退後、趣味としてゴルフに真面目に取り組んでいたものの、とにかくスライスによるOBのせいでスコアにならず悩んでいたという森本稀哲さん。合宿仲間の上田桃子プロを通じて以前から知り合いだった辻村明志コーチに、すがる思いで電話しアドバイスをもらったのを機にゴルフがガラリと変わり、いまでは70台が出るまでになったという。

「最初に“辻にい”に電話したときは、スウィングどうこうよりも、まずはイメージを修正するところからでした。『稀哲さん、ドライバーを4番バッターのつもりでホームランを打とうとしてません? ドライバーは1番バッター。出塁することが大事なんです』と言われて目からウロコが落ちました」(森本)

教えに従って森本さんはティーショットを「ピッチャー返し」の意識で打つようにしたら、一気にOBが減ったという。

2打目が打てるところに運ぶだけ

出塁優先の1番バッターのバッティングの意識で、フェアウェイセンターにゴロを打つイメージでスウィングするようになったら、飛距離は落ちたが安定感が格段にアップしOBが激減。ドライバーを飛ばしたいという意識は4番打者がホームランを狙うような大振りを生み、OBを量産してスコアを崩す原因となっていた

レッスン前の森本稀哲さん
せっかくのHSを生かせていなかった

HS48㎧にもかかわらず、飛距離は240ヤード前後と、持っているパワーから考えると物足りない。“飛ばしたい”という思いからくる力みが飛ばない原因に

イメージチェンジで動きもチェンジ
あおり打ちが直ってミート率が上がった!

【以前は……】
高い目線でホームランのイメージ

ホームラン狙いだと目線が上がった構えになり、スウィングもアッパーに、そして大振りになってミート率が下がってしまう

目線が高いと……あおり打ちでフェースが開く

目線が高いとあおり打つ形になり、インパクトでフェースが開きやすい。ボールが右に出るうえ、大振りなのですぐにOBになってしまう

【現在は……】
ピッチャー返しのイメージで目線を低く

ピッチャー返しの意識だと目線が下がってレベルブローの動きになり、スウィングもコンパクトになってミート率が上がる

目線が低いと……レベルに回ってミート率アップ

11時”で握ったら
勝手に球がつかまる構えになった!

辻村コーチのアドバイスにより、まずは意識改革でOBが激減した森本さん。しかし大振りしなくなったぶんだけ飛距離は落ち、スライスの根本的な問題が解決したわけでもない。

そこで次のステップとして、辻村コーチから教わったのは、フェースをかぶせて握ることだった。

「フェースを自分から見て時計の“11時”くらいまでかぶせて握れと言われたんです。アドレスするときにはこの握りのままスクエアに戻していいんですが、構えた瞬間のヘッドの見え方がガラリと変わって、視覚的に球が“つかまる”ことがわかりました」(森本)

森本さんは、スライスして右上に逃げる球を押さえ込もうとして無意識にウィークグリップになり、それがさらにフェースが開く悪循環になっていたと辻村コーチは分析する。

「グリップの形をいじると違和感が大きいので、握り方は同じままフェースの向きだけがかぶるように修正しました。でもさすがは元プロ野球選手。視覚の変化に体が反応して軌道もよくなり、インパクトでボールを押す感覚などもどんどん生まれてきて、スウィングが激変しました」(辻村)

「球がつかまるのがわかるから、インサイドから下ろすのが怖くなくなり、ボールに力を乗せる感じも出てきた。これで飛距離も戻って、一気に変わりましたね」(森本)

フェースを11時にしてから
握り直してみよう

これだけで
自然なフックグリップに!

フェースがかぶる向きで普段どおり握って、そこからハンドファーストにしてスクエアに戻すことで自然なフックグリップになる。握り方を変えるよりも違和感が少なく、自然と左わきや右ひじが締まるのでいいことづくめ

右ひじが絞れ、インから下ろしやすくなる利点も

DRILL
を振ってスクエアに戻す感覚をつかむ

板を持って素振りすることで、自然な腕のローテーションのなかで、フェースをスクエアに戻す感覚が養われ、球を自分でつかまえる感覚が身につく

右中間方向に踏み込んだら
スムーズに回れた!

球をつかまえる感覚がわかってきた森本さんに、次に辻村コーチが教えたのが「体の回転」。スライスがひどかったころは、『体を回す=もっとスライスする』感覚があって体を使えなくなっていたが、球がつかまる状態を作れたことで、体を回せば回すほど飛ばせる土台ができたのだという。

「飛ばすためには体の回転は不可欠。でもフェースが開いていたころは、体を回すとどんどんスライスがひどくなるので体を回すのが怖くなっていたんですね。でもすぐにコツをつかんで、シャープに回転して飛ばせるようになりました」(辻村)

このとき森本さんは、左足を踏み込む際のコツをつかんで、動きが劇的によくなったという。「最初のピッチャー返しから、球が少しつかまるようになって左中間に引っぱる感じに意識が変わっていたんですが、辻にいの話を聞くうちに、『これは右中間に打つときの動きでは?』と気づいたんです。具体的には左足を踏み込むときに左腰を壁にぶつけるような感じで踏ん張り、そこから体の開きを抑えて回転するんです。これでさらにボールがつかまるようになり、当たりが厚くなって飛距離も劇的にアップしました」(森本)

「『右中間』という稀哲さんの感覚は野球選手ならではのものですが、『左の壁』や『体の開きを抑える』意識はゴルファーにも通じます。この踏み込みのコツはスライスに悩む人には効果大ですから、ぜひ稀哲さんの言葉を参考に試してみてください。きっとゴルフが変わりますよ!」(辻村)

左の壁を意識して
開きを抑えながら回転!

右中間を狙うイメージで体を開かずしっかり左を踏み込むことで、回転しても振り遅れない

左の壁を意識し、腰をぶつけるように踏み込んでから回転することで、スウェイせず、振り遅れずにスムーズに回転できる。左中間に引っぱるイメージだと体の開きが早くなりカット軌道になりやすい

ヘッドが視界に入ってから回転するイメージ

Drill
地面に置いたカードの上を7番アイアンで素振り

地面にクレジットカードくらいのサイズのカードを置いて、その上を7番アイアンで素振りをする。踏み込みを意識しながら行うと、スクエアな状態で長く押し込んでいく正しいインパクトゾーンがイメージできる

「辻にいのおかげで70台が出ました!」

「辻にいの指導で、課題だったドライバーのスライスが直り、70台も出るようになりました。アイアンの当たりも厚くなり、飛距離も伸びた。次はショートゲームを教わって、シングル入りを目指します! これからもよろしく、辻にい!」

月刊ゴルフダイジェスト2021年7月号より