【男子プロから“本物”を学ぶ】<出利葉太一郎・前編>330Y飛ばす大型新人。「でも僕は全然満足していません」
月刊ゴルフダイジェスト
今季からレギュラーツアーに本格参戦している出利葉太一郎への単独インタビューを掲載。平均飛距離330Yというまさに“飛ばし屋”の彼だが、ショートゲームも好きだと話すから将来性は無限大。ビッグルーキーの「ゴルフ観」と飛距離の源に迫った。
構成/重富由美子 写真/大澤進二、岡沢裕行 取材/ミズノオープン

メンタルコントロールが課題。
ただいま絶賛取り組み中
日大ゴルフ部とナショナルチームで活躍したアマチュア時代を経て、卒業後すぐにプロテストトップ合格。翌年にはシード権獲得と、これまで順調なゴルフ人生を歩んできている出利葉太一郎(いでりはたいちろう)。しかし本人は現状に満足はしていないようだ。
「確かに挫折とかはなく順調といえるかもしれませんが、悠太(杉浦)や同年代の選手がもうアメリカで戦ったりしているので、僕の中では正直言うと少し焦りもあります」(出利葉・以下同)
杉浦悠太とは日大ゴルフ部の同級生で、4年間同部屋で生活しながら切磋琢磨した親友でありライバルという関係。その存在は気になって当然だろう。
「今は情報がすぐに見られるので、悠太に限らず『あの人は何位』とかすぐわかってしまいますよね。そういう情報がネガティブな方向に向かわないように、ポジティブに受け止めて糧になるように努めています」
自分の性格は「素直」だと認識している出利葉は、情報だけでなく周囲からの声も全てそのまま吸収してしまい、つらくなることもあったという。
「プロになってから『すぐに優勝できるよ』とか期待して言ってくれる人が多くて、でも結果が出なくてモヤモヤすることもありました。そういう声や情報も取捨選択していい方向に持っていければ、もっと自分を褒めたりできると思うし、楽しめると思うのでそこは課題です」
技術向上を見据えた
積極的マネジメント
優勝の期待がかかるのはやはり飛距離という武器があるからだが、まだ“成長途中”らしい。
「以前はフェードだったんですけど、いいフェードではなく“コスリ球”という感じだったんです。それを昨年から直していて、球がだいぶフェースに乗るようになってきて最近はややドローになっています。でも本当は真っすぐ出て最後に右に落ちる“いいフェード”を打ちたいんです。そうすれば安定感が増して平均飛距離ももっと伸びるはずなので、そこは“ノビシロ”ですね」
ドライバーの精度アップとともに課題だと感じているのがウェッジということだが、そこは飛ばし屋ならではの問題が発生している。
「パー4で2打目が50とか60Y残ったときが難しいです。自分の中の距離に対する“振り幅”よりも、現場の状況での打ちたい球に対するイメージ力をもっと向上させないといけないと思っています。現状はそこがまだ足りてないから、ティーショットを刻んで100Y残したほうがフルショットできてバーディの確率は上がるとは思います。でも50、60Yを緊張した中でたくさん打てばどんどん上手くなると思うので、今は刻むという選択肢はないです」
目の前のスコアよりも技術の向上を考えてマネジメントしているところは、冷静に自分を分析しながら将来設計ができているからだろう。ますます今後が楽しみだ。
出利葉太一郎(いでりは・たいちろう)を知ろう
●プロフィール
ジュニア時代に数多く活躍しナショナルチーム入り。日本大学4年生の23年にQTを受けてプロ宣言。25年のプロテストでトップ合格を果たし、賞金ランク58位で初のシード権獲得。2001年福岡県生まれの25歳。
●師匠は、髙橋竜彦プロ

同郷で父親がジュニア時代からの知人だったという髙橋竜彦。「スウィングの相談はもちろん、プロとしての心構えや生活の仕方など、いろんなこと教わっています」
●親友でライバルは、杉浦悠太。4年間同部屋で生活した

高校時代も知ってはいたが、日大に入り寮で同部屋になったことで関係性が深まった。「すごく気が合って楽しい4年間でした。今は戦う場所が違うけど、僕も早く米ツアーに行きたいと思っています」
●グリップの握り方は「ベースボールグリップ」

時松源藏、清水大成と同じ「桜美ゴルフ」出身。昨年から右手の小指を左手に乗せるようにはなったが、基本はベースボールのままで左親指はクラブに乗せていない
●課題は50、60Yのコントロールショット

「これが正解という“振り幅”で打つのではなくて、その場の状況に応じてもっと自由にイメージ優先で打てるようになりたいです」。そのためにティーショットは刻まずに50、60Yを打つ回数を増やしている
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- 平均飛距離330Yの飛ばし屋・出利葉太一郎。その大きなアドバンテージの秘訣は、“シンプル”なスウィングにあるという。そこで中編では、本人にスウィングの解説をしてもらった。 構成/重富由美子 写真/大澤進二、岡沢裕行 取材/ミズノオープン 抑えるほうがかえって曲がる「僕、思い切り振ったほうが真っすぐ飛ぶんです」 この記事は有料会員限定です続きを読むには有料登録が……
- 出利葉太一郎のスウィングは“シンプルさ”が特徴。しかしプロ入り以降、カット軌道に振るようになっていたという。そこで後編ではどの点を修正することで、軌道をオンプレーンに戻し、さらには飛距離を伸ばすことができたのか。“コスリ球”から軽いドローへと生まれ変われた理由を聞いた。 構成/重富由美子 写真/大澤進二、岡沢裕行 取材/ミズノオープン 出利葉太一郎は、ドライバーで攻めるスタイル ……
月刊ゴルフダイジェスト2026年8月号より


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