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【目澤秀憲の目からウロコ】館山昌平編③「力の入るポジション」を作る

過去2号にわたり、ゴルフと野球の共通点を探ってきた2人。最後は、速い球を投げられる館山さんでも苦労する、ゴルフの「当て勘」をテーマに目澤コーチがレッスンを行った。

TEXT/Daisei Sugawara PHOTO/Hiroaki Arihara THANKS/RAYCOM BASE CAFE

目澤秀憲 ゴルフ界の最先端を知り尽くすコーチ。現在は河本力、金子駆大、永峰咲希、阿部未悠などを教える
館山昌平 元プロ野球選手。現在は自身の経験を生かし、マルハン北日本カンパニー硬式野球部の監督を務める

>>対談編はこちら

ボールを「つぶす」には
どんな形が必要か

―― 結論として、野球とゴルフはかなり共通点が多いという印象を受けましたが、最後に館山さん自身のゴルフの悩みに、目澤コーチが直接アプローチする回にしたいのですが。

館山 ゴルフの悩みでいうと、アイアンの当たりがよくないというのはありますね。

目澤 ちょっとスウィングを見させてもらっていいですか……。そうですね、少しボールを軽く拾いすぎというか、ボールを「つぶす」感覚が弱い感じがしますね。これまでの話で、ピッチングもリリースポイントでいかに「力が入るポジション」にするかが大事とおっしゃっていましたが、ゴルフもそれはまったく同じで、インパクトで一番強くボールを押せる、あるいは叩ける形を作れるかがカギになります。

<問題点>
右に重心が残りボールをすくっていた

スウィングの最下点でボールをヒットするイメージだと、体重が右に残りやすく、いわゆる「すくい打ち」になり、ボールを「つぶす」インパクトにならない

館山 ターフを取るのが苦手なんですよね。芝を削るのが何となく申し訳ない気がして(笑)。

目澤 それがスウィングにも出ていますね。芝のことは一旦、忘れてもらって、とにかく一番強くボールを押せる形を作ってみてもらえますか。アドレスでその形を強く意識して、スウィングをスタートしたら、またその形に戻ってくることだけ考えて振ってみてください。

館山 確かに強く当たりますね。真っすぐ飛ぶかどうかはまた別問題なのかもしれませんが、とにかく当たりはいいです。

目澤 方向性の問題については、もう少しフェース面がスクエアな時間が長くてもいいのかなと思います。フェース面をずっとボールに向けたままのイメージでテークバックして、下ろすときもフェース面をボールに向け続けるようなイメージを持つといいかもしれません。

館山 フェース面をずっと意識し続けることで、インパクトでもスクエアに当てるイメージが出やすいですね。狙ったところに打てそうな感覚があります。

館山「ターフを取るのが苦手ですくい打ちになります」
目澤「力の入る形をイメージしましょう」

館山「野球のピッチングと同じ教え方ですね」

ボールに対して強い圧力をかけることを意識して、インパクトの形を作ってみる。すると、自然に左足体重(+右重心)で、ハンドファーストの形になる

Point 1
始動の前にインパクトの形を予行練習

スウィングをスタートする前に、一番力の入るインパクトの形を作り、アドレスにその要素を取り入れて構える。すると、実際のスウィングの中でもそのポジションに戻りやすい

Point 2
フェース面を常にボールに向け続ける

始動からインパクトまで、ずっとフェースがボールを向くようなイメージで振る。スウィング中のフェース開閉度合いが少ないほうが、スクエアに当てやすい

「バズったものが正解という考えは捨てて」
動画投稿サイトなどでピッチングやスウィングを学習する人も多くなっている時代。問題となるのは、動画サイトで「バズっている」(人気がある)内容が、果たして正しいのかどうかということ。
「ボールを速く投げるには腕を速く振らなきゃいけない。投げる目標に対して、腕を振るベクトルが100%向いているのが一番ですが、動画サイトの指導者の中には、スピードは出るけどストライクゾーンに行かなくなる可能性があるやり方を教えている場合もあります」(館山)
「今は動画の画質がよくて、スロー再生や逆再生も簡単なので『完コピ』をしようと思えばすぐできる。でも、それがその人に合った動きかどうかの検証がされてないケースが多いです」(目澤)

月刊ゴルフダイジェスト2025年3月号より