【教えて! なっち先生】Vol.9 スウィングの再現性を高めるには「ショルダープレーン」を意識しよう

再現性の高いスウィングを手に入れるためには、肩の回転面=ショルダープレーンを意識することが重要だとプロゴルファーの大谷奈千代は言う。肩の正しい動かし方を身に付けるコツを教えてもらおう!

>>前回のお話はこちら
- 飛距離アップのためには「飛ばしに必要な要素を取り入れること、そして、それを無理なく取り入れるための下半身の踏ん張りが必要です」とプロゴルファーの大谷奈千代は言う。詳しく教えてもらおう! >>前回のお話はこちら Lesson 8飛ばしに必要な2つの要素と注意すべきポイント ドライバーショットではと……
Lesson 9
「ショルダープレーン」を
意識しよう
ゴルフスウィングは前傾姿勢を正しく保った状態で軸回転することが大切です。そうすることで、ボールを芯でとらえることができるようになります。
そんな体幹の動きを腕に繋げているのは「肩」ですから、肩の回転面も大切なチェックポイントの一つなんです!
もし、軸回転と肩の回転面がズレてしまうと、クラブを正しいプレーンに乗せることができなくなってしまい、ミスショットの原因になってしまいます。こういったことから、ショルダープレーンはインパクトでの再現性を高めるための大切なチェックポイントの1つなのです。
両肩を結んだ線が同じところを回転する
前傾姿勢を保った状態で正しく軸回転することができれば、ショルダープレーンは簡単に習得することができます! スウィング中、肩の動く面がひとつの面(ショルダープレーン)になるのですが、この動作をわかりやすく可視化するにはクラブを担いだドリルが最適です!

まずは上のイラストのように、ひじを下に向けた状態でクラブを持ち、首の後ろで担ぎます。この担いだクラブが、両肩を結ぶ線を可視化してくれるわけです。
そして前傾姿勢を保った状態で、クラブが背骨に対して90度の角度を保ちながら正しく軸回転することができれば、トップでの左肩の位置に、フォロースルーで右肩が入れ替わるように動いていきます。これでショルダープレーンは完成です!
両肩が軸との角度を保ってこそ関節は動きやすいポジションに収まるためスムーズに動くことができるのです。
しかし、実際のスウィング中にどちらかの肩が上がったり(挙上)下がったり(下制)してしまうことで、ショルダープレーンから肩が飛び出す形になってプレーンから外れてしまうと、回転が途中で止まってしまい手が出てしまうため、手打ちの原因にもなってしまいます。
このショルダープレーンから肩が外れてしまう原因は、肩甲骨のポジションが緩んでいることにあります。ボールを遠くに投げられるように、肩関節はあらゆる方向に腕を動かすことができるので、肩関節の土台となる肩甲骨を正しいポジションに収めておく必要があるんです。そんな肩甲骨を理想的なポジションに収めることをトレーニング用語で「ショルダーパッキング」と言います。つまり、ショルダーパッキングで肩周りのインナーマッスルを利用して肩周りの安定性を図っているわけです!

猫背でないことが前提となりますが、両ひじを下に向けることで肩甲骨が自然と引き寄せられます。この適度に両わきを締めた状態が肩甲骨の正しいポジションなのです。ショルダーパッキングを行うことで、両わきを締める感覚をつかめると大成功です!
ショルダーパッキングによって正しいショルダープレーンを習得することができると、インパクトでの再現性を高めることができるようになりますよ。ぜひお試しください!

大谷奈千代
1984年、神戸市出身。JLPGAトーナメントプロ&ティーチングA級。関西を中心にレッスン活動を行う
週刊ゴルフダイジェスト2025年5月27日号より