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もう3パットしない! “巨大グリーン”のファーストパット攻略マニュアル

TEXT/Yumiko Shigetomi PHOTO/Hiroyuki Okazawa
THANKS/ザ・サイプレスGC

どんなロングパットでもプロは難なく1パット圏内に寄せてくる。一方で僕らアマチュアは3パットどころか4パットなんてことも……。一体プロはどうやって寄せてるの!?

解説/山下和宏
プロ入り10年目にして初シードと遅咲きだったが、そこから10年連続賞金シード入り。ステディなプレースタイルが持ち味。大阪府出身の47歳。ザ・サイプレスGC所属

グリーンを行ったり来たり
すべては“ラインを読む”ため

「ロングパットで大切なのは距離感を合わせることで、そのためにまずしっかりラインを読むことが必要です」と山下プロ。ラインというと、距離感というよりは方向性の話な気がするが……。

「アマチュアの人はラインというとフックかスライスかということばかり気にしますよね。でも距離感を合わせるには、上りか下りかをきっちり見極めることが重要です。とくに、ラインの横から上り下りを見るときは、必ず低いほうで見るというのが肝心です」

ラインが読めたら、どのようにして打っていけばいいのか。

「ラインを読んだら次は頭の中でボールを転がして“スピード”をイメージします。どれくらいのスピードで転がればカップまで届くか想像して、打ち出しの初速とヘッドスピードを合わせて打つと寄ってくれますよ。ただスロープレーにならないように注意してくださいね」

山下流
ロングパット6つのルーティン

<Step1> ボールの後方で左右のラインを読む

まずはボールの後ろで左右の高さを見てフックラインがスライスラインかを判断する。このときは時間をかけずに大まかな傾斜だけ見ればいい

<Step2> 低いほうから上りか下りかをチェック

ボール後方から見て仮に左側が低かったら、左サイドに移動。カップとボールの中間から、どちらが高いかを見る。左側が高ければ上りのラインとなる

<Step3> カップ側から全体の傾斜を再確認

カップ後方に移動したら全体の傾斜の再確認をする。そしてカップ周りの傾斜をよく見て、最後のボールの転がり方を想像しておく

<Step4> 再度低いほうを通って傾斜を見ながら戻る

来たルートと同じ低いほうを通りながらボールに戻る。このときも歩きながら途中の傾斜をチェックしておく

<Step5> ボール後方で右手素振り

ボール後方に戻ったら、カップに向かって転がっていくボールのスピードをイメージしながら、右手で素振りをする。そしてボールの横へ移動し、両手で素振り

<Step6> イメージを逆再生してテークバック

素振りが終わったら、カップに向かって転がるボールをイメージして、イメージした映像を巻き戻す。転がり戻ってきたボールのスピードに合わせてテークバックを開始

ショートしないためには体を使う

ボールを打つまでの手順は分かったが、せっかくラインが読めてスピードがイメージできてもストロークが悪ければ寄らない。

「アマチュアの人のロングパットはオーバーすることよりもショートすることが圧倒的に多いのですが、それはエネルギーが足りてないからです。ロングパットを届かせるためには手打ちではなく体をしっかり使って打つことが大事なんです」

パッティングで「体を使う」とはどういうことだろうか?

「腕だけで振ったのではエネルギーが足りないし、手がスムーズに動かないことがあります。僕の場合は左肩を下げてテークバックして、右肩を下げて打ちに行くとしっかりとエネルギーを出して打てます。肩じゃなくてもひじを意識したり背中で打ったり、自分なりの強く打てる“アクセルポイント”をいくつか作っておくといいと思います。あとは躊躇せずにヘッドを加速させながら打つことも大切。そうすればショートの回数がグッと減り、寄る確率は高くなるはずです」

体を使うPoint1
肩を上下に使う

腕とクラブの関係性は崩さずに、左肩を下げることでテークバックを開始し、切り返しでは右肩を下げてストロークする。腕の振りではなく肩の上下動でパターを動かせばエネルギーが出る

体を使うPoint2
下半身の力を抜く

下半身を動かさないようにずっと固めたままという人も多いが、それではエネルギーが生まれない。フォローで力を抜いて自然に腰が開くようにする

体を使うPoint3
“振り子”の支点は左胸の下

体を使うPoint4
ヘッド軌道はイン・トゥ・イン

振り幅が大きくなればなるほどヘッドの軌道は緩やかなイン・トゥ・インになるになるのが自然

ロングパット上達ドリル
右手人差し指でグリップを押す

パターを左手だけで持って右手は人差し指を添える。その人差し指で押すようにストロークすると、ヘッドを加速させながら打つ感覚がつかめる

月刊ゴルフダイジェスト2021年6月号より