【競技ゴルファー・タニシゲ】Vol.32 3ホールの実践編を終えて…練習場とコースの違いを改めて実感!

青木レッスンも佳境に入り、コースでの実践編となったが、青木のUTアプローチを見て谷繁の目がキラリ。まだ新しい技術を習得する気満々のようだ。今週も引き続き裾野CCでのラウンドレッスン。青木も打ちながらの“対決形式”だ。
PHOTO/Tadashi Anezaki THANKS/裾野CC

青木翔 1983年福岡県生まれ。2017年渋野日向子を全英女子オープン優勝に導いたコーチ。2020年レッスン・オブ・ザ・イヤー受賞。ジュニアから一般アマチュアまで幅広く指導。「六甲国際ゴルフアカデミー」校長
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- ドライバー、アイアン、アプローチ、バンカー、パット。一通りのレッスンを終え、次はいよいよ実践編。場所は静岡県の裾野CCだ。谷繁は増やした引き出しをうまく開けることができるか? PHOTO/Tadashi Anezaki THANKS/裾野CC 谷繁元信 1970年広島県生まれ。88年ドラフト1位で横浜大洋ホエールズ入団。02年中日ドラゴンズに移籍。14、15年はプレーイングマ……
何となく打つ……
ダメ、ゼッタイ!
青木 パー4、パー3ときて、今度はパー5です。
谷繁 ドライバーはバッチリです。カット打ち防止ドリルもやったしね。
青木 打つ前にボールをじーっと見るクセも出ていなかったと思います。ナイスショットでした。僕のほうがちょっと左に曲げちゃいました(笑)。
谷繁 打つ前はボールのやや手前を見て、そこに向けてクラブを振り下ろす感じでいいんでしたよね。
青木 その通りです。
谷繁 フェアウェイの先端まで残り223ヤード。4番UTで狙います。ライは左足下がりなので右に行きやすいシチュエーションです。
青木 ちょっとコンパクトに振って、低めの球で狙うのが良さそう。
谷繁 クリーンヒットはしなかったけれど、まあまあ。
青木 許容範囲ですね。
谷繁 でも100ヤードほどは残ったのでPWでいきます。ライは左足下がり。
青木 でもよく見たらつま先下がりも入っていますよ。やや右を向いて引っかけてもいいくらいのイメージで打ってください。
谷繁 そう言われてから、気持ちよく打ててナイスオンしたけど、青木さんに指摘されるまでつま先下がりには気付いていませんでした。
青木 左足下がりばかりに注意が向いていましたもんね。
谷繁 もっと冷静にならないとね。

左足下がりに気を取られ、つま先下がりを意識していなかった谷繁。野球では“観察・洞察の鬼”で知られたのに……
青木 ちなみに僕は50度のウェッジで計算通りグリーンセンター付近。悪くない。
谷繁 パターは青木さんからでした。
青木 残り5メートルほどで先に入れたかったですが……。バーディはならず。
谷繁 俺のほうは2メートルの入れ頃に寄せていたけど、決め切れなかった。ちょっと読みが違ったかな。難しい。
青木 よし、勝ったー!
谷繁 勝った?
青木 今日は3ホールの勝負ですから。
谷繁 僕は3ホールがダボ、パー、パー。
青木 僕はパー、ボギー、パー。ストローク戦なので僕の勝ち、と。
谷繁 あ、最初のパー4で最後10センチのパターをペロッと外したからだ……。しまった。
青木 10センチでも1打ですよ。
谷繁 競技ではなおさらですよね。今日は僕としたことが油断してしまった。
青木 シーズン2のレッスンもこれで一区切り。やってみていかがでしたか?
谷繁 今回は、これまで学んできたことの実践編でした。やっぱり練習場とコースでは違いが出ますね。僕はラウンド数はかなり多いほうですが、なんとなくプレーしている部分があったんです。例えば、最後のホールの3打目のライ。なんとなーく「左足下がりだなあ」と思っていましたが、青木さんからつま先下がりでもあると指摘されて「あっ」となりました。ライの見極めはまだまだ。もっと集中して、感覚を研ぎ澄まさなくては……。
青木 それが競技ゴルファーです。レッスン全体を通じてはいかがでしたか?
谷繁 谷繁ノートのメモが増えた増えた。プラス今日の3ホールの実践で引き出しの開け方も見えてきた感じがします。実は、年明け、シニアプロの方たちとご一緒する機会があったんだけど、何人かから言われたんですよ。「シゲちゃん、ひと皮むけたねえ」って。
青木 それはすごい。
谷繁 「俺にも青木翔を紹介してよ」とまで言われましたから。
青木 わ、皆さん見てくれているんですね。それは僕もピリッと引き締まります。
谷繁 実際、青木さんに見てもらってスウィングは仕上がってきたなと思います。ただ、実戦の場に出ると、自分のクセが出たり……。さっきも言ったように、ライの見極めが甘いまま何となく打っちゃったり。
青木 ラウンドレッスンに出ると、また新しい課題が見つかりますよね。
谷繁 ほんとにそうです。やればやるほどわからないことが出てくる。これほどプレーしてきて、まだ知らないことがあるからね。
青木 ゴルフってそうですよね。日本ミッドに向けて、まだ整理することがたくさんありそうですね。
谷繁 そうなんですよ。あと、今年から僕、シニアの競技にも出られるんで、そちらも乞うご期待。
青木 優勝タイトルを増やしたいですね。で、来週は総集編です。
谷繁 引っ張りますね(笑)。
週刊ゴルフダイジェスト2025年5月6日号より
CS放送のGAORAでは「谷繁元信×青木翔の勝つゴルフノート」がオンエア中